キル・ビル(Kill Bill)とは、監督と脚本をクエンティン・タランティーノが担当したユマ・サーマン主演の映画である。
概要
タイトル通り、幸せの絶頂にいた主人公を奈落の底に突き落としたビルとその配下である毒ヘビ暗殺団への復讐を描いた作品。
ハードなバイオレンス描写が展開されるがブラックユーモア溢れるコメディ映画としての側面もある。
Vol.1とVol.2に分かれているが元は一本にまとめる予定であった。監督の頭の中にはVol.3の構想もあるらしい。
各映画からのパロディが多いが、Vol.1公開後は本作のパロディが多くみられるようになるなど後世に多大な影響を与えた名作。
キル・ビル Vol.1
概要
監督の得意とするバイオレンス・アクションを全編に押し出した一作目。
冒頭に敬愛していた深作欣二へこの映画を捧げるというテロップが流れ、エンドロールでは勝新太郎と共に再び触れられるが日本以外での上映国では「復讐は冷やして食べるのが美味い」というスタートレックの諺が流れる。
半蔵から刀を見せてもらうシーンでリリイ・シュシュ(Salyu)の「回復する傷」が使用されるが、これは監督がスーパーで買い物中、店内で流れていた彼女の美声に魅せられ店員に名前を聴き起用に至ったらしい。
あらすじ
暗殺任務中に妊娠が発覚したザ・ブライドはその任務をほっぽりだし組織から逃亡。身をくらます。
数か月後、テキサス州エルパソの小さな教会で結婚式のリハーサル中、かつて所属していた組織のボスであるビルとその4人の配下による襲撃を受け、自分以外の参加者全員と身ごもっていた子供の命を奪われ、自身もリンチを受けたのち頭に銃弾を撃ち込まれ昏睡状態に。
四年もの長い眠りから覚めた彼女は自分からすべてを奪ったビルたちへの復讐を決意する。
キル・ビル Vol.2
概要
間延び感や前作以上のチープさは否めないが、実は生きていた娘との対面から始まる母としてのザ・ブライドなど一作目とは違った感動を味わえる。
あらすじ
毒ヘビ暗殺団のうち二人を始末したザ・ブライドは残るターゲットの中から手始めにビルの弟であるバドがいるテキサスに向かうが、彼女の来襲をあらかじめ知っていたバドにショットガンを見舞われ返り討ちにあい、棺桶に入れられ墓地に埋葬されてしまう。
絶体絶命のピンチの中、かつて中国で行った仙人との修行を思い起こす。
登場人物
ザ・ブライド
本名はベアトリクス・キドー。コードネームはブラック・マンバ。
達人の域に達した剣術と拳法を武器に戦う、ブルース・リー風のトラックスーツに身を包んだヒョロ長いアメリカ白人。
日本語も結構上手い。
ビル
コードネームはスネークチャーマー。
ザ・ブライドの師匠兼元恋人の初老の白人男性。
幼少期から映画で女性が登場するたび指をしゃぶるなど女への執着が半端ない。お手製の自白剤を使用するなど様々な分野に知見がある模様。
オーレン・石井
コードネームはコットンマウス。
東京の米軍基地で生を享けた中国系アメリカ人と日本人とのハーフで20歳の頃には既に世界有数の殺し屋と呼ばれていた。
東京の裏社会を牛耳る女親分という立場上最も見つけやすいためザ・ブライドの復讐リストのトップに選ばれる。
出生をアニメで描くVol.1の第三章はProduction I.G制作。『BLOOD THE LAST VAMPIRE』や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の大ファンだった監督がアポなしで同スタジオを訪れて直談判し制作を依頼した。
彼女の発した「ヤッチマイナッ!」は妙な癖があり一時ブームとなった。
ヴァニータ・グリーン
コードネームはコッパーヘッド。
毒ヘビ暗殺団一のナイフ使いだった黒人女性。
ザ・ブライドの昏睡を機に殺し屋稼業からは足を洗い、今現在はジーニー・ベルという偽名を使って四歳の娘と平和に暮らしている。Vol.3では成長した彼女の娘が主要キャラになるらしい。
バド
コードネームはサイドワインダー。
ビルの弟の中年白人。
かつてはビルから譲り受けた半蔵の刀を振るう達人だったようだが、現在は250ドルで刀を質に入れ流行らない酒場の用心棒に身を落とすなど落ちぶれている。
エル・ドライバー
コードネームはカリフォルニア・マウンテン・スネーク。
『ゼイ・コール・ハー・ワン・ワイ〜血まみれの天使〜』に登場するフリッガのオマージュキャラ。
CIA工作員を経て毒ヘビ暗殺団に入った金髪碧眼の白人女性でビルの愛人の毒使い。
かつてパイ・メイをボケ老人と罵った際に右目をくりぬかれたため眼帯を付けている。
ザ・ブライドとは自他ともに認める犬猿の仲で、口笛を吹きながら彼女が眠っている病院に出向くもあと一歩でビルに暗殺を止められた際は主人である彼に激高している。
服部半蔵
かつて伝説の殺し屋兼刀鍛冶として名を馳せた沖縄でマズイ寿司屋を経営している『影の軍団』シリーズの主人公。
今現在は裏家業から引退しているが自らの弟子への仇討ちを手助けするため、ザ・ブライドに自身の最高傑作と言ってよい刀を打ち授ける。
GOGO夕張
オーレン石井の好戦的なボディガード。
演じる栗山千明は撮影中、GOGOの得物であるモーニングスター「ゴーゴーボール」を監督の顔面に直撃させてしまい顔面蒼白になったという(タラは大ウケ)。
ソフィ・ファタール
オーレンの組の№2にして彼女の親友の弁護士。
戦闘力はからっきしだが驚異的な生命力を持つ。
同時通訳を担当する場面はシュールな笑いを誘う。
パイ・メイ
千年ほど生きていた武道家で絵に描いたような仙人の風貌をしている老人。
アメリカ人と女が嫌いで、その両方を兼ねそろえたザ・ブライドを毛嫌いしながらもミッチリ修行を付け彼女を鍛え上げる。
メチャクチャ強いがとある人物の恨みを買い割とあっさり死ぬ。
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