キングクルールとは、任天堂のゲーム「ドンキーコング」シリーズに登場するキャラクターである。
CV : 小杉十郎太(TVアニメ版)
概要
SFC『スーパードンキーコング』(1994)で初登場。本作敵陣営「クレムリン軍団」の総帥であり、ラスボスを務めた。
容姿は王冠と赤いマントを身に着けた巨漢のワニで、血走った大きな左眼が特徴。
英語表記は「King K. Rool」であるため、正式名称は「キング・ク・ルール」で、発音も「キング・ケイ・ルール」だが、日本語表記では特に意識されず「キングクルール」と表記・発音されている。
- SFC『スーパードンキーコング』(1994)ではクレムリン軍団を率いてドンキーのバナナ倉庫から大量のバナナを盗むという地味な悪事を行った。これにより「バナナ泥棒団クレムリン」と公式サイト等で表記されることもある。最終ステージで自身のガレオン船上でドンキーと決闘を行うが、死んだフリ等の戦法を使いながらも敗北(一定ダメージを与えると偽のエンドロールが流れ、その後復活する)。バナナを全て取り戻される。
- 次作SFC『スーパードンキーコング2』(1995)では「キャプテンクルール」として海賊の出で立ちで登場(英語表記は「Kaptain K.Rool」)。このときキャプテンがキング本人か別人か日本と海外の媒体で表記ゆれがあったが本人であるとされている(後述)。前作の宿敵ドンキーコングを拉致することに成功し、人質として再度バナナを要求した。海賊らしくラッパ銃を携えディディー&ディクシーと戦ったが、最終的に自力で拘束をぶち破ったドンキーの鉄拳で敗北した。
- さらに次作SFC『スーパードンキーコング3』(1996)では今度は白衣をまとい科学者「バロンクルール」という名で登場(英語表記は「Baron K.Roolenstein」)。ヘリコプター型ローターを背負って常に浮かんでおり、科学者らしく製作したロボットや電撃トラップを使用して攻撃を行う。作中で2度も敗れまたも逃走を図るも、逃走中にバナナバードクイーンの巨大な卵の殻の直撃を受け中に閉じ込められる。
- その後N64『ドンキーコング64』(1999)では新兵器「ブラストマティック砲」を搭載した海上移動要塞でコングファミリーらの住処DKアイランドを島ごと滅ぼそうとするも、操縦ミスで要塞が島に激突し兵器が故障。修理の時間稼ぎのためまたもバナナを盗み、さらにディディーコングら4匹のコングを監禁する。しかし結局バナナと仲間のコングを取り戻され、兵器も不発に終わったことから小型飛行機で脱出を図るが墜落。墜落した飛行船に乗り込むとなぜか豪華なプロレスリングが設営されており、ボクシンググローブをはめチャンピオンベルトを巻いたリングネーム「キング"クラッシャー"クルール」(英語表記「King Krusha K.Rool」との最終決戦になる。
- ここからはしばらくドンキーコングシリーズの正当続編が出なかったこともあり、派生作品への出演が続く。GBA『ぶらぶらドンキー』(2005)ではジャングルピックの優勝メダルを盗み逃走(ただし運搬途中でそのほとんどを落としてしまう)。その続編であるDS『ジャングルクライマー』(2007)ではバナナ星人からクリスタルバナナを奪った。同作ではクリスタルバナナの力で巨大化したクルールとの決戦になる。Wii『ドンキーコング たるジェットレース』(2007)では部下のクレムリンたちと共にレースで参加。ほぼ全員が小型たるジェット2機装着で出場する中、一人だけ大型たるジェットに搭乗して出場した。
- Wii『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』(2008)にて隠しキャラとしてマリオシリーズに初登場。野球の試合中だけではあるが、初めてドンキーコングと協力する。しかしクッパとの仲は悪いらしい。
シリーズを通してコングファミリーにちょっかいをかける、マリオシリーズで言えばクッパのような立場の悪役キャラである。しかし上記以降ドンキーコングシリーズには長らく登場せず、その間発売された正当続編Wii『ドンキーコング リターンズ』(2010)、WiiU『ドンキーコング トロピカルフリーズ』(2014)にも敵陣営にはクレムリン軍団と別の軍団が充てがわれていた。
やはりドンキーの宿敵はクルールであろうと、ファンの間では何らかの形での再登場を望まれていたが、その望みももはや薄くなっていた頃、Switch『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(2018)で正式PCとしての参戦が電撃発表され、世界中のファンが狂喜した。
参戦PVで用いられていたBGMは初登場作『スーパードンキーコング』での戦闘曲「キングクルールのふね」。陽気なイントロから一変してロックなメロディへ変貌する構成で人気のあるBGMであり、現在ではもっぱらクルールのテーマ曲のような扱いになっている。スマブラSPではACE氏が編曲したバージョンが用いられている。
兄弟?コスプレ?謎多きクルールの設定
SFC『スーパードンキーコング2』『スーパードンキーコング3』で登場する「キャプテンクルール」「バロンクルール」は当時の日本・海外で媒体により設定表記が異なっていた。
日本では『2』当時の攻略本にてキャプテンがキングの兄であるとする記述があり、『大乱闘スマッシュブラザーズX』のキングクルールのフィギュア説明文にもおそらくそれを元にした内容で書かれているが、『2』作中では特にそういった描写はされておらず、同時期にコロコロコミックで連載されていたコミカライズでもキャプテンが顔がキングと似ていることを指摘されると「キングクルールなんて知らん」「任天堂に聞け」とごまかすなど、媒体によって揺れが生じていた。
海外では当初から彼らは衣装を変えただけの本人、つまり同一人物として扱われており、レア社の公式サイト(現在は閉鎖)にも「クルールの様々な顔」というタイトルのイラストで3名が掲載されていたり、『ドンキーコング64』の海外版説明書では「クルールが(キャプテンやバロンのような)馬鹿馬鹿しい変装をやめたのかもしれんが~」というクランキーの言が載っていた。GBA版『2』では日本語版でもキャプテンとキングが同一人物であるような記述があったりと、基本的なレア社の見解ではすべて同一人物の扱いである。そもそも2作目の登場作品である『2』のタイトル画面のBGM名が"K.ROOL RETURNS(クルールが帰ってきた!)"なのでまぎれもなく本人であるとするのが自然だろう。
ちなみに『ドンキーコング64』で日本語版ではキング・クルールの弟とされていたクランジーが海外版ではただの手下であったりと[1]、日本版と海外版では細かいキャラ設定がそこまで共有されていなかった模様である。
スマブラでのキングクルール
ヒーローvsライバルの形式の映像が流れた後、それをテレビで見たドンキーが消し、大欠伸をしながらダラダラしていた。(この時点で、海外のゲーマーやガチファンは彼の参戦を確信した。)
すると、家を揺らすほどの地響きが鳴り、何かが家に近づいていると感じたドンキーとディディーは窓から確認。すると、大きな影が現れ、そこにいたのは紛れもないアイツ…かと思ったらアイツのコスプレをしていたデデデ。これには2匹も唖然。デデデはそんな彼らをバカにして大爆笑している中、謎の影が飛び掛かってきて空の彼方へぶっ飛ばされる。
影の正体は、かつて激闘を繰り広げたアイツ…キングクルール本人だった!
forではMiiファイターのコスチュームの一つとして登場したが、プレイアブルキャラクターとしては『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』以来10年ぶりということもあり、初期のバタ臭い容姿と後作のマイルドになった姿の中間あたりのデザインになっており、過去出演作で使用した多様な攻撃を駆使しながら、ドンキーとも本編以上にガチな殴り合いを繰り広げる。
性能面では、クッパに次ぐ全キャラ中第2位の重量級ファイターであり、攻撃や投げの火力がかなり高い一方、ダッシュ時はドンキーと同じ四足歩行ながらデデデと同じくらいとスピードに難がある…という典型的パワーファイターかと思いきや、王冠投げやラッパ銃による飛び道具、吸い込み攻撃や腹部によるカウンターも備えているなど、桜井政博氏曰く「重量級の概念を覆す」ファイターとなっている。
固有の特徴としてダッシュ攻撃や上下スマッシュ等一部の攻撃で腹部にスーパーアーマー効果が付き、正面からの攻撃を無理矢理受けて殴ることができる。ただし腹部なので正面にしか効果がない他、腹部にダメージが入りすぎるとひびが入り、限界に達するとアーマーブレイクしてシールド破損時同様ふらふら状態になってしまうため過信は禁物。
「1」の王冠投げ、「2」のラッパ銃(ご丁寧に海賊帽子も被っている)、「3」のフライングバックパック、「64」のボクシンググローブ等、原作で使っていた攻撃が必殺ワザやスマッシュに採用されている。
最後の切りふだも「64」で登場したブラストマティック。突進して相手をDKアイランドへぶっ飛ばし、ブラストマティック砲で島ごとぶち抜く大技。[2]ちなみに「64」本編では発射未遂に終わったため、実に19年越しの野望実現となった。
例の最新作について
そんな彼だがドンキーコングシリーズの最新作にあたる「ドンキーコングバナンザ」ではダイレクト・紹介映像共に影も形もなく、ヴィランはヴォイドカンパニーが務めるため発売日までは居ないんじゃないか、と考える人もいた。ある者は手描き動画でそろそろ出番を作ってくださいと嘆き、またある者はダイレクトで披露されたボーカルソングの中に「Cruel」(キングクルールの名前の由来となった単語)のワードが入っていたことを見逃していなかった。その真相は発売日後、ついに明らかになる。
ここから先の内容は、ドンキーコングバナンザのエンディングに到達してから見てください。
もったいぶったがガッツリラスボスとして出ます。っていうか声を担当した最上嗣生さんの単語記事に役名で書いてあるからニコニコ大百科記事内でも存在バレてんのよね。
結論から先に言うと、彼はドンキーコング達よりも早く立入禁止の階層に辿り着いていた。
しかし本人の間抜けさが祟ってしばらく封印されてしまっており、クレムリン軍団と離れ離れに。
腹が出た状態でバナルートのつたに絡まれて身動きが取れない状況にあった。
そこにのこのこと現れたヴォイドコングがポリーンに「歌を歌えー封印を解けー俺様の夢を叶えろー」
とやかましくした影響で無事に封印が解けた。
彼とドンキーコング達はさらに下の領域へと足を進める…
星の中心と、バナルートの力
星の中心の階層では懐かしのクレムリン軍の雑魚敵がかなり出てくる。クリッターなんかは倒すと「オ゛ーッ」というおなじみの断末魔を上げて吹っ飛ぶので自然とにやける。また、これらの雑魚敵を模した存在が上の階層で邪魔をしていたことと、あの黄金の謎の本体はクルールが封印されていた時に生成されたバナルートの波紋だったことに気付かされる仕組みとなっている。
最奥で待ち構えていたキングクルールはここぞとばかりにバナルートの力を使ってパワーアップ。「この星を俺様好みの腐りかけ完熟ドロドロバナナにして食らいつくす」と宣言して襲い掛かってくる。さらに明らかになったキングクルールのバナナの好みだが、ドンキーコングは熟れすぎたバナナを「苦手」とロード画面で言っていた。
この時の形態ではスマブラでも披露したキャノン砲から砲弾をぶっ放し、さらに吸い込み攻撃も行う。「キャプテンクルール」の技を使えるとアピールしている。もちろん、吸い込みに対してとある方法でカウンターを行うとちゃんと詰まる。丁度「投げるものをストックから出せるバナンザ」がある。
ドンキーコングは時間無制限に使えるバナンザ変身をもってそれを見事に退け、バナルートに願いを込めてたくさんのバナナ、そして地上に行くというそれぞれの願いを叶えて地上へと向かう。そこから始まるスタッフロール、なの、だが…
KREDITS The End? そして執念
明らかにタイトルがキングクルールに乗っ取られていたと思ったら次に流れるのはGangplank Galleon。そう、スーパードンキーコングにあったKREDITSの再来である。経験者なら警戒するであろう「こいつがここでやられてあっさり終わると思うか…?」という考えに見事に答えるかのごとく、The End?の文字が消えると共に起き上がってプロペラで追いかけてくる。そう、「バロンクルール」の時の動きである。
地上に向かうまでの迎撃戦、ヴォイドコングから奪ったリモコンを巧みに操ってバナナの沸き具合を制限するというクレバーな一面。バナルートの力がなくてもこいつは賢くて強敵であることを見せつける。さらに、ドンキーコング達が地上に上がる寸前に先に地上へと飛翔する。出た先はなんと…ニュードンクシティ。ポリーンの生まれ育った場所であった。
終わらぬ悪夢、そして決着
ドンキーコング達が地上に出られたと喜ぶのもつかの間、バナルートを手にしたキングクルールは市庁舎に立つ。彼は野望の手始めにとニュードンクシティを腐りかけ完熟ドロドロバナナで埋め尽くそうとする。もちろんそれを阻止しようと動き出すドンキーコング達。バナルートの力で、ニュードンクシティはさながらキングクルールシティへと姿を変えていた。
「スーパードンキーコングシリーズのラスボス」が「ポリーンの本格再登場のきっかけとなったスーパーマリオオデッセイのニュードンクシティ」を乗っ取り、それを「マリオのデビュー作に登場したものと同じ名前の動物のドンキーコング」が「ドンキーコングGBで設定変更があったレディもといポリーンと同じ名前の少女」と共に立ち向かうというなんか集大成の塊みたいな状況になった。
さらにバナンザ変身を使いに使いこなして最終決戦の場に訪れると、そこはドンキーコング64と同じリングの上でのシチュエーションだった。しかし、あの時のようなおまぬけ全開のバトルはそこにはない。
あるのは真剣勝負とクルールの更なる姿、バナルートの力をさらに高めた
醜くも勇ましきその姿の名は腐敗バナナ王 キング "ロットン" クルール。
もちろん、腐敗と言ってもバナナに対しての事であり本人は腐りかけではない。地下でバナルートの力を得たときの姿の攻撃をさらに凶悪にしており、初見殺しが非常に多い。体力を失ってやられたあとのロード画面でのアドバイスも参考にしよう。
途中から砲弾の軌道が跳ねたりぐるぐる回ったりするので往年のキャプテンクルールと激闘を繰り広げたプレイヤーからは「おっ」となる瞬間がある。
こんな凶悪でもカウンター攻撃でひるむと普通の姿に戻るし、体力を削り切ればあっさり吹っ飛んでいき街は元に戻る。執拗さもだまし討ちも抜群に兼ね備えた、文句なしの本篇再登場であった。
関連動画
商品検索
関連項目
脚注
- *この日本版の公式設定がネットを通じて海外にも知られ、逆に「クランジーはクルールの弟」という認識が広まっているらしい
- *ちなみに着弾寸前のDKアイランドをよく見ると、DK像の目元付近にふっ飛ばされた相手がへばりついている。
親記事
子記事
兄弟記事
- 19
- 0pt



