ギャンとは、
である。本項では2.について説明する。
概要
ギャン(GYAN)とは、「機動戦士ガンダム」に登場するジオン公国軍のMS(モビルスーツ、作中でのロボットの呼称)の一種である。(型式番号:YMS-15)
一年戦争末期、第二期主力量産MSの座をゲルググと争う形で、ツィマッド社によって開発されたMS。流体パルスアクセラレーターによる、当時としては革新的な機動性、高出力ジェネレーターによる大型ビームサーベルなど、白兵戦、特に格闘戦に主眼を置いたMSである。
が、射撃武装であるシールド内蔵型のニードルミサイルは弾幕を張る程度の射程しかない上に、そのシールドの形状故に全身を射線から守ることもできないというありさま。格闘機としてのコンセプトを追い求め過ぎた結果、建造されたのはマ・クベ大佐に届けられた試作型一機(一説にはそれ以外に二機)のみで、コンペティションにおいてはビームライフルを装備、汎用性に優れたゲルググの前に敗れ去ってしまう。
そもそも、このコンペティションにおいて主力MSの座を勝ち取ったMS-14・ゲルググはジオニック、ツィマッド、MIP社の共同開発機体とも呼べる機体であり、このギャンはあくまで近接戦闘に特化した機体の限界を提示するために開発された、という説もある。
しかし、劇場版においては唯一の見せ場であるテキサスコロニーでの戦闘は完全カット、まるで黒歴史のような扱いを受ける。責任者出てこい。一方ORIGIN版では、少し早めのオデッサ作戦の際に登場し、撤退するジオン軍に迫る連邦軍に対してグフ舞台と共に奮戦し、最後は艦隊を道連れに自爆するという見事な散り様を見せている。
中世の騎士を彷彿とさせるその独特のデザイン、唯一の搭乗者であるマ・クベのキャラクターの濃さから根強いファンも多い。
マ・クベの愛する壺に似た頭部、丸みを帯びた肩部アーマー、股関節の可動範囲を狭めてそうなスカートアーマー、ニードルミサイル内蔵型の防御したら大爆発しそうなシールド、無駄に広がった足首。いかにもマ・クベが真夜中にニヤニヤしながらデザインしてそうじゃないか!?
MSVやギレンの野望などで登場する(if設定に近い)派生機も中〜近世の歩兵装備をモビルスーツに落とし込もうという発想が見られてなかなか面白い。
あれは……良いものだ!
ギャン系MSの一覧
主力量産機にはならなかったものの、一部のバリエーション機体などが設定されている。
- YMS-15E ギャン・エーオース
- 『MSV-R』に登場。試作されたギャンのうち2機を実戦配備機として改修した機体。バックパックを高機動型ゲルググと同じものにし空間機動力を高め、さらに主武装を小型ビームガン内蔵のビーム・ベイオネット(銃剣)に持ち替えた。盾は見た目こそ原型機そっくりだが、ベイオネットの存在により盾に射撃武器を仕込む必要がなくなったため、防御性能向上も兼ねて装甲材を一新した専用防御シールドとなっている。
ジオン公国軍官僚の演説時に護衛を兼ねたお披露目が行われた後、ア・バオア・クー戦にて実戦参加。連邦のジム・スナイパーカスタムを撃破する戦績を残した。事実上、ギャンをベースにギャンの強みとゲルググの強みを合わせたガルバルディに近いコンセプトの優秀な機体であり、きちんと実績も残したことでギャンで一度潰れた量産化の打診も再度行われたが、終戦間際という時期もあり結局量産化は見送られている。
なお、名前はギリシャ神話の「暁の女神」たるエーオース由来で、そのイメージに合わせた赤と白の塗装も相まって、搭乗パイロット達からは「暁の騎士」と言われた。一方、初の外部出演作となる「機動戦士ガンダムオンライン」では実装時期がクリスマス前ということで、実装前から早くもプレイヤーから「サンタさん」と呼ばれている。(現在当ゲームにおいてクリスマスといえばポケットの中の戦争に登場した機体及びマップ、中でもサンタ型のバルーンを射出するザクⅡ改であることが多い) - MS-15K ギャン改
- 『Gジェネレーション』シリーズに登場するMS。アクシズで開発されたギャンの改良型であり、ゲルググにおけるリゲルグに相当する。ビームサーベルに代わり大型ビームソードを装備することで格闘戦をさらに強化、シルエットも原型以上に騎士然としている。ニードルミサイルは原型機同様に装備されているが、騎士らしさの追及かハイドボンブは装備されていない。この機体の後も騎士型MSの開発が継続された結果、R・ジャジャが誕生した。
- OMS-15RF RFギャン
- 『機動戦士ガンダムF90』などに登場。オールズモビルによってジオンMSの見た目を再現した機体の一つ。その他のRFシリーズに比べてゲームなどに登場せず出番に恵まれていない。
もしものギャンシリーズ
ゲームソフト「ギレンの野望」シリーズなどの一部作品では様々な歴史のifを体験することができるため、場合によってはゲルググではなくギャンを正式採用していたら・・・という展開にすることも可能である。そのため、ゲーム中ではその歴史に沿ったギャン・バリエーションが多数設定されている。
- YMS-15S ギャン先行量産型
- ゲルググ先行量産型に当たる機体。ゲルググと同様に各エースの専用機も存在する。
- MS-15A ギャン量産型
- ギャンの正式な量産タイプ。
- MS-15B ギャン高機動型
- 高機動型ゲルググに当たる機体。やはり各エース達も乗り込む。
- MS-15C ギャンキャノン
- ゲルググキャノンに当たる機体。両肩に実弾キャノンを装備している。
- MS-15F ギャンM(マリーネ)
- ゲルググMに当たる機体。同じく海兵隊仕様で、指揮官用やシーマ機もある。
- MS-15G ギャンK(クリーガー)
- ゲルググJにあたる機体。その為、統合整備計画によって開発された機体という設定。ゲルググJが狙撃仕様であるのに対して、こちらは強襲仕様となっている。クリーガーはドイツ語で「戦士」の意。
- MS-15[EXAM] ギャン(EXAM搭載型)
- 『ガンダムネットワークオペレーション』シリーズに登場する機体。クルスト博士を逃がさず逮捕し、さらにギャンを量産するという二重のifによって使用が可能になる機体。
- ギャンタンク
- 漫画作品『機動戦士ガンダムギレンの野望ジオンの系譜4コマ戦線』に搭乗する幻のMS。
関連動画
関連商品
関連項目
- 機動戦士ガンダム
- ゲルググ
- 戦場の絆
- マ・クベ
- サザキ・ススム(「ガンダムビルドファイターズ」に登場。ギャンのガンプラを愛用する少年)
- サザキ・カオルコ(「ガンダムビルドファイターズトライ」に登場。ススムの妹であり同じくギャンやギャン直系のR・ジャジャのガンプラを愛用する)
- 近所の女子高生がギター教えてくれとたずねてきた
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