ギリシャ(古代)とは、先史時代からローマの属州になって独立を失うまでのギリシャである。ここでは超大雑把に流れを説明するにとどめる。
概要
独自の神話や哲学、民主制で知られ、学問も発達したことで知られる。プラトンやアリストテレスなどはおそらく世界史を大して勉強していない人でも知っているのではないだろうか。また、数学などは現代につながるようなものも数多く生み出された。また、現代のギリシャと違いキリスト教ではなくオリュンポスの12神やその他の神々を信仰する多神教が信仰されていた。(ゼウスやポセイドンやヘスティアとかね。ヘスティアといってもどっかのエッチなキャラじゃないよ)これらの神々は現在では信者は0人・・・かと思いきや近年ネオペイガニズムという流れの中で復興を目指す動きがあり、現代ギリシャでもごくわずかながら信者がいる。またアキレス腱のようにギリシャ神話に由来する言葉も現代に残っている。
先史時代
15万年前ごろから人が住み始めたようである。このころは石器を主に使う石器時代である。古代ギリシャの範疇に含めないこともあるし、語られることも少ない。というか、人種も所謂「ギリシャ人」であったかも怪しいようだ。
クレタ文明
自己言及のパラドックスで有名なクレタ島で栄えた。紀元前2000年頃から紀元前1400年頃。クノッソス宮殿などの遺跡から察するに王がいる社会であったが、後述するミケーネ文明期よりは温和で平和な時代ではなかったかと推測されている。ただし、使われている文字が未解読なので詳しいことは不明である。最期はアカイア人(ギリシャ人を構成する一派)の侵攻で略奪され滅んだ。
ミケーネ文明
紀元前1400年頃から紀元前1150年頃。クレタ文明をほろぼして、ペロポネソス半島のミケーネを中心に栄えた。マジンガーZに出てくるみたいな機械獣を使役したわけではもちろんないがどちらかというとクレタ文明より戦闘的な文明だったようで、クレタ文明の絵が海の生き物とかが多いのに対して兵士の絵が多かったり、要塞のような宮殿跡が残っている。こちらの文字は多少解読できている。ヒッタイトをほろぼしたことで有名な海の民に敗れて滅んだと言われている。
暗黒時代
文明が大きく後退してしまったのか、紀元前1150年ごろから紀元前700年ごろまではほとんど何もわかっていない時代である。詳細不明。日本史で言う「空白の4世紀」。
古典期・前古典期
紀元前700年ごろからマケドニア台頭期くらいまで。よく知られているポリス(都市国家)が形成され、民主制や独裁者の出現などまるで現代のような政治制度や問題が生まれた時代でもある。ピタゴラスやタレス、ヘロドトスのようなギリシャ史の有名人が登場し、アテネやスパルタのようなよく知られたポリスが発展した時期でもある。ギリシャ文字やオリンピックが生まれたのもこの時代。ただし残念ながらギリシャボクシングと現代のボクシングは直接のつながりはない模様。
これらのポリスは時には敵対し戦争を行いながらも、共通の神、共通の言語、文化を持つ者同士として仲間意識もあったようである。ただし、後述するマケドニアは異端扱いされていたようである。
この時代の有名な出来事としては、ペルシャ戦争がある。侵攻してきたアケメネス朝ペルシャを破り、アテネやスパルタが最盛期を迎えた。ちなみに、このペルシャ戦争を描いた映画が「300 スリーハンドレッド」である。あとマラソンの起源にもなったマラトンの戦いもこの戦争中の戦いである。
が、その後はスパルタ、アテネ、テーバイなどの間で覇権争いが起き、また民主政治も人気取りだけの政治家だらけになって混乱していった。そんな中マケドニアが台頭して、ほとんどのポリスはマケドニア傘下のポリスにされてしまう。
ヘレニズム期
マケドニアと言ってもファイアーエムブレムとかいう手ごわいシミュレーションは関係ない。マケドニアはギリシャの北にある国で、有名なアレクサンドロス大王のお父ちゃんの代に強大化し、有力ポリスを破り、アレクサンドロス大王の時にペルシャ戦争の時とは逆にペルシャに攻め込み、エジプトなども支配下に置き、ギリシャの文化をエジプトからパキスタンあたりまでに広めた。日本の仏像とかもヘレニズム文化の賜物である。ちなみに現代のマケドニアはスラブ人の国であり、ここでいうマケドニアとは異なる。こちらは一応はギリシャ人である。だから現代のマケドニアがマケドニアを名乗っていることはギリシャとの軋轢になっている。ギリシャからしてみれば「オメースラブ人で古代のマケドニアとは関係ないくせに何マケドニア名乗ってんだ」というわけである。
それはともかく、大王の死後マケドニアでは王朝が変わりながらもマケドニア自体は存続し、その他のギリシャ諸ポリスも同盟を組んで強大化しつつあったローマに対抗した。しかし、ローマにはかなわずマケドニアはマケドニア戦争に敗れローマの属州と化し、独立を失った。その後も暴動が起きたり、紀元前148年に自称マケドニアの元王族が反乱を起こしたりしたが、敗れて完全にローマの属州になった。そしてその他のポリス同盟軍もコリントスの戦いに敗れ、紀元前146年にギリシャ世界の独立は失われた。ギリシャ史ではないが最後のギリシャ系国家のプトレマイオス朝エジプトの滅亡により、ヘレニズム国家も消滅しヘレニズム時代は幕を閉じた。
しかし、その後もかえって文化的にはローマを征服したと言われるほど、ギリシャ古典や神話や文学は征服者ローマに影響を与え続けたし、ある程度最初のうちはギリシャの文化を尊重した。だが、ポリスに代表されるような古代ギリシャ世界は失われたし、キリスト教が国教化されるとギリシャ神話やオリンピックなど「ギリシャらしい」独特のものは失われていったのであった。
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