「ぶっ潰す!!」
クイーンベレーとは、アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘である(画像左)。
史実で同じ馬番の競走馬は「ランドエース」であるが、相違点が多く、実際には事実上のオリジナルウマ娘と考えられる。
概要
アニメ1期2話に登場。
スペシャルウィークのメイクデビューで対戦した、ゼッケン13番のウマ娘。
髪色は芦毛で、左目に眼帯をつけている。
勝つためなら相手を潰すこともいとわない性格。
パワーもあり、アームレスリングでは負けなしとの由。
レース中何かとスペを妨害しにかかるものの、彼女の天才的なレースセンスの前には逆効果にしかならず2着に敗れる。
ウイニングライブでは上手で踊っている。
スペシャルウィークがライブの練習を失念しており棒立ちになっていた横で、特に反応せず普通に踊っていた。口パクはしていたがマイクが入っていないのか歌は流れなかった。
アニメにおけるレース展開
スタート前、隣のゲートで気合いを入れていたスペシャルウィークを「ぶっ潰す!」と威嚇。その瞬間ゲートが開いたことでスペは出遅れてしまう。
なんとか中団に上がったスペシャルウィークをぶつかりながら内から強引に追い抜き、なおも食らいつくスペに対し後足で泥をかけながら先頭へ。
しかし、最終直線で沖野Tの「作戦」どおりスパートのタイミングを掴んだスペシャルウィークは、脚質「差し」に開眼。大外から中団をゴボウ抜きし、先頭のクイーンベレーを捉える。
抜け出し際にクイーンベレーはショルダータックルを試みるがかわされ、そのままスペシャルウィークが1着となった。2着はクイーンベレー、3着には9番のウマ娘が入っている。
史実における同レース
史実におけるスペシャルウィークの新馬戦は、出遅れもせず普通に先行策をとっている。
また、大外からのゴボウ抜きではなく、最終直線中程まで内を突いていたが前が残り2頭(オルカインパルスとレガシーハンター)となったところで外に抜け出し、2頭まとめて差し切っている。
斜行じみた妨害もなく(あったら降着である)、こういった部分はほぼオリジナルと考えられる。
但し、泥はねをよけているシーンは、鞍上武豊があえて中団で馬群のすぐ後ろにつき、泥はね耐性を試したことの再現と言われている。
レース結果は1着14番スペシャルウィーク、2着9番レガシーハンター、3着6番オルカインパルスであった。また、スペシャルウィークの隣の枠にいた13番ランドエースはずっと後ろにいたまま最後はシンガリ負けであった。
ちなみにアニメの新聞記事の予想ではスペシャルウィークには△2つしか予想印がついていないため穴扱いだったと見られるが、史実における新馬戦のスペシャルウィークは単勝1.4倍のグリグリの1番人気である。
ランドエース・レガシーハンターとの相違点
枠順および着順から、クイーンベレーの直接のモデルは史実で隣の13番にいたランドエースか、史実で2着だったレガシーハンターと想定されるが、史実における2着馬レガシーハンターの枠順である9番のウマ娘がウイニングライブで3着の位置にいることを考えると、史実ではシンガリ負けだった13番ランドエースが2着に繰り上がった結果に変更されたと見るのが妥当だろう。
ランドエースは芦毛であり、その点も一致する。しかしランドエースは牡馬であるが、クイーンベレーは牝馬であることを示すブルマーを穿いている。もう一つの牡牝の違いである耳飾りはつけていない(代わりに、眼帯は左目である)。
またレガシーハンターも牡馬であるが、3着の9番のウマ娘もブルマーを穿いているため(クイーンベレーと同様に耳飾りは無し)牝馬設定と推定される。
以上を考えると、毛色こそたまたま史実で隣にいたランドエースを元にしているが、それ以外は史実の中終盤の再現と、序盤のライバル役、そして前話と対比して「逃げのサイレンススズカ、差しのスペシャルウィーク」を競馬初心者に見せるというストーリー上の都合を交えたオリジナルと思われる。
のちのアプリ版や『シンデレラグレイ』に共通する、「いじめっ子役は架空のウマ娘にする」という方針から考えても、実在の競走馬の特徴はあえて外しているとも考えられる。
名前の由来は「(トランプの)エース」→「(トランプの)クイーン」+「ハンター」→「ハンチング帽」→「ベレー帽」という発想だろうか。
またレガシーハンターの枠順である6枠9番には、TV放映版では「ステラハント」という名前が記載されていたが、BD版では「サラプール」に修正されている。理由は不明だが、実況の台詞ではTV放映版でも「サラプール」であった。Amazon Prime Videoなどの日本語字幕でも確認できる。
デザイン面の最大の特徴である眼帯は非現実的に見えるが、レース中に着用できる馬具に、横や後方を気にする馬のために視界を遮るブリンカー(メンコの目の部分のカップみたいなやつ。メイケイエールがつけているアレ)やチークピーシーズ(顔の両側についている柔らかそうな棒状のやつ。オジュウチョウサンがつけているアレ)といったものがあるため、それを着用していることの表現かもしれない。
また、後に追加されたタニノギムレットが「右目と左目で目つきが違う」ことの表現として右目に眼帯をしたデザインで実装されたため、このパターンである可能性もある。
ちなみに現実のルールでも競走馬登録「後」の失明の場合は出走することが可能で、ごく希に隻眼のまま現役を続行する競走馬が存在する。例えばニシノチャーミーは函館2歳S勝利後に事故で片眼を失明するが、ハート型のアイパッチをつけて桜花賞・キーンランドCに出走している。
ランドエース
1995年生まれの芦毛の牡馬。ミスターシービー産駒。ちなみに同名の競走馬が他に3頭おり、彼は4代目。
1997年秋デビュー戦ではスペシャルウィークの14着とシンガリ負け。彼との対戦はこの1回限りである。
その後ダートで3-3-1着と好走し未勝利戦を脱出。芝に戻るが2戦とも2桁着順と惨敗して再びダートに回り、4歳(現3歳)500万下で2勝目を挙げる。しかし900万下では通用せず500万下に降級を食らったところで1年半近く休養。復帰後は地方も含め2着2回があったものの、2001年1月の京都第6レース(500万下)13着をもって引退した。
通算21戦2勝、獲得賞金1822万円(地方中央合計)と、「最強世代」とも称される98年クラシック世代の中ではささやかな戦績であり、同世代の華やかな活躍とは縁が遠かったが、スペシャルウィークの他にも未勝利戦でナリタホマレ(98年ダービーグランプリ優勝馬)に2回先着していたり、はなみずき賞(500万下)でスエヒロコマンダー(99年小倉大賞典・鳴尾記念優勝馬)や、吹田特別(900万下)でワールドクリーク(99年東京大賞典優勝、2000年ドバイワールドカップ出走馬。ちなみにスマートファルコンの兄)といった面々と対戦したりしている。
その後は小倉競馬場で誘導馬をしていたが、2017年より熊本県の高校、同県の乗馬クラブを経て、現在は鹿児島県のホーストラストでサクセスブロッケンらとともに余生を送っている。
レガシーハンター
1995年生まれの鹿毛の牡馬。Nureyev産駒。オーナーはフジキセキの馬主の人で、ジャングルポケットの馬主としても知られている。
デビュー戦を3番人気で1番人気スペシャルウィークの2着としたあと、2戦目で未勝利戦を突破。年明けの白梅賞で再び3番人気に支持され1番人気スペシャルウィークと対決するが10着に沈み(ちなみに勝ったのはアサヒクリーク。スペは2着)、休養に入ったためクラシックには出られなかった。
夏に休養から復帰すると、初戦を3着としたあと、石狩特別(500万下)、清滝特別(900万下)、白秋S(1600万下)を3連勝してオープンに昇格。GⅢ京阪杯に1番人気で乗りこんだが3着に敗れた。
翌1999年5月の都大路S(OP)を勝利すると、以降は1600m~2000mのGⅢやオープン特別の常連として走り続ける。2000年エプソムC3着、札幌記念3着、福島記念2着などたびたび馬券に絡んだが、結局その後は勝利を挙げられないまま2001年で引退。重賞未勝利ではあるが、なんやかんやで1億8000万円以上稼いでおり、獲得賞金額はフジキセキより多かったりする。
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関連静画
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関連項目
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