クォ・ヴァディス(QUO VADIS)とは、新約聖書に由来するラテン語で「どこへ行くのか?」という意味の言葉である。
新約聖書中では「主よ」を意味する「ドミネ」(DOMINE)が付いて「ドミネ・クオ・ヴァディス」(「DOMINE QUO VADIS」)となる。この元々の用法については「ドミネ・クオ・ヴァディス」の記事を参照されたい。
聖書中の言葉ということで、以下のような様々なものの名前の由来となっている。
また、表記については「Quo vadis?」や「クオ・ワディス」等、ラテンアルファベット表記・カタカナ表記共にかなり多様である(後述)。
この言葉に由来するものの一覧
- 暴君ネロの時代のローマ帝国を舞台としたヘンリク・シェンキェヴィチの小説『クォ・ヴァディス:ネロの時代の物語』(『Quo vadis: powieść z czasów Nerona』)。1895年出版。
- フランスの手帳・日記メーカー「QUOVADIS」。1954年設立。
- ライナー・クニツィアがゲームデザインし1992年にドイツで発売されたボードゲーム。パッケージ表記は『QVO・VADIS?』で、ライナー・クニツィア公式サイトの制作ゲーム一覧での表記は『Quo Vadis』。
- グラムスが1995年に発売したセガサターン用ソフト『QUOVADIS』(1997年にプレイステーション版も発売)
- 1999年に設立されたEU・スイスのTrust Service Provider (TSP)を主な業務とする企業「QuoVadis」。
- 玩具・アニメ『デジタルモンスター』シリーズ内で、2001年に初登場したデジモン「デュークモン」、その一形態「クリムゾンモード」における必殺技「クォ・ヴァディス」。
- 新谷かおる(原作)・佐伯かよの(作画)夫婦共作の吸血鬼漫画『クォ・ヴァディス』。2007年連載開始。
- 音楽ユニット「Asriel」の2009年発売のアルバム「QuoVadis」。
- 2013年配信開始のゲーム『魔法使いと黒猫のウィズ』に登場する四聖賢の一人「クォ・ヴァディス」(CV:子安武人)
- ゲーム『プリンセスコネクト!』に登場するカスミが所属する探偵ギルド「クォ・ヴァディス」。
- 作曲家のM2Uの楽曲「Quo Vadis」。
表記
ちなみに、上記一覧を見てもわかるが表記については多様である。
ラテンアルファベット表記
ラテンアルファベットでの表記については、古風に全て大文字で「QUO VADIS」と表記されることもあれば、頭文字だけを大文字とする通常の表記で「Quo vadis」と記されたり、全て小文字で「quo vadis」と記されることもある。
元々「主よ、どこに行かれるのですか?」という疑問形の文章に由来するため、「Quo vadis?」と「?」が付くこともある。
「文章であった」という由来から離れて単なる「名称」として使用される場合、「QuoVadis」「QUOVADIS」といったように「quo」「vadis」の間にスペースを挟まないこともある。
「QUO」の部分が「QUO」ではなく「QVO」と表記されることもある。Vは古典ラテン語で[u]あるいは[w]の発音で発音されていたと推定されているため、これでも「クオ」と読める。
日本語カタカナ表記
- 「QUO」を「クオ」とするか「クォ」とするか
- 「VADIS」を「ヴァディス」とするか「バディス」とするか「ワディス」とするか(上記の通り、Vは古典ラテン語で[u]あるいは[w]の発音で発音されていたとされ、「VADIS」は「ワディス」と発音すると解釈できる)
- 「・」(中黒)を挿入するか否か
によって多様な表記がなされる(単純に考えれば、2×3×2=12通り)。
関連項目
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