クォーツ時計とは、ムーブメントに水晶振動子を利用している時計のことである。
概要
一般的な構造は機械式時計に共通しているが、動力源となるゼンマイの部分を電池に、テンプの部分を水晶振動子によって代替されている。
水晶は、電圧を加えることにより規則的に振動する(クォーツ時計に採用されているものは215Hz=32,768Hzで振動)。この振動を、2カウント(↑↓↑↓)ごとに1回変化(↑↓)させる回路(フリップフロップによる分周回路)に何度も通すことで、周波数を半分、半分、また半分にしながら伝達していくと、最終的に正確な1Hz(つまり1秒に1回)の振動が得られる。この振動で歯車を動かすことにより、時刻を伝えるものである。
テンプを採用していないため、一般的な機械式時計によく見られる重力による影響もなく、振動数もきわめて大きいために精度が高い(月±20~30秒程度)。
歴史
1964年、東京オリンピックにてセイコーが公式時計として壁掛け時計サイズのクォーツ時計を提供。
1967年、プロトタイプのクォーツ腕時計が日本とスイスで開発される。
1969年12月25日、セイコーから世界初の市販クォーツ腕時計の「アストロン」が45万円(当時)で発売される。
1970年代、クォーツ腕時計の特許が公開され、クォーツ腕時計の開発競争が勃発。コストダウンと普及化が進み、これによりスイスやアメリカの時計業界に多大な衝撃を与えて俗に言う「クォーツショック」を引き起こした。
長所と短所
しかし、電池交換を要する他、電気回路が故障した際に、その生産やストックがない場合、修理そのものが不可能になってしまうことがある(当然ながら電気回路にも寿命はある)。
関連商品
関連項目
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