クシャトリヤとは、以下の物を意味する。
- 古代インドにおけるバラモン教社会での階層のひとつ。王族や武士がこれに当てはまる。
ヴァルナ(種姓)とも呼ばれる4階層の中では、最上位階層のバラモンに次ぐ第2位であり、ヴァイシャとシュードラを統治する階級となる。
ちなみにゴータマ・シッダールタこと後の釈迦も釈迦族の王子であるため、クシャトリヤである。 - 『機動戦士ガンダムUC』に登場する人型機動兵器、モビルスーツのひとつ、NZ-666クシャトリヤ。以下、本項にて記述。
概要
ネオ・ジオン残党組織“袖付き”が保有するニュータイプ専用MS。
デザインはカトキハジメによる。
ハマーン・カーン時代のネオ・ジオンが開発した大型MSであるNZ-000クィン・マンサの流れを汲む機体だが、その火力や性能を維持したまま大幅なダウンサイジングに成功している(39.2mから22.3m)。また、これにより他のMSと同一規格の兵装類の運用も可能となったため、汎用性の点でも向上が認められる。
これはサイコフレームの採用と大型のバインダーを4基備えた事により実現できたもので、その外観から連邦軍兵士からは“4枚羽”とも渾名される。
ただし、メインスラスター類や攻撃の要となるファンネルはこのバインダーに集約されているため、バインダーを複数喪失した場合、戦闘能力は大きく低下することになる(まぁ、最終的にはバインダーそのものをファンネルとしてしまうわけだが……)。
ちなみに、この時代のネオ・ジオンは自力でのサイコフレームの製造能力を持たず、保有するサイコフレーム自体、シャアの反乱当時にアナハイム・エレクトロニクスのグラナダ工場で生産された分がその全てであった。このため、本機は追加生産もままならず、整備性に難のあるワンアンドオンリーの機体となってしまっている。
また、その性質上通常のパイロットでは性能をフルに発揮することはできず、強化人間であるマリーダ・クルス専用機として扱われている。
作中では、ストーリー上比較的早い段階(パラオ攻略戦)でユニコーンガンダムとの戦闘により損傷を負い、ネェル・アーガマに収容される。搭乗者であるマリーダがビスト財団によりバンシィのパイロットとして再調整を受け、地上に降ろされたこともあって、中盤では殆ど登場しない。
が、最終決戦において応急処置を受けた上で再度マリーダの乗機として出撃。かつて彼女が敵と見なした“ガンダム”の僚機として、共に戦うこととなる。
クシャトリヤ・ベッセルング
先述の通り、クシャトリヤはユニコーンガンダムとの戦闘で損傷を負い、ネェル・アーガマに収容されている。
元々クシャトリヤ自体整備が困難な機体であったことに加え、袖付きの機体ということもあって長らく放置されていたのだが、ネェル・アーガマにガランシェール隊が合流し、さらにフル・フロンタルらがネェル・アーガマに乗り込んだ際、彼ら主導の下で修復作業が行われた。OVA版において、この応急処置状態の本機をクシャトリヤ・ベッセルングと呼称する。ベッセルング(Besserung)とは、独語で『回復』や『改良』といった意味合いだが、この場合は前者か。
小説版では失った右腕に直接ビームガトリングガンを装着する等の応急処置が行われた。
OVA版では、左肘から先を喪失しているだけでなく右脚もフレームのみの状態となっている。また、頭部のフレームや胸部のコクピットブロックが露出している等、防御面で大きく性能が低下している。
加えて、元々4基あったバインダーのうち2基を喪失、更に残った1基のうち左側のものは装甲やサブアームの無いフレームむき出しの構造となっている(装甲部分が外されたままの状態)。
火力面でもファンネルは全て喪失しており、胸部メガ粒子砲も2基が使用不可能に陥っている。
モノアイの発光色はピンクから緑へ変更されたが、これは修復の際にジェガンの物を流用したため。
以上の通り、その性能は大幅に低下していると言わざるを得ない。
クシャトリヤ・リペアード
袖付きによる応急修理がなされたクシャトリヤ・ベッセルングを、さらにネェル・アーガマのクルーが実戦投入可能なレベルまで修復した機体。リペアード(Repaired)は英語で『修復された』という意。
ベッセルングはムーバブルフレームの一部やコクピットブロックがむき出しである等、あくまでも応急処置の域を超える物ではなかったが、ユニコーンガンダムやジェガン、ベースジャバーといったネェル・アーガマ搭載機のパーツを組み込むことにより、戦闘可能な水準にまで持ち直している。
ベッセルングでは片方がフレームむき出しとなっていた肩部バインダーは、左右一対共、ほぼ元々の形態を取り戻しており、失ったもう一対については、ベースジャバー用のブースターと大型のプロペラントタンクを取り付けることで低下した機動性を補っている。また、失った左腕には本来ユニコーンガンダム用のオプション装備であるハイパー・ビームジャベリンを直接装備する他、脚部仮設フレームにビームガトリングガンを内蔵する。
ファンネルポッドの部分は装甲でカバーされているが、実際にはシュツルム・ファウストの弾頭を取り付ける改造を施したファンネルを内蔵している。装甲でカバーしているのはその存在を隠すためでもあり、隠し玉的に作中でも扱われた。
兵装
- 胸部メガ粒子砲
胸部正面に4門を装備。拡散メガ粒子砲としても使用可能。 - バインダー部メガ粒子砲
肩部に左右2対、計4基装備するバインダーに各2門ずつ、合計8門装備。 - ビームサーベル
前腕部に内蔵され、非使用時にはビームガンとしても機能するものを2振り装備する他、各バインダーに1本内蔵されるサブアーム(隠し腕とも言う)毎に1振りを装備する。刀身色は緑。
ちなみに、アナハイム規格であるが故に出来た業か、リゼルのビームサーベルを奪ってそのまま使用したこともある。 - ファンネル
各バインダー毎に6基、合計24基を装備する。
オールレンジ攻撃を実現する、本機の攻撃の要と呼ぶべき装備であり、必要に応じて適宜帰還させることで、エネルギーCAPと推進剤の補給が可能となっている。
形状的にはサザビーやヤクト・ドーガに装備される円筒型のものではなく、キュベレイ等が装備した、文字通り漏斗型のものとなっている。 - マシンキャノン
胸部メガ粒子砲の側面に左右各1門ずつ装備。 - ビームガトリングガン
アナハイム規格により製造された携行型ビーム兵器。ユニコーンガンダムが装備するものと同型(というか、ユニコーンガンダムがクシャトリヤ用に用意されていたものを装備した、という方が正しい)。
機体やパイロットの負担を軽減するために用意されたものだが、最終決戦では失った腕部にこれを直接取り付けて出撃している(小説版)。OVA版では脚部仮設フレーム内にこれを組み込んだ。 - ハイパー・ビームジャベリン
本来はユニコーンガンダム用のオプション装備。
OVA版において、ネェル・アーガマのクルーにより修復を受けた際、失った左腕の代用として、肘関節に直接これを取り付けている。 - 改造ファンネル
OVA版において、リペアードに装備されたファンネル。
前項で挙げた通り、元々のファンネルとシュツルム・ファウストを接合したものであり、サイコミュにより思念誘導されるミサイルとして改造された。また、この改造ファンネルは後にΞガンダム等に搭載されるファンネルミサイルの先駆けとも言うべき存在であり、時代を先取りした兵装でもある。 - 3連シュツルム・ファウスト
最終決戦において、リペアードが右腕に携行したもの。
ギラ・ズール用のシュツルム・ファウストのランチャー部分を3基接合した改造品。
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関連項目
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