クハンダとは、聖徳太子が予言したとされる滅亡をもたらすもの、だそうだ。
概要
「2019年4月30日から5月1日にかけて馬の頭と人間の体が融合した姿をした「クハンダ」が出現し、日本列島を滅亡させると聖徳太子が予言していた……」という噂が、2019年4月頃にSNS上で出回った。
これはオカルトサイト「TOCANA」に2018年2月7日に掲載された記事、「【聖徳太子の恐るべき予言】2019年4月30日に『クハンダ』の来襲で東京が八つ裂きに!?」という記事が流行元のようだ。寄稿者はオカルトライター「白神じゅりこ」氏。
「TOCANA」のサイト名の由来は「ホントカナ?」であり、「科学的な妥当性だけを重視する一辺倒な報道ではなく、知的好奇心を刺激することを目的としています」と公言しているサイトなので、オカルトとして笑って楽しむべき記事であって本気に受け取る必要はない。
ちなみに「白神じゅりこ」氏は2015年にも同じ「TOCANA」に「2016年に東京壊滅、人類滅亡!? 封印された「聖徳太子の予言」に戦慄!」という記事を寄稿していた。もちろん大外れ。
「クハンダ」の名称や「馬の頭と人間の体が融合した」といった外見の由来は不明。人身馬頭で描かれることもある仏教の護法神(鬼神)のクバンダ(鳩槃荼)か。あるいは近世に登場した妖怪伝承「件」(くだん。牛の体と人間の顔の怪物)か。
ウェブサイト「超常現象の謎解き」による解説
さらに、この「聖徳太子」「クハンダ」云々という話については、2016年にウェブサイト「超常現象の謎解き」において丁寧にネタ元の調査・解説がなされている。
この記事によれば「クハンダの予言」の出典は、書籍『ノストラダムスの大予言』で大外れの予言解釈を広めたことで有名な人物「五島勉」氏の書籍『聖徳太子「未来記」の秘予言』であるらしい。
そしてこの『聖徳太子「未来記」の秘予言』は聖徳太子の手によると主張される書物『大成経』や、聖徳太子研究家の「白石重」氏の著書『聖徳太子』を元にしたと五島勉氏は主張しているらしい。
だが、この「超常現象の謎解き」の運営者「本城達也」氏が検証したところ、「クハンダ」が登場する部分は『大成経』や、白石重氏の『聖徳太子』には記述が無かった。つまりおそらく五島勉氏による創作であろうと結論している。
さらに言えば『大成経』は江戸時代に作られた偽書であるとして専門家間で一致しているという。
関連項目
- 3
- 0pt