クモヒトデ(英:brittle star)とは、クモヒトデ綱に分類される棘皮動物の一群である。ヒトデと似ているが内部の骨格の構造が異なるため別のグループである。蛇尾類とも。
概要
浅海から深海、極地から熱帯まで世界各地の多様な海域に生息しており、特に深海性の種が多い。棘皮動物の中では最も種の数が多いグループである。ダキクモヒトデ(学名:Ophiodaphne formata)のように他の生物に腕でしがみついて暮らすものもいる。英名のbrittle starは直訳すると脆い星だが、ここでstar=seastar:ヒトデを指す。英名のとおり化石はとても脆く、また腕を簡単に自切することができる(再生力が高く簡単に再生する)。ほとんどが雌雄異体。
ヒトデと比べて盤(中心)と腕の区別が明確で、ヒトデは管足を使い移動するのに対してクモヒトデは腕を使って這う。その為移動スピードは他の棘皮動物より速い。ヒトデのほとんどは肉食なのに対して、クモヒトデの仲間は基本的に腐肉食性か懸濁物食性(海中や海底の有機物の粒子を食べる)である。ヒトデには口と肛門があるがクモヒトデに肛門はない。
棘皮動物の例に漏れず五放射相称の体のつくりをしており、腕は基本的に5腕であるが6腕の種もいる。
分類
クモヒトデ
日本を代表するクモヒトデとして潮間帯に生息するニホンクモヒトデ(学名:Ophioplocus japonicus)がいる。また、深海底を覆うおびただしい数のキタクシノハクモヒトデ(学名:Ophiura sarsii)は有名。弱って海底に近づいてしまった魚をも捕える恐怖の絨毯でもある。
テヅルモヅル
無数の触手が蠢く奇怪な姿で有名なテヅルモヅル(英:basket star)も、懸濁物食に特化するため腕が複数回分岐したクモヒトデの仲間である。テヅルモヅル類はかつては他のクモヒトデとは別の目(ユウレイモヅル目)に纏めて分類されていたが見直されている。最近の研究では、テヅルモヅル類自体が多系統ということが分かっている[1]。メジャーなテヅルモヅル類としてはセノテヅルモヅル(学名:Astrocladus coniferus)やサメハダテヅルモヅル(学名:Astroboa nuda)が挙げられる。
クモヒトデ、テヅルモヅル共に、非常に多様性の高いグループであり、棘皮動物の中ではマイナー気味でありつつも高い魅力を持つと言える。
関連動画
関連静画
関連項目
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脚注
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