「クラン(英:clan)」とは「共通の目的や利益を持ち、緊密な結びつきを持つ人々の集まり」、転じてゲームのために集まったチームを指す言葉である。単に「クランバトル」と言えば、そうした様々なゲーム内でのチーム対戦機能を指すこともある(ニコニコ動画では『プリンセスコネクト!Re:Dive』の同名モード動画の投稿が多い)。
本稿ではアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に登場する違法な闘技について解説する。
概要
宇宙世紀0085年の宇宙都市・サイド6付近で流行している、違法な競技。
簡潔に言うと「モビルスーツ(MS)を用いた賭け戦闘」である。
宇宙世紀0080年にジオン独立戦争が終戦した後、戦勝国となったジオン公国は、旧式化した軍のMSを(非武装化した上で)民間に払い下げた。この決定には軍内部でも反発が大きかったらしいが、大戦によって大きな損耗を被った軍は懐が苦しく、その上除隊した元パイロット達の仕事を斡旋してやる必要もあった。ついでに言うと敵国であった地球連邦の元パイロット達についても「戦勝国の義務」として食い扶持を与え、ガス抜きをさせる必要があった。
独立戦争によって地球圏は著しく荒廃しており、宇宙における大規模な生活圏はジオン本国であるサイド3を除くと、高い工業力を背景に中立宣言を行い、戦禍を免れたサイド6くらいしかなかった。必然的にサイド6には各サイドを追われた難民や、ジオン公国や地球を離れた人材が集まり、それに伴って中古MSの数も増大していく。戦後の混乱期ということもあって治安が悪化する一方のサイド6では、中古MSの管理謄本がまともに作成されるはずもなく、その総数の把握は当局にも不可能な有様であった。
中古MSは宇宙空間を仕事とする建築会社やジャンク屋のクランが主に使用していたが、その内、このクラン同士の間で、MSを用いた賭け戦闘が始まった。行き場を無くした人と、ちょっとの改造で戦闘仕様にできる機体が、お上が管理できないほど溢れかえっているサイド6宙域において、戦いがエスカレートするのは必然だったのかもしれない。非武装機に戦闘プログラムを組み込むインストーラーデバイスもヤミで流通し、格闘武器はおろかマシンガンやバズーカなどの弾薬も民間サプライヤーが生産する始末。
かくして最低限の紳士協定を結び、当局の取り締まりの目を盗んで行われるクランバトルは、軍の模擬戦さながらの様相を呈し、違法ギャンブルとして大いに盛り上がることになってしまったのだ。
ちなみに略称は「クラバ」。作中でも登場人物からこう呼ばれている。
運営形態
「運営」と呼ばれる集団がおり、マッチングやアングラ宣伝などを仕切っている。この「運営」の正体は表向きには不明……なのだが、その一部にはサイド6大統領府が絡んでいる。ペルガミノ大統領曰く結構儲かっているらしいが、取り締まりを行う軍警察(の現場職員)には、その辺りの実態は伏せられているらしい。酷い話である。
戦闘はアングラ衛星を介して中継され、各クランには戦績に応じたポイントが付与されてランキング付けされている。クランのマーク型シールや、お菓子のおまけみたいなMAVカード(?)も登場しているあたり、賭博産業としての規模はそれなりに大きい模様。
ルール
基本的に、戦場はコロニー外の宙域が選ばれるが、コロニー内で戦うこともないわけではないらしい。本編ではマチュたちの拠点であるイズマ・コロニー周辺の戦いしか描かれていないが、恐らくはその他のコロニー周辺でも行われたりしているのだろう。なお、開催決定した試合を放棄すると膨大な違約金を請求される(しかもがっつり取り立てられる)。
戦場にはミノフスキー粒子が散布され、軍警ザクが駆けつけてくるまでのおよそ5分間が制限時間になる。
作中世界の基本MS戦術・MAVを前提とした2対2のMS戦が原則で、開戦時に数が揃っていないとおそらく不戦敗になる(=違約金発生)ものと思われる。モビルアーマーは使用禁止だが、MSであれば実質何でもあり。
勝敗条件は「頭部を破壊されると負け=敵2機の頭部を全て破壊すると勝ち」。流石にみんな殺し合いをしたいわけではないので、コクピット狙いはできる限り避けるのが暗黙のルールのようだが、やはり死亡者は定期的に出ている模様。
作中登場するクラン
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ここから先は物語のネタバレばかりだ! 何も知らないなら戻れ! ただの一見が来ていい場所じゃない! |
ポメラニアンズ(POMERANIANS)
イズマ・コロニーのジャンク屋、カネバン有限公司のクラン。機体にはポメラニアンのシンボルマークが書き込まれている。
保有機はザク(GQ)が一機。日頃は他所からもう一機のザクをレンタルしてMAVを組んでいたらしい。しかし本編第一話にて謎の新型機「GQuuuuuuX」をたまたま手に入れ、更にそのパイロットのMAVとして、ジオン軍の行方不明機「赤いガンダム」が参戦。以降はマチュ(MACHU)とAAA / HARAHERIMUSHIのMAVで連戦連勝を遂げる。
カネバン社は借金で首が回っておらず、武装の新調を行う余裕がない。入手時点で丸腰だったGQuuuuuuXはザクのヒート・ホーク1本だけで戦い、赤いガンダムも数少ない武装を使い潰しながら戦っている。
第4話、クラン・ファットマヴ戦後の時点でランキング5位(134pt)。
フォースネークアイズ(FOUR SNAKE EYES)
第3話にてポメラニアンズと対戦。GQuuuuuuX&赤いガンダムMAVの緒戦となった。
元ジオン軍のMS乗りと思われる、パイロ(PYRO)とイエティ(YETI)のMAV。
使用機体はザク。様々な部分が欠損しており、あの手この手で補っている。
第4話時点でランキング7位(96pt)。
ファットマヴ(FATMAV)
第4話にてポメラニアンズと対戦。3連勝中のGQuuuuuuX&赤いガンダムMAVとかち合う。
オーバーウェイトとラブハンドルのMAV。
使用機体はザク。オーバーウェイト機は左肩を赤く、ラブハンドル機は左肩を青く塗装している。
第4話、クラン・ポメラニアンズ戦後の時点でランキング6位(116pt)。
CRS
第4話にてポメラニアンズと対戦。運営元は軍事警備会社「ドミトリー警備」で、主業務の宣伝用クランということは公然の秘密となっている。
ドミトリー警備は連邦軍とのパイプがあるらしく、使用機体も連邦系の軽キャノン。ジオン系の実弾火器とは一線を画す威力の低圧ビーム砲とビーム・サーベルを使用している。
しかし、作中では独自ルートで入手した別機体が投入され、元連邦軍のスーパーユニカム「MAMAMAJO」と、同じく元連邦軍の「HAL」のMAVで参戦した。
バイナリーズ(BYNARYS)
第5話にてポメラニアンズと対戦。ジャンク屋を営む「GGG」と「OOO」の、個人運営に近いクラン。
使用機体はリック・ドム(GQ)。「バイナリーズ=連星」の名のごとく、かつてのジオン軍のエース小隊「黒い三連星」の機体カラーで塗装されている。
第4話時点でランキング3位(155pt)。2位のFRED MARTIANS(288pt)にこそ大差を付けられてしまっているが、その腕前は確か。
トゥエルブオリンピアンズ(TWELVE OLYMPIANS)
つい最近、運営母体が地球の企業「アマラカマラ商会」に代わったクラン。その実態は地球連邦軍の出先機関であり、元々のオリンピアンズがどんな連中だったのかは不明。
『トゥエルブ・オリンピアンズ』とは、大雑把に言えばギリシャ・ローマ神話の「オリュンポス十二神」を指す。更に言及すると、この十二神より一世代前に君臨していた神々は「ティーターン」……複数形でティターンズと呼ばれている。
関連動画
関連静画
関連生放送
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
- 機動戦士Gundam GQuuuuuuX
- ザク(GQ) / 軽キャノン - よく使われている機体たち
- カネバン有限公司
- ガンダムファイト - 多分ルールの元ネタ
- アスティカシア高等専門学園 - もう少し安全性に配慮したルールで正式に決闘してる集団
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- カネバン有限公司
- ミゲル・セルベート
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