クラーケン(Kraken)とは、海に棲むと言われる伝説上の怪物である。
概要
中世時代より、ヨーロッパ方面の海(ノルウェー近海、アイスランド沖など)に出没しては船を沈めると言われた超巨大な伝説上の生物で、UMAとして語られている存在の中でも群を抜く大きさを誇る。
存在が知られるようになったのは、17世紀のデンマークの聖職者『エリック・ポントピダン』が自著「ノルウェー博物誌 (Natural History of Norway)」においてクラーケンを紹介したのがきっかけで、同書にてクラーケンの大きさを「小島ぐらい」と表現していた事や、「クラーケンが吐き出した墨で周囲の海が真っ黒く染まった」と言った事からそのイメージが定着していく事になる。
クラーケンに遭遇した船はまず確実に生還できないとされたため、船出したまま二度と帰らなかった船の多くはクラーケンに遭遇してしまったとされた。かつて幽霊船マリー・セレスト号が見つかった時、船員が何故誰もいないのかという説を検証する過程で「船員が全員、クラーケンの餌食になった」とも一部で言われたほどである。
伝説
クラーケンについては大体、以下のように伝わっている。
- 主に超巨大なタコやイカといった頭足類の姿で描かれることが多い。(もっともこれについては、10m以上の体長を誇るダイオウイカ、ダイオウホウズキイカなどといった生物も存在するので一概に間違いではないかもしれないが)
伝承や作品によっては、海蛇(シーサーペント)や海竜(ドラゴン)の姿で語られる事もある。 - 大きさについては伝承によってまちまちで、一般には、海面に出た身体の周囲は2.5kmもあったという。
- そのあまりの身体の大きさに全身を確認できない。或いは、船乗り達はそれをクラーケン(生物)と認識できず小島と間違えて上陸してしまう事もあるらしい。
- 凪で船が進まず、次に海面が泡立ってきたなら、それはクラーケンが出現する前触れであるという。
- 性格は温和で、おとなしいらしい。
- 強力な香気を発して餌の魚をひきつけ、食べていたらしいとも言われる。
フィクション作品の中のクラーケン
- ヴァルキリープロファイル
サッカス侵食洞のボスとして登場。巨大な足で攻撃する『ウィッピングフィーラー』をよく使用してくる。 - 寄生ジョーカー
大型生物兵器『クラーケン』として登場。地中を住処とする全長20mの巨大なイカ型のバケモノ。最初のボス。
小屋の下部に空いた4つの穴から眼を覗かせ、触手を伸ばして攻撃してくる。
弱点は前述の目だが、銃弾に対する特異な耐性を持ち、ナイフで斬ろうが銃で撃とうがダメージは1固定。10発攻撃を当てれば倒せる。倒されると触手に捉えられ、中央に空いた穴から覗くクラーケンの口に押し込まれて捕食されてしまい、ゲームオーバーとなる。ボスの中では最も弱く、慣れてくればノーダメージでも倒せるようになる。
それよりも、「今の触手は……間違いなくイカだ」と言う晴香の台詞のが印象的であり、劇中指折りの名台詞として知られている。 - 侵略!イカ娘
クラーケンが直接登場するわけではないが、イカ娘が自らに対して抱いている理想像(イメージ)が「海を渡る船や人々を脅かす、クラーケン(海坊主?)のような巨大海生生物」らしい。 - 聖闘士星矢
海皇ポセイドンを守る戦士・海闘士(マリーナ)の一員としてクラーケンのアイザックが登場する。
アイザック自身は人間だが、クラーケンを模した形態を持つ鎧・鱗衣(スケイル)をまとっており、その形態でのクラーケンの鱗衣は翼のあるエイのようなデザインをしている。
作中では本来のクラーケンについて「善人を襲うことはなかった北氷洋の怪物」とされており、アイザックはこのクラーケンに海で命を救われたという。 - 世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者
裏ボスの1体としてクラーケンが登場する。海都アーモロードに住んでいる資産家・エルヴァルからの依頼によってクラーケンの討伐へと向かうのだが、いざ戦闘では禍神、エルダーに次ぐHPの高さや圧倒的な攻撃力・回復力に舌を巻くことだろう。しかしこのクラーケン、全ての使用技が脚依存のスキルであるという弱点があるので、脚を封じてしまえば攻撃も回復も何もできない状態となり、ただ調理を待つだけのイカへと成り下がるのが悲哀。 - チョコボの不思議なダンジョン2
タコ種の最上位モンスターとしてクラーケンが登場。水上を移動でき、墨を吐いてチョコボを暗闇状態にしてくるが、陸上だと動きが遅くなるのが弱点。下位モンスターにオクトパス、デビルフィッシュが存在。 - テイルズ オブ デスティニー
第一章の中盤にてボスとしてクラーケンが登場する。水系最強晶術のタイダルウェーブを唱えてくる敵。
弱点は斬撃と光属性。 - ドラゴンクエスト
クラーケンとは少々違うかもしれないが、Ⅲにイカ型のモンスター「クラーゴン」が登場する。テンタクルスの色違い。 - NeoATLAS
大航海時代を舞台としたシミュレーションゲーム。クラーケンと上位種のキング・クラーケンが登場する。 主人公が派遣する船団に襲いかかってくるタコの姿をした巨大な怪物。 - パイレーツ・オブ・カリビアン
デイヴィ・ジョーンズが幽霊船より呼び寄せた海の怪物。劇中で何度か登場しては船を海中へ引きずり込み沈めた。最後はジャック・スパロウを海賊船ごと飲み込んだ。 - ファイナルファンタジー
四大カオスの一体として登場。水を司り、海底神殿を支配して人魚たちを苦しめている。カタコトで喋るのがちょっと可愛らしい。
またとⅨでは魔王ザンデに使わされた水の魔物として登場。水のクリスタルを破壊し、水の巫女・エリアを死に追いやった。続編の11では先述の罪状からか、ついに雑魚敵へと成り下がってしまった。 - MOTHER2 ギーグの逆襲
船乗り達の間で恐れられている海の魔物としてクラーケンが登場。姿は目が無い海蛇、またはドラゴンである。
サマーズからスカラビへの船旅の際に遭遇するのだが、戦闘では火炎や竜巻など強力な攻撃を次々に繰り出し、その強さはネス達が4人でようやく倒せる程強い。さあこれを見ている貴方も、スリッパで応戦しよう。
また、ネスの心の中の世界「エデンの海(マジカント深部)」でも同じくクラーケンが登場するものの、ここで対峙する頃にはネス1人で充分相手が務まる程強くなっているだろう。
そして最終面「過去の最低国」ではクラーケンの変種モンスター『クラーケンバイオ』が登場。本作で1、2を争うレアアイテム『ガッツのバット』を手に入れるためにクラーケンバイオの屍の山を築いた人は少なくないと思われる。 - ロックマンシリーズ
「ロックマンX5」にてイカを象ったレプリロイド『ボルト・クラーケン』が登場。
また、「ロックマンゼロ4」でも同様に『テック・クラーケン』というレプリロイドが登場する。 - ONE PIECE
上記の伝承とほぼ同じ内容で、船を沈める超巨大な怪物としてクラーケンが登場。クラーケンと遭遇したルフィは「クラーケンを手懐けよう」とクルーに提案するが・・・? - 仮面ライダーウィザード
主人公の使い魔『イエロークラーケン』として登場。ミニサイズのプラモデル型。蛸のような姿。
なお、召還の際は『クラーケンリング』 を使用する。 - グイン・サーガ
レント海、星船の内部などで目撃されている正体不明の巨大生物。高度な知能を持つなど、様々なことがほのめかされているが正体は完全に明らかにはされていない。 - EVOLVE / EVOLVE Stage2
人類にとって脅威となるモンスター(プレイアブルキャラクター)の1体。身長7.9m。空を飛び、電撃を操る中・遠距離攻撃タイプで、イカのような形だがむしろクトゥルフと形容したほうが近い。モンスター共通の性質として高度な知能を有し、条件が整えば進化(Evolve)して能力が強化される非常に厄介な生物である。亜種にエルダークラーケンと呼ばれる近距離攻撃型のモンスターも確認されている。 - マジック・ザ・ギャザリング
青単色もしくは青を含む多色モンスターでまとめられたカード群。召喚に必要なマナ・コストが重いが、その分パワーやタフネスが高いのが特徴。ただし、幼子などの例外もある。
(上記以外にもありましたら、随時お気軽に追加していってください)
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