Criminal Minds(クリミナル・マインド)とは、アメリカのネットワーク放送局CBSで放送されているテレビドラマである。ジャンルは犯罪捜査。日本での通称はクリマイ。
2019-20年のシーズン15にて完結が決定。
日本では主にWOWOW、スーパー!ドラマTV、Dlifeで放送されている。
スピンオフが2作品あり、『クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル(全1シーズン)』、『クリミナル・マインド 国際捜査班(2016年~)』が存在する。
概要
猟奇殺人や異常犯罪者の心理をプロファイリングし事件を解決に導く専門家が揃うFBIの部署、行動分析課(英語表記はBehavioral Analysis Unit、通称BAU)。人々の日常を脅かす犯罪に立ち向かうべく、BAUのメンバーは日夜犯罪者との闘いに明け暮れる。
基本的に一話完結で、主役のBAUメンバーさえ覚えればどのシーズンからも入りやすいという海外ドラマお馴染みの形式。
FBI自体が州を跨いだ事件を取り扱うため、毎回舞台となる街は変わる。綺羅びやかなでオープンな都会からカントリーの似合う保守的な田舎まで、巨大国家アメリカの多様性とそれぞれが抱える闇を垣間見ることが出来る。
プロファイラー集団だが全員拳銃携帯許可を得た武闘派でもあり、犯人像を推理し自ら前線で逮捕劇も行う。
BAUが特に異常性の高い事件を担当する部署であるため、毎回作中で起きる事件がグロかったりえげつなかったりするのがお約束。ネットワーク系(=地上波)ドラマなので予期せぬお子様の視聴にも配慮して直接的な描写は控えめだが、流血も多く、また精神的に辛い事件も多い。
加害者に目も当てられない事情があったパターンや被害者が悪かったパターンなど勧善懲悪とは言えない場合もあり、BAUメンバーに心の傷を残すような終わり方も少なくない。
重苦しい事件部分を払拭するかのように挟まれるBAUメンバーたちの日常は明るい。みんなで食事をしたり、ハロウィンを祝ったり、くだらないジョークを言ったりと至って平和。またBAUメンバー同士での恋愛模様は一切無いため、そういうのが苦手な人もご安心を。
OP後とエンディング前には必ず、古今東西の偉人・作家・哲学者などの格言がBAUメンバーのモノローグとして挟まれる。格言はその回の事件やタイトルに因んだものだが、引用元不明や『スターウォーズ』の台詞、果ては作中人物の過去の台詞が引用されることもある。
登場人物
現在の主な登場人物
- アーロン・ホッチナー - 演:トーマス・ギブソン(森田順平)
作中に登場するBAUチームのボス(BAUには幾つかのチームがある)。常に捜査書類で埋まった部屋でのデスクワークと現場での捜査に忙殺される笑顔の少ない生真面目な男だが、仕事を離れれば話の分かる人物であり良き父親。元検察官。
仕事第一のため妻とは不仲であったが、『ボストンの悪魔』と呼ばれる連続殺人犯との因縁が元で彼女を亡くしている。その後何度か作中でロマンスはあったものの、今は息子と二人暮らし。
BAUメンバーからはホッチ、ロッシからはアーロンと呼ばれる。
WOWOW版のみにある日本版OPではナレーションを務めており、「そしてこの私、アーロン・ホッチナー」がある意味名台詞と化している。 - デヴィッド・ロッシ - 演:ジョー・マンテーニャ(小川真司→菅生隆之)
BAUチームのメンバーだが、BAU創設者の一人でありホッチナーのプロファイリングの師匠、BAUに復帰する前は有名作家で大金持ちというハイスペック。だが肩書を好まず一捜査官としての立場を選んでいる。
退職しBAUでの経験を著作にし悠々自適に暮らしていたが、友人であるギデオンを欠くことになったチームに自ら志願して捜査官に復帰。豊富な捜査知識を元にチームを支えている。
生真面目なホッチナーに対し思考が柔軟でチームの緩衝材的な存在。ホッチナーからはデイヴと呼ばれるほど親しい。 - デレク・モーガン - 演:シェマー・ムーア(咲野俊介)
チーム一の肉体派。冗談も多いが真摯で明るく、被害者やその家族との対応を任されることが多い。また突入時のドアキッカーとしても大活躍。FBI内での評価は高いようで、別支部のトップに内定していたり停職中のホッチナーの代理として選ばれた経験もある。元刑事。
少年期は父親が殺され非行に走るなどと暗く、とある事件で自身にも関わる過去を明るみに出さなければならなくなりチームに対して激しい拒絶を示すほど彼にとっては封印されたものとなっていた。
ガルシアとは「ベイビー」や「キャンディ」などと恋人同士のような呼び名で呼び合っているが、付き合っている訳ではなく兄妹的な関係。甘ったるい掛け合いをうっかりスピーカー中に行い他のメンバーに釘を刺されるのはよくあること。 - Dr.スペンサー・リード - 演:マシュー・グレイ・ギュブラー(森久保祥太郎)
飛び級で大学入学、IQ187で3つの博士号所持、映像記憶能力を持つ天才。チーム最年少のためみんなの孫・息子・弟的存在で、犯人に狙われたり捕まることがチーム一多く精神的にも肉体的にも抱える問題がある(中の人も認めるほどの)お姫様ポジションでもある。
当初は典型的な天才らしく空気が読めない嫌な奴といった雰囲気だったが、チームで善悪様々な経験を積み徐々に成長していく。序盤は拳銃携帯許可も下りていなかったが後に試験に合格しお姫様ポジションも徐々に脱却、早口のオタクトークも以前はホッチナーに何度も声を掛けられないと止まらなかったのがメンバーの冷たい視線だけで止められるようになるなど、今ではすっかりチームに溶け込んでいる。
JJからはスペンスと呼ばれている。 - ジェニファー・ジャロウ(通称JJ) - 演:A・J・クック(園崎未恵)
初登場時はチームの広報官だったが、後にプロファイラーとなる。交渉担当としての実力は高く、一時期国防総省からの強い要請に応じて移動していたこともある。
シーズン2での捜査で出会ったニューオーリンズの刑事と交際し結婚、中の人が妊娠したのに合わせて子供も生まれている。
国防総省時代にスパイのような活動をしていたことが判明したり、犯人と流血沙汰の殴り合いをするなど、プロファイラーとして前線に立つようになってから非常に活動的。
作中ではJJと呼ばれることが殆ど。 - ペネロープ・ガルシア - 演:カーステン・ヴァングスネス(斉藤貴美子)
コンピューターを使った情報提供でチームを支えるテクニカルアナリスト。元クラッカーの凄腕ハッカーで、チームから得た情報から犯人を特定し求められる前に情報を送信するほどの腕前。
BAUに所属するものの死体や血が苦手。そのためJJがプロファイラーとなった後にチームに事件の説明を行う担当になってしまったが、毎回被害者の遺体などが表示される画面には必ず背を向けている。陰惨で哀しい事件と精神的な距離を置くため、ファッションと髪色、コンピューターが置かれた部屋はカラフルで派手でユニーク。
モーガンとは「セクシーな色男」などと呼び合う仲だが前述の通り恋人ではない。またチームからの電話を受けた際の言葉は「こちらクワンティコの巫女」「天才の私に御用でしょうか」などと、こちらもまたユニーク。 - ケイト・キャラハン - 演:ジェニファー・ラヴ・ヒューイット(小松由佳)
シーズン10の新規メンバー。元潜入捜査官。亡くなった姉の娘と同居している。
毒舌なジョークが多く、モーガンとは気が合っている様子。
過去の主な登場人物
- ジェイソン・ギデオン - 演:マンディ・パティンキン(有本欽隆)
シーズン1~3でのロッシポジション。
ベテランのプロファイラーで、ロッシとは新人時代からの友人。犯罪を捜査する者とは思えないほど心優しく、それ故に陰惨な事件や異常者たちの存在に心を痛めていく。だが一方でチームにとっては良き精神的支柱であり、特に対人関係に不慣れで未熟なリードが人間的に成長する大きな支えであった。
シーズン1開始以前に部下を亡くしPTSDを発症、プロファイラーとしての能力も問題視されていたが復帰したのが初回であった。しかし徐々に心を病み、最終的に失踪する。
なおギデオンの退場は、演じるパティンキンが猟奇殺人を扱う内容に耐えられなくなったからという事情がある。 - エル・グリーナウェイ - 演:ローラ・グラウディーニ(山像かおり)
シーズン1~2でのケイトポジション。
強気な女性。犯人からの銃撃を受けて生死の境を彷徨うも無事復帰。しかし自身が狙われた経験から疑心暗鬼に陥り、容疑者に対して激しい憎しみを抱くようになる。挙句の果てに容疑者を正当防衛に見せかけて殺害。勿論プロ集団であるBAUメンバーに即座にバレ、辞職した。 - エミリー・プレンティス - 演:パジェット・ブリュースター(深見梨加)
シーズン2~7のケイトポジション。
元大使の母親に連れられて幼少期に世界中を転々としていたため、語学に堪能な捜査官。モーガン並みの肉体派であり、その一方でオタク的な一面も持ち合わせる。
FBI入局前はICPOに所属し、テロリストの元で恋人として潜入捜査をしていた。そのテロリストにチームの命が狙われ、激しい攻防の末に重傷を負い死亡を装ってテロリストの動きを探ることとなる。最終的にはチームに復帰するが、後にICPOへの移動を願い出る。
人気キャラクターであり、降板後も何度かスポット的に再登場している。 - ジョーダン・トッド - 演:メタ・ゴールディング(林真里花)
シーズン4のJJポジション。
JJの出産に伴う休職期間の広報担当で、本来は対テロ部門所属。初登場シーンがモーガンにナンパされる場面という何ともいえない感じであった。
マスコミへの情報提供によって事件が変動する、というBAUの扱う事件の特殊さに耐えられず、JJの復帰に合わせて去っていった。 - アシュレイ・シーヴァー - 演:レイチェル・ニコルズ(竹田まどか)
シーズン6のJJ・ケイトポジション。
FBIの新人研修生だが実はシリアルキラーの娘であり、特殊な環境下で子供期を過ごしたことから事件捜査に参加。本人の希望もありそのまま継続してBAUに仮所属のような扱いで残る。
JJの復帰に合わせて別チームに移動。 - アレックス・ブレイク - 演:ジーン・トリプルホーン(安藤麻吹)
シーズン8~9のケイトポジション。
プロファイラーであり言語学の博士で、リード並のIQの持ち主。これまでチームのこのポジションは比較的若めの女性が担ってきたが、初めての既婚者&中年女性。
元々はFBIで出世街道を邁進していたが、不祥事に巻き込まれストラウスに三階級降格させられ更に左遷。長い時間を掛けて本局のBAUにまで復帰した苦労人である。
夫婦揃って家庭よりも仕事を大事にする生活を続けていたが、以前息子を亡くしたこと、捜査で夫と会える機会が更に減ったこと、自分を庇ってリードが目の前で銃撃されることを通して、家族での時間を増やしたいと思い退職する。 - エリン・ストラウス - 演:ジェイン・アトキンソン(野沢由香里)
BAUの課長(日本版では部長)で、ホッチナーにとっては直属の上司。FBI長官を目指す出世欲の強い人物で、自分のライバルとなりそうなホッチナーを蹴落とそうと序盤はチームに対して嫌がらせをすることが多かった。
その後自分の実力を示そうと現場に出るも、実は事務方メインで出世してきたためにグロテスクな現場にショックを受けてしまう。これ以降チームへの嫌がらせは無くなり、むしろ私生活で苦労するメンバーに同情的になるという掌返し状態になる。
その後もチームの良き味方として登場していたが、かつて自分の指示で降格させた男によって殺されてしまう。
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関連項目
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