クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦とは、
1998年4月18日に上映された劇場版クレヨンしんちゃん第6作である。
概要
監督は前作「暗黒タマタマ大追跡」と同じ原恵一。興行収入は10.6億円で、観客総動員数は96万人。
これまで野原一家主体で描かれていた劇場版クレしんであったが、今作では初めてしんちゃんと他の野原一家が冒頭から終盤まで完全に別行動になりしんちゃんサイドと野原一家サイドで描かれる。かすかべ防衛隊が主体となって活躍するのも今作が初。前作でも近未来的世界観を取り入れつつファンタジー成分が残されていたが今作ではほぼファンタジー色がなくなり、シリアスで実写顔負けのアクションシーンが多い。また、なんといっても「ヘンダーランドの大冒険」以来、そして初めて主役級のキーキャラクターとしてぶりぶりざえもんが大活躍するのも特徴。映画の最後で泣いた人も多いだろう。
劇中、しんのすけが「ぶりぶりざえもんのぼうけん」を音読する場面があるが、それは実際に発売された同名の本を少しアレンジしたもの。敵味方が使用している拳銃も実際に存在しているものをそのまま登場させている。また今作で登場しているSMLは意外なちょい役で次回作にも名前が登場している。
主題歌「PURENESS」を歌うSHAZNAのIZAMと前作に引き続きクレヨンしんちゃんの作者 臼井儀人も劇中でゲスト出演する。
あらすじ
東京湾上空。そこを飛んでいた異様な巨大飛行船にて逃走劇が起きていた。世界を掌握さんと暗躍する秘密結社「ブタのヒヅメ」の計画を阻止するべく重要なディスクを盗み一人の女性が追手から逃げ東京湾へダイブする。
近郊の屋形船で、しんのすけらふたば幼稚園の先生と園児たちは宴会で盛り上がってた。 そんな中東京湾を泳いできた冒頭の女性が屋形船に上がり込む。彼女は秘密組織「SML」(Seigino Mikata Love)の一員、コードネーム「お色気」と名乗るがにわかに信じてもらえず対ししんのすけは信じてか面白がってかお色気なら負けないと対抗する。ところが宴が落ち着いたところにブタのヒヅメの飛行船が屋形船をさらおうとする。ふたば幼稚園の先生、園児は脱出したもののトイレにこもっていたためかすかべ防衛隊5人とお色気が取り残され連れ去られてしまう。
一方野原家ではこの一件のニュースを受け絶望する。そこへSMLの一員、コードネーム「筋肉」が現れる。筋肉はひろしたちに事情を説明し、事件はSMLが解決すると話すがひろしたちはついていくことを表明。初めこそ安全と円滑な任務遂行のため断ったが騒動により掴まれた弱みとしつこさ、家族愛に嫌々ながらも同行をさせることに。
飛行船から脱出を試みるお色気としんのすけたち、幾度と無く飛行船から突き放されもなお追いかける筋肉と野原一家。幾度もの交戦と香港→大陸ど真ん中の荒野と長き道を経て、全てはブタのヒヅメ本部へと集結する。
そこで判明する恐るべき計画とディスクの中身とは。世界と野原一家、しんのすけたちの運命や如何に。
登場人物
お色気
「私が勝つ!」
前述のとおり名は組織内のコードネーム。バツイチの母でありセーギという名の息子がいる。全身紅色のタイツにディスク安置用保護サック(自爆機能付き)とバックパックのみという、コードネームに違わぬ体のラインが目立つ身なりでナイスバディ。尻に敷くより尽くすタイプ。
劇中、自分を犠牲にしんのすけらかすかべ防衛隊を逃したためブタのヒヅメから精神的拷問を一晩中受けたが開放されてもなお正気でいられるほどの精神力を持つ。銃撃戦よりも肉弾戦派。バツイチとはいえママとの対決との際に「子供を生んだことがないならお前に勝ち目はない」と言い放つなど母親としての誇りをもっているようだ。
筋肉
同じく名はコードネーム。こちらも文字通りの筋肉質の大柄男。たらこ唇じゃなかったらガイルといえば見た目の説明がつく。身なりに反して銃撃戦が主流。ただし本人曰く「どちらかと言えば殴り合いのほうが好み」。
序盤にかすかべ防衛隊の親達に説明に回っており最後に野原一家を尋ねたがひろしみさえの作戦により弱みを握られ一度は振り切れたのだが敵組織潜伏先の香港にまで追われてその弱みを言い寄られその根性と家族愛にやられて同行させることに。しかし、旅路の野宿にてひまわりを気遣うなど父性ある一面も。
それもそのはず、実はお色気の元夫で自身の浮気が原因で離婚した。しかし今でも任務遂行のためとは言え妻を助けると話すなど今でも気がある素振りを見せている。終盤、お色気と生きて帰ったら息子に会わせるという約束を誓い、最後にはそれが叶うこととなった。
マウス
「言っておくが私は子供が…大嫌いなんだよ!」
ブタのヒヅメ リーダー。ワイシャツにネクタイ、メガネにスキンヘッドという敵側としては地味だがいかにも知性的な組織のトップ的な見た目。冷徹かつプライドが高いのだが、計画の切り札である知的電子生命体に屈辱的な願いを受け入れなければ働かないと言われそれを涙を呑んで受け入れるという一面を持つ。劇中、手足を使って高速ハッキングするという人間離れした技を披露している。まさにタコ
バレル
幹部の一人で他の幹部に命令するなど3人の幹部の中ではトップらしい。イケメンであるが小柄で本人はかなり気にしており身長を高く見せる厚底靴を愛用している。 これが原因で終盤間抜けな敗北を期すこととなる。銃砲身の意味を持つ名の通りに二丁拳銃や機関銃を使いこなす。だが5歳児に華麗にかわされる程度。
ママ
「よろしくね、坊や」
幹部の一人で紅一点。女性だがボディービルダー真っ青の筋肉質。キレやすくお色気にまんまとしんのすけたちを逃された時はバレルに制止されるまでボコボコにして瀕死寸前においやった。気絶した部下を役立たずと放り投げ山にするなど冷酷な性格。ママという名であれど子持ちではない。
ブレード
「後悔するのは何時?今日かい…」
幹部の一人。その名の通り刃物を使う戦闘スタイルで服の裏に大量の刃物類を隠し持っている。刃物使いにありがちな刃先をなめずるクセも持つ。戦闘能力はかなり高く刃で筋肉の銃撃を退け圧倒させるレベルだが、"自身の"ダジャレには腹筋崩壊するという間抜けな弱点がある。ちなみにものの5秒で紙を蝶のリース飾りにする器用さを持つ。
大袋博士
「スリッパこそ人類最高の発明である」
正確にはブタのヒヅメの人間ではなく電脳の研究をしている老人でブタのヒヅメに無理やり連れて来られた。但し(悪事のためとは知らなかったとはいえ)本人は開発のためならとそんな満更でもなかったりと楽観的。また幾度と無くお色気のおしりを付け狙ったり型を取らせて欲しいと交渉するなどかなりのドスケベ。「スリッパこそ人類最高の発明である」
アンジェラ青梅
シリーズ恒例のオカマ枠で、大袋博士と同じくブタのヒヅメのものではなく博士の助手。ブタのヒヅメの計画を悪巧みと言うほど事態は博士よりも察知できるほう。ひろしに一目惚れしており執拗に追い掛け回している。だが只のネタキャラというわけでもなく一方的な愛故にひろしを守らんと開発兵器を持って活躍するなど頼もしい一面も。
ぶりぶりざえもん
「や~ん、見ちゃめ!」
言わずと知れたしんのすけ考案の「救いのヒーロー」。作中思わぬ登場をし活躍する。
野原家を偶然通りかかった際に飛んできたぶりぶりざえもんの絵に感銘を受け大袋博士が制作、ブタのヒヅメの干渉によりコンピューターウィルス目的とした知的電子生命体として誕生する。しかし博士自身が悪事のためと理解し消去するため注意をひくためにしんのすけを電子の世界に飛ばしぶりぶりざえもんと生みの親のしんのすけが対面することとなった。しんのすけの説得により改心したが処理が完了したため消去されてしまう。しかしクライマックスにて最大の活躍を人知れずすることとなる。(ネタバレ反転)
スタッフ
- 原作/臼井義人
- 監督・脚本・絵コンテ/原恵一
- 演出/水島努
- キャラクターデザイン/原勝徳
- 作画監督/原勝徳、堤のりゆき
- 美術監督/古賀徹、川井憲
- 色彩設定/野中幸子
- 撮影監督/梅田俊之
- 音楽/荒川敏行、宮崎慎二
- 録音監督/大熊昭
- 制作/シンエイ動画、ASATSU、テレビ朝日
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- クレヨンしんちゃん
- 野原しんのすけ
- ぶりぶりざえもん
- 原恵一
- 映画
- クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(前作)
- クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦(次回作)
- カスカベ防衛隊の夜
- 電撃!ぶりぶり大作戦
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