『クレヨンしんちゃん』とは、1990年に『週刊Weekly漫画アクション』(双葉社)で連載を開始し、2000年に『まんがタウン』(双葉社)移動して2009年まで連載された臼井儀人の漫画。またアニメもテレビ朝日で放送されており、劇場用アニメも多数制作されている。略称は「クレしん」。国民的漫画作品の一つ。
概要
野原しんのすけはアクション幼稚園(アニメはふたば幼稚園)に通う園児。天真爛漫なしんのすけと、周囲の人物が引き起こす騒動等を描くファミリーコメディ。舞台は埼玉県春日部市。
当初のコンセプトは「幼稚園に通う子どもを持つ大人向け」の漫画で、掲載誌が大人向けの雑誌(いわゆる「青年向け漫画誌」)だったこともあり、初期の原作では性的な単語やブラックなネタが多く扱われていた。アニメ放送によって子どもに人気が出た後は作者の配慮によって原作もソフトな表現になり、現在のファミリー路線へとシフトし、掲載雑誌もファミリー向け路線の4コマ雑誌へ移籍するなどした。
そんなこともあってか単行本では第一話が未収録。他にも未収録の話がいくつかある。
2013年末、トレーディングカードゲーム「ヴァイスシュヴァルツ」への参戦が決まり、多くのヴァイスプレイヤーを驚かせた。発売日は「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」の上映日の前日である4/18(金)。
2016年春には、ソーシャルゲームとはいえ劇中劇・カンタムロボの要素を取り入れ「スーパーロボット大戦X-Ω」に期間限定参戦という誰もが想像し得ないコラボを行い、多くのプレイヤーをフォリア状態にした驚かせた。映画「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミワールド大突撃」の宣伝の一環のコラボレーションであり、故にあくまで夢の中の話となるが、パイロットはしんのすけとなる。
2016年8月3日からAmazonプライムビデオで本作のウェブアニメが独占配信された。本作では初めての連続ドラマ形式である。
評価
本作はギャグ漫画であり、主人公しんのすけの行為には「下品だ」「親を馬鹿にしている」として批判されるものもある。そのため子どもに与える影響を心配してか日本PTA評議会が保護者を対象に行う「子供に見せたくない番組」アンケート調査では例年上位にその名が挙げられる。事実その影響力は高く、「ゾウさん」や「ケツだけ星人」といったしんのすけのギャグや口調を真似する子どもが多く現れ社会問題として騒がれたこともある。
一方で「ギャグによって道徳的なテーマを説教臭くすることなく自然に伝えている」として評価する声もある。本作品はギャグを主体としながらも、根底のテーマとして家族愛や友情を描いた話が多い。更に原作(及び原作のアニメ版)では勧善懲悪という傾向が多く、善人はしんのすけ達に振り回されながらも最終的には報われ、悪人はそれなりの制裁を科せられることが多い。
劇しんと呼ばれる劇場版アニメは感動的な結末が用意されたものが多く、毎年高い興行成績を上げている。中でも『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』、『アッパレ!戦国大合戦』の2作は子供の付き添いで見に来た大人も涙なくしては見れないとして非常に評価が高い。
また、ガンダム生みの親として知られる富野由悠季監督は自分の作品はおろか他の人が作った作品も滅多に褒めないことで有名だが本作には「エンタメ作品としては完成している」と高く評価している。キングゲイナー放送当時も「このアニメのライバルはクレヨンしんちゃんです」とするほど。
2006年にオリコン・モニター・リサーチが行った「マンガ、ドラマなどに登場する理想のファミリーランキング」調査では野原家は3位にランクインしている。また、双葉社からは「クレヨンしんちゃん親子学」という子育て教本も出版されている。 批判は依然としてあるものの、前述のように作風がソフトになり、しんのすけの言動もマイルドになっていった事も手伝ってか近年では「子どもへの影響」という観点からの本作に対する批判は無くなってきている。一方で、みさえの暴言・暴力が、面前DVや児童虐待やモラハラなのではないかという批判も出てきている。
絶筆
2009年9月11日、原作者である臼井儀人氏が群馬の山中で崖から滑落し、帰らぬ人となった。51歳没。
国民的人気を誇った作品だけに、その原作者の死は日本中に大きな衝撃を与えた。
原作漫画は原稿がストックされている12月号までをもって終了。 テレビアニメ版の終了も危ぶまれたが、テレビ朝日と遺族との協議との結果、オリジナル脚本で続行することが決定し、現在も放送中である。
漫画は2010年から、アシスタントにより「新クレヨンしんちゃん」として、連載がスタートした。
劇場版
また、「温泉わくわく大決戦」の同時上映作品として、「クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉」がある。
2023年の映画「超能力大決戦」は31作目ではなく番外作に当たる。
※映画「クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」は本来2020年4月24日公開予定だったが、COVID-19(新型コロナウイルス)の流行により、9月11日に延期された。
※映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」は本来2021年4月23日公開予定だったが、COVID-19(新型コロナウイルス)の流行により、延期となり公開日は2021年7月30日となった。
歴代監督
25年以上も続く長寿アニメとなると、テレビシリーズや劇場版では何回か監督が交代されている。クレヨンしんちゃんは監督ごとの世界観があり作風もそれぞれ違う事が多い。
初代 | 本郷みつる | 第1話 ~ SPECIAL13 | 1992年4月13日 ~ 1996年9月27日 |
二代目 | 原恵一 | 第203話 ~ 第504話 | 1996年10月11日 ~ 2004年6月19日 |
三代目 | ムトウユージ | 第505話 ~ 現在 | 2004年7月10日 ~ 現在 |
1 | 本郷みつる |
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2 | 原恵一 |
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3 | 水島努 |
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4 | ムトウユージ |
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5 | しぎのあきら |
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6 | 増井壮一 |
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7 | 橋本昌和 |
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8 | 高橋渉 |
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9 | 京極尚彦 |
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10 | 大根仁 |
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11 | 佐々木忍 |
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挿入歌
本作は非常に多くの挿入歌が作られており、何曲かは監督や演出家が作詞を担当したりしている。 以下、曲名で列挙。 なお、ここで紹介するのはオリジナルの曲のみとする。
- テレビシリーズ
- ブリブリ王国の秘宝
- ヘンダーランドの大冒険
- 暗黒タマタマ大追跡
- クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉
- 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード
- 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!
- ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者
- 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁
- バカうまっ!B級グルメサバイバル!!
スタッフ
- 原作/臼井儀人
- 監督/ムトウユージ
- キャラクターデザイン/小川博司
- 音楽/荒川敏行
- 音響監督/大熊昭
- 美術設定/川井憲
- 美術監督/星野直美
- 撮影監督/梅田俊之
- 色彩設定/今泉ひろみ
- 編集/村井秀明、三宅圭貴
- チーフプロデューサー/赤津一彦、高木智悌、和田泰
- 脚本/うえのきみこ、翁妙子、中弘子、阪口和久、川辺美奈子、ムトウユージ
- 絵コンテ・演出(レギュラー)/ムトウユージ、平井峰太郎、横山広行、ささきひろゆき、高橋渉、貞光紳也
- 作画監督/原勝徳、末吉裕一郎、林静香、高倉佳彦、針金屋英郎、間々田益男、大森孝敏、門脇孝一、他
- 動画/京都アニメーション、Production I.G、ブラボースタジオ、中村アニメーション、他
- 仕上げ/京都アニメーション、Production I.G、ライトフット、他
- アニメーション制作/シンエイ動画
その他
- テレビアニメ版が放送開始された当初、シンエイ動画やテレビ朝日内部でも特に力入れた作品ではなかった。スタッフにも上層部から「半年持たせてくれ」と言われていた程度であり、記念すべき第1話の番組視聴率も4.0%(関東地区)という低視聴率での船出であった。それが約2ヶ月後には視聴率10%超え、当初予定の放送期間半年(2クール)を突破。放送開始翌年の1993年1月には視聴率20%を突破、同年7月12日にはついに歴代最高視聴率の28.2%(関東地区)を記録する大ヒット作品となった。
このテレビアニメ版の人気を受けて、1993年に劇場版第1作「アクション仮面VSハイグレ魔王」も製作。これも興行収入22.2億円を記録するヒットを飛ばし、双葉社・シンエイ動画・テレビ朝日の各社を代表する巨大コンテンツに成長することとなる。 - スペインでは現地語吹き替えまで行われた上で、“しんちゃん”が放送されている
関連動画
MAD
音楽関連
創作物
単行本未収録作品
その他
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
項目が多いので、クレヨンしんちゃんの関連項目一覧を参照。
外部リンク
脚注
親記事
子記事
- 野原ひろし
- 野原しんのすけ
- 野原みさえ
- 野原ひまわり
- シロ(クレヨンしんちゃん)
- オラのとーちゃんはとーちゃんじゃないゾ
- 立て!カンタムロボ
- うんこ食ってる時にカレーの話すんじゃねえよ
- よくきけよ このゲームは しっぱいすると のこりの しんのすけの かずが ひとり へるんだ
- 野原しんのすけが野原みさえに受けた体罰の一覧
- ばら組
- ミッチーとヨシりん
- ぎふのポーズ
- 待ちなさーい!!
- クレヨンしんちゃん 炭の町のシロ
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