クロスオーバー(Crossover)とは、交差、二つあるものが交わる事、歩道橋などを意味する単語。派生して以下の意味も持つ。
- ジャズやポップス、ロックなどでジャンルを越えて融合するスタイルを指す音楽用語。
- ハイファイオーディオ用スピーカーの、高音用、(中音用、)低音用ユニットの受け持ち周波数の境界。
それぞれのフィルタ特性線がクロスすることから。 - とある作品のキャラクターが同じ設定のまま別の作品へと登場すること。
- 自動車のスタイルの呼称のひとつ。クロスオーバーSUV。
- 島谷ひとみのアルバム「crossover」
- 「CrossOver」 Linux、Intel Mac上でWindowsアプリケーションを利用するためのソフトウェア。Wineを参照せよ。
である。本記事では、3について記載していく。
クロスオーバー作品の概要
クロスオーバー、クロスオーバー作品とは、漫画(特にアメリカンコミック)や小説、アニメなどのジャンルにおいて、ある作品(タイトル)の登場人物が、その作品の設定を保ったまま別の作品に登場することを意味する。また、同一世界、同一時間軸で異なる主人公の物語もクロスオーバーと呼ぶ。
似たような手法として、同一作家が同一キャラクターを異なる作品に様々な役で登場させるスター・システムや、ある作品に登場する主人公以外のキャラクターを異なる作品に主人公として登場させるスピンオフ作品がある。
そういった作品のほとんどはスター・システムの部分で記載されているように、同一の作者および同一の制作会社でクロスオーバーすることが多い(版権的な意味で)。
※この記事では主に解りやすいクロスオーバーや二次創作などのクロスオーバーについて記載しています。
ゲームにおいてのクロスオーバー
スーパーロボット大戦シリーズ(以後スパロボと記述)は数多くあるクロスオーバー系ゲームの代表格であり、マジンガーZやゲッターロボや機動戦士ガンダムなどのロボットアニメが版権の壁を越えてクロスオーバーすることが特徴。
また、原作では再現不可能である他作品の機体同士の合体技なども用意されており(ただし制作会社や原作者などが同じである場合のみ)、戦闘パートの合間に入る会話パートや戦闘中の台詞での声優ネタや主人公同士や似た者同士による掛け合いも見ものである。
ただし、クロスオーバーするにあたり各世界観を統合したり、場合によっては原作で死亡してしまったキャラが生存した状態で出たりするなど、原作のストーリーを変えてしまうというある意味危険な橋を渡るもの(注)もある。もちろんそこがスパロボの良さでもあるが、その作品の持つ雰囲気を殺してしまったり、特に古いアニメにありがちなのが当時のキャラクターの口調や性格などを再現できていないなどの批判が起こることもある。
(注)作品の大胆な改変は、成功したものであれば"原作クラッシャー"としてファン(と中の人)に評価される場合もあるが、その一方で失敗してしまうと"原作レイプ"と言われ、ファンの批判や冷笑の的になってしまう。その違いを決めるのは、脚本家の原作に対する理解と脚本家自身の能力であろう。たぶん。
同様のゲームでは同じくバンプレスト発売のAnother Century's Episode(A.C.E.)シリーズが挙げられる。また、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ(スマブラ)もあらゆる作品の垣根を超えたクロスオーバー格闘ゲームでもある。
他に挙げられる主なクロスオーバー作品としては以下のものがある。
- サンライズインタラクティブ『サンライズ英雄譚シリーズ』
- セガ『ファイターズメガミックス』
- スクウェア・エニックスとウォルト・ディズニー・カンパニー『キングダムハーツシリーズ』
- ナムコとカプコン『NAMCO x CAPCOM』
- バンダイナムコゲームスとセガとカプコン『PROJECT X ZONE』
- カプコンと、SNKもしくはマーヴル『VS.シリーズ』
- SDガンダムとSDウルトラマンとSD仮面ライダー『コンパチヒーローシリーズ』
- ナムコ『テイルズオブシリーズ』
- スクウェア・エニックス『スターオーシャンシリーズ』『ヴァルキリープロファイルシリーズ』『ディシディア ファイナルファンタジー』
- コナミ『パロディウスシリーズ』
- コーエー『無双OROCHI』
- ニトロプラスとTYPE-MOON『ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-』
- バンプレスト『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』
- バンプレスト『ヒーローズ ファンタジア』
- バンプレスト『超ヒロイン戦記』
- 任天堂とナムコ『マリオカート アーケードグランプリ』
- カプコン『ロックマンエグゼ』とコナミ『ボクらの太陽』
- レベルファイブとカプコン『レイトン教授VS逆転裁判』
- 任天堂『ジャンプアルティメットスターズ』
- バンダイナムコエンターテインメント『ファミコンジャンプ』『ジェイスターズビクトリーバーサス』『JUMP FORCE』
ファンによる2次創作のクロスオーバーについて
ファンによる2次創作でも、クロスオーバーは盛んに行われている。ニコニコでは後述する「幻想入りシリーズ」「架空戦記シリーズ」「mugen」などが有名。
たまに「VS」とタイトルに書かれていることがあるが、必ずしも両者が闘うことを意味しない。3つ以上の作品をクロスオーバーさせるものについては「多重クロス」と呼ばれる。
こうした作品を製作・書く場合、特定の作品を優遇すると、優遇されなかった作品のファンから批判される場合もあるので注意が必要である。
幻想入りシリーズのクロスオーバーについて
「~が幻想入りしました」などの東方ストーリー動画『幻想入りシリーズ』では基本的にネタだけではなく動画に出演している人物同士のクロスオーバー、もしくは動画同士によるクロスオーバーが盛んである。
その理由としては以下の3つが挙げられる。
- 舞台設定が幻想郷で統一されているため。
特定多数の人間(中には人間でなくなるものもいるが)が同じ幻想郷に落ちても、東方Projectのキャラはかなりいる(旧作も含めるとおおよそ90人前後)ので、多少の重複でもさほど問題ない。むしろ制作者の側が人選を重複しないように心がけている部分もある。 - 幻想入りシリーズの東方キャラが原作準拠および一部二次設定準拠で固定されているため。
幻想入りシリーズでは東方シリーズをベースに物語が進行するため、東方を知っている人が難なく入りやすいようにするための措置であり、製作者の側にとっても下手に設定をいじらずに済むという利点も存在すると考えられる。
また、仮にクロスオーバーしても違和感がないように意図している部分もあるかもしれない。 - 作者のクロスオーバーに対しての姿勢が寛容であるため。
これがクロスオーバーが盛んになった一番の要因であると思われる。むしろ制作者自ら積極的にクロスオーバーしているものが多い。幻想郷は多種多様な面を持ち合わせており、個々の視点から見た幻想郷の世界を描くという点においては、クロスオーバーは一種の表現として多用されているのだと考えられる。
架空戦記シリーズのクロスオーバーについて
架空戦記シリーズについては、純粋なプレイ動画を除いたその他の作品がクロスオーバー作品である確率が高い。
また、数は少ないものの各作品を代表するキャラが他作品に登場することもある(例:17歳、ガの人(28)など)。
ただし、iM@S架空戦記シリーズのように制作者同士で交流することは幻想入りシリーズなどに比べると少ない方でもある。
中には混沌伊織様の野望のように作品数が多かったり、中華武将祭りのようにあらゆる視点から描かれた同名の三国武将が集結したり、八雲藍奮闘記のように登録武将がカオスだったりすることもある。基本的にはそんなことはないようになっている(制作者の側からすれば、キャラ把握で頭がパンクしかねないという理由からだろうと思われる)。
MUGENストーリーのクロスオーバーについて
MUGENストーリー動画のクロスオーバーについては、基本的にストーリー動画のネタのクロスオーバー(クワガタの話、グッド○○○!など)は多く活用されているが、ストーリー動画同士のクロスオーバーは極めて少ない。
詳しいことに関しては下の項目より
クロスオーバー関連動画
ゲームのクロスオーバー作品
幻想入りシリーズ
関連商品
関連項目
- スーパーロボット大戦シリーズ
- 幻想入りシリーズ
- 架空戦記(ニコニコ歴史戦略ゲー、iM@S架空戦記シリーズ、らきすた架空戦記シリーズ)
- 二次創作 / SS(二次創作)
- MUGEN関連項目の一覧(MUGENストーリー・クロスオーバー)
- イラネ厨
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