おれ達は迫り来る”新時代”に備え!!
「クロス・ギルド」を設立した!!!
クロス・ギルド(CROSS GUILD)とは、漫画「ONE PIECE」における架空の組織である。
※単行本未収録の内容を含むため、ネタバレに注意。
概要
最悪の世代の海賊達と二人の四皇がワノ国で歴史的激闘を繰り広げていた最中、王下七武海の地位を剥奪され海軍艦隊に包囲されていた元ロジャー海賊団クルーのバギーが、その窮地を救ったサー・クロコダイルおよび彼の勧誘を受けたジュラキュール・ミホークという元七武海繋がりの海賊二人と共に立ち上げた、海賊派遣会社バギーズデリバリーを母体とする組織。
広告に紹介された内容によれば、海兵を賞金首として扱う、いわば海賊狩りならぬ「海兵狩り」を主な業務とする組織のようである。これは今までは海軍に取り締まられる側であり特別な事情がない限りは戦いを避けるべき立場にあった海賊達が、海兵を襲う動機ができたことを意味している。
また、カイドウとシャーロット・リンリンがワノ国での決戦で敗れ四皇の座から陥落したことで代表のバギーが新たに四皇の一角に加わっており、トラファルガー・ローも「クロコダイルとミホークを従えているのが事実なら四皇と呼ばれて然るべき」と評価している。
世界会議で革命軍が起こした事件によりサボを祭り上げる動きが起きるなど、現在世界各地で世界政府への反乱の機運が強まっており、この動向とクロス・ギルドの掲げる海兵狩りが相乗効果を引き起こすであろうことは想像に難くなく、ブランニューからは海軍にとって極めて危険な組織と認定されている。
今迄のパワーバランスの常識を根本から覆しかねないこの組織は『ONE PIECE』の最終章を大きく引っ掻き回すジョーカーとなることだろう。
以上、嘘偽りなきクロス・ギルドの概要である。しかしこれだけでは説明が足りないので、より詳細に迫った現実を見ていくとしよう。
バギー「うえええん 待ってくれェ~~!!!命だけは取らないでくれ~~!!!
何でもするからよ!!クツも舐めるし!!」
クロコダイル「『CROSS GUILD』は元々おれと”鷹の目”で設立するつもりだった組織だ……!!!
なぜおまえがボスに!?バギー…」
バギー「いやもうホントにゴメンとしか言えねェ!!ドンマイっていうか……!!」
ミホーク「ゴメンで「四皇」に成り上がる男はお前が最初で最後だろう。
死んで貰わねば示しはつかんな…」
クロス・ギルドが海兵狩りを行う組織なのも、中核に元七武海3人がいるのもまぎれもない事実である………が、そもそもこの組織はクロコダイルが発案し、ミホークを勧誘して立ち上げる予定だったものであり、本来ならバギーの参加はクロコダイルの予定にはなかったことである。そもそもクロコダイルもミホークも人の下に付けるようなタイプではなく、そんな彼等がバギーの配下になった様にしか見えない広告に読者たちからは何か裏があるんじゃないか?と勘繰られていた。
クロス・ギルドの軍資金としてクロコダイルがアテにしていたのがバギーに貸し付けていた借金だったが、既にカライバリは七武海廃止に伴いバギーを拿捕しようと目論む海軍艦隊に包囲されていた。放置すれば逮捕されるか高飛びをするかで借金を踏み倒される事態になってしまうため、クロコダイルはその事態を阻止するべく艦隊を一掃。一方バギーの方はバギーズデリバリーの稼ぎ頭であった新巨兵海賊団の離脱に伴う減収と人員の多さによる食費高騰で返済できるだけの金が足りていない状態だった。
端から逃亡を見破っていたクロコダイルに先手を打たれる形となり「人身売買でも何でもやって金を返せ」と脅されたバギーは、言い訳のできない債務の返済の為に「下僕になる」と宣言してまでクロコダイルの事業に全面協力することを約束。クロコダイルの当初の予定とはだいぶ異なる形ではあるが、バギーズデリバリーを再利用する形でクロス・ギルドの始動が決定した。「会社設立はハデでなきゃいけねェ」というバギーの主張によりデリバリーの多彩な人材を活かして光の如き速さで大量の広告を印刷・発行し大々的なプロモーションを行った。しかし……
ク「ーーでバラまかれたビラがこれか。ずいぶん目立ってんなァ社長」
バ「違うんだホントにそんなつもりはなくて!!」
ク「悪意以外の何だ!?」
バ「おえー!!ぶへェ!!っぺっ!!わ…ワザとじゃねェんだよ!!
うちの社員はよおれの事尊敬しすぎてておれもビビったんだ!!」
バギーズデリバリーの社員達が(ただ働き同然で)行ったクロス・ギルドのプロモーションはクロコダイルやバギーの予想のはるか斜め上を行くものだった。
社員たちは海軍を蹴散らし結果的にバギーの窮地を救う形となったクロコダイルを「バギーを救援する為に駆け付けた舎弟」というあまりにも都合の良すぎる形で解釈。
更にクロス・ギルドの広告はいかにもこいつがボスですと言わんばかりにバギーをど真ん中にでかでかと配置しその両隣にクロコダイルとミホークを据えた構図になっていた為、「元海賊王のクルー」「元七武海」というそれまでの経歴も相まって事情を知らぬ世間の者達は「バギーがクロコダイルとミホークを部下として従えている」と誤解してしまう事態となった。尤も、モンキー・D・ルフィやロロノア・ゾロといった彼等の人となりを知る者達は「バギーアホだぞ?何が起きた」「ミホークに限ってはありえない」とその主従関係に懐疑的な反応を示していたが。
この誤解は海軍にも広まり、「海軍及び政府と真っ向から敵対する組織の中核という立場」「元ロジャー海賊団船員をはじめとする経歴の数々」「金獅子のシキ以来となるインペルダウン脱獄を大量の囚人を伴って行うという海賊史上希にみる大罪」「元七武海二人を従える統率力」といいった要素を鑑みて海軍はバギーを世界政府にとっての要注意危険人物・ひいては二つの空席ができた四皇の新たな一角と認定してしまったのである。拡大解釈もここまでくるとある意味凄ェ。
クロコダイルとミホークからすれば戦闘力においては自分達からすれば格下もいいところな「ピエロ」ごときの手下と世間から見做されることは屈辱も甚だしく、バギーは怒り心頭の二人にボコられて命乞いというとても四皇とは思えない情けない絵面を晒す羽目になる。だが勘違いの産物が含まれてはいえどバギーが「現四皇であるシャンクスの兄弟分として(見習いとはいえ)海賊王ロジャーのクルーだった過去」「(拡大解釈交じりとは言え)インペルダウン脱獄囚たちの尊敬を集める人望」「考えようによってはバギーズデリバリーを通じて世界政府にとって最も有益だったかもしれない王下七武海という経歴」そして今現在四皇に認定された事、何れも一応嘘ではないしバギーが今や海賊界隈きってのインフルエンサーとなった事は紛れもない事実ではある。
その事を鑑みたミホークの提案により、当面はネームバリューを鑑みてバギーを表向きの代表として御輿に掲げつつ、不要と判断すればいつでも尻尾切りできるスケープゴートとして利用するという方針が固まった。こういった紆余曲折を経てクロス・ギルドは立ち上がったのである。
クロコダイルへの借金返済が即座にはままならないバギーズデリバリーの財政を考えれば欠かせないのがスポンサーの存在であるが、ブランニュー曰くすでにクロス・ギルドの掲げる海兵狩りには多くの闇の組織が出資しているらしい。これもハデなプロモーションの賜物という事なのだろうか?
主な構成員
- 千両道化のバギー
「何をコエー事!!インペルダウン一緒に脱獄した中だろ!!クロちゃん♡」 - 四皇・元王下七武海・元ロジャー海賊団船員見習い。懸賞金31億8900万ベリー。
(表向きの)代表。色々な偶然が積み重なった結果、肥大化した求心力と共に四皇に上り詰めた男。同時に懸賞金が七武海加入前の212.6倍に跳ね上がった。
その実態は債務者としてタダ働き同然にクロス・ギルドに付き合わされている立場にあり、求心力をいいように利用されている文字通りの道化である。しかし、バラバラの実の覚醒が起きた場合この力関係にも大きな変化が訪れる可能性もある為色々な意味で目の離せない男である。 - サー・クロコダイル
「ーーで『四皇』か。偉くなったなピエロ…」 - 元王下七武海・元バロックワークス社長。懸賞金19億6500万ベリー。
クロス・ギルドの発案者にして実質的な経営者兼設立者。金を貸していた取立人という立場の為借金返済に迫られているバギーは頭が上がらない。
スナスナの実の能力を駆使した高い戦闘力とアラバスタを追い詰めた知力・統率力を危険視され、七武海加入時の24倍を超える高額の賞金首となった。 - ジュラキュール・ミホーク
「だが考えようによってはこいつを祭り上げておくのも悪くない。少なくともおれは『四皇』になどならず平穏な暮らしを望む…!!」 - 元王下七武海。懸賞金35億9000万ベリー。
拠点のクライガナ島を海軍に包囲されていた所クロコダイルの誘いに乗ってクロス・ギルドに参加。クロコダイルにパートナーとして目を付けられたのは、七武海加入前"海兵狩り"に手を染めていた事と、クロコダイル曰く「他人を信用しない者同士」だからだという。
ちなみに懸賞金は表向きのトップにして四皇であるバギーをも上回っており、世界一の剣豪と名高い彼の戦闘力が如何に高く評価され、脅威とみなされているかがわかる。 - アルビダ、モージ、カバジ、ギャルディーノ
ギ「いやいやボス~~~~~♡久しぶりにあなたに仕えられる事嬉しく思いますガネ~~♡」モ「座長死んだな。どうするこれから」カ「クロコダイルにつく!!」ア「せちがらい世の中になったね」 - バギーズデリバリーの幹部達。
借金のカタとしてクロス・ギルドにバギーズデリバリーが取り込まれる形となった為、当然彼らも参加。しかしクロコダイル達のリンチに遭うバギーを見て「クロコダイルの側につく」と言い出す手のひら返しっぷり。特にギャルディーノに至っては元部下のよしみとして大喜びでクロコダイルに媚び諂っている。 - ダズ・ボーネス
- 元バロックワークスオフィサーエージェント。
インペルダウン脱獄後、クロコダイルと行動を共にしていた為必然的にクロス・ギルドに参加。
奇しくも主要メンバーは比較的序盤から登場しているバギー・アルビダ連合およびバロックワークスの出身者で占められている。組織設立を受けて海軍によって中核となる元七武海3人に新たな懸賞金が指定されたが、その金額は総じて非常に高い。3人だけで麦わらの一味10人に迫るトータルバウンティとなっており、如何に海軍がクロス・ギルドを危険視しているかがわかる。
業務内容
現在判明しているのは、海兵に懸賞金をかけているという事である。
今迄海賊にとって海軍は「捕らわれた仲間の救出」「民間相手ではまずお目にかかれないきわめて希少な物品の奪取」「自身の目的の為に海軍や世界政府に直接喧嘩を売る」といった特別な理由がない限り自分から攻撃を行うことはまずなく、下手に襲えば懸賞金上昇によってマークがきつくなったり、実力を見誤って逆に拿捕されてしまうリスクの方が圧倒的に大きかった。しかしクロス・ギルドの掲げる「海兵の賞金首化」により食い扶持を得る手立てができるとなれば話は別であり、今後腕に自信のある海賊達は海兵を自発的に襲撃する大義名分を得たも同然と言える。
また、海兵側からすれば賞金首になる事で海賊だけではなく、今迄海賊や犯罪者を標的にしていた賞金稼ぎや本来は守るべき対象である民衆からも襲われる危険性を孕むことになり、今まで以上に強い警戒態勢を強いられるのは確実である。
また、アラマキがワノ国襲撃未遂を起こした実例がある様に世界政府非加盟国からすれば海軍はあてにならないどころか有害因子にすらなりうる存在であり、加盟国の中にも天上金のせいで財政が圧迫され困窮している国がある。そういった国家・自治体がクロス・ギルドに出資している闇組織の様に協力・支援を行う可能性も十分考え得る事案であろう。
関連項目
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