クロノ・トリガーとは、1995年にスクウェアから発売されたスーパーファミコンのRPGである。後にプレイステーション、ニンテンドーDSにも移植された。
概要
エグゼクティブプロデューサーに坂口博信、ストーリー原案に堀井雄二、キャラクターデザインに鳥山明と、巨匠が名を連ねたドリームプロジェクトとして開発された。
今でこそ合併しているスクウェアとエニックスだが、当時はドラクエとFFという二大RPGをそれぞれ作った対立するライバル会社であり、FFの坂口博信、ドラクエの鳥山明と堀井雄二が手を結んだというのは大きな衝撃だった。
ストーリー、グラフィック、音楽、ゲームシステムなど、ほぼ全てにおいて一級品であり、スクウェア黄金時代を象徴するゲームといえる。強くてニューゲームを最初に導入した作品でもある(ただし「強さ等を引継いで二周目が開始できる」という作品はそれ以前にもあった。「強くてニューゲーム」と明示的に呼称し定着させたのが本作、という意味である)。
メインシナリオは後にクロノ・クロスやバテンカイトスなどを手掛ける加藤正人。また、光田康典の作曲家デビュー作品でもある。ちなみに本作のグラフィックディレクターは後にゼノギアスから始まるゼノシリーズを生み出した高橋哲哉である。
アメリカにおいても大人気であり、アメリカで堀井雄二氏の代表作と言えばドラクエではなくこの作品が挙げられる。
世界は、リメイクの数だけ存在する?
リメイク版は2回発売されており、どちらも原則として追加要素つきのベタ移植である。
プレイステーション(PS)1版は1999年11月2日(続編であるクロノ・クロスの2週間前)に発売され、鳥山絵を再現したムービーが追加されており、イベントの要所要所でイベントを再現したものと、エンディング後にクロノ・クロスに続く後日談が収録されている。
さらに後に、 ニンテンドーDSで2008年11月20日に発売され、PS版の要素に加え新たなダンジョンや次元の闘技場等の新要素、そして隠しボスが追加されている。
しかし、この後日談の一部はクロノ・クロスに繋がっているという性質上非常に後味の悪い(かつ、展開的に若干無理がある)ものになっており、PS版では出てしまうと不可避であったため当時から今に至るまで論争のタネになっている。
これについて、DS版では隠しダンジョンでその理由をいくらか補足し、その論争自体を隠しボスのネタに、後日談のムービーの「問題のシーン」を通常のエンディングから取り消し、隠しボスを倒した際のエンディングとして再利用している。
その結果、ほぼベタ移植である筈のPS版とDS版がそれぞれパラレルワールドになるという珍事態となった。
ストーリー
A.D.1000年、ガルディア王国においては建国千年を祝う千年祭が祝われていた。王国に住む赤毛の少年クロノは、千年祭の会場で金髪の少女に出会う。
マールと名乗った少女と共に、幼馴染のルッカが発明した転送装置「テレポッド」の公開実験に向かったクロノ。テレポッドの実験台として名乗りを上げたマールだったが、転送中に異常事態が発生。身に着けていたペンダントだけを残して姿を消してしまう。
そのペンダントとテレポッドを使い、彼女の後を追ったクロノ。彼がたどり着いたのは現代から400年前……A.D.600年、魔王率いるモンスターと人間が激しく争う世界だった。
―過去、現代、未来。さまざまな時代を行き来する、世界を救う旅が始まった―
登場人物
- クロノ
- 本作の主人公。ツンツン頭の少年。あるエンディングを除いてセリフを一切発しない。基本的にパーティから外すことはできないが、後半では外す事もできる。メンバーから外せるようになってからは、セリフがないという都合上、影が薄くなってしまう少し不遇な主人公。
- 戦闘では、日本刀やモップで攻撃するほか、天属性の魔法を使用する。
- マール
- 本作のヒロイン。本名はマールディア(名前を変更した場合、○○○ディアとなる)で、現代(A.D.1000年)のガルディア王国の王女。中世(A.D.600)のガルディア王に、当時の王妃であるリーネとは似ても似つかないと言われるほどおてんばな性格をしている。外見はリーネそっくりなのだが。
- 戦闘では弓を使い、敵が近くにいる場合は武器で直接殴る。また、水属性の氷魔法を使用するほか、ケアルやヘイスト、アレイズなどの回復・補助・蘇生魔法も覚える。
- ルッカ
- クロノの幼馴染みで、大の発明好き。ヘルメットをかぶった紫の髪の眼鏡っ娘。マールが彼女の発明品であるテレポッドの実験台になった時、マールの持っていたペンダントがテレポッドと反応したことでマールは中世へ飛ばされてしまった。時空を旅するという物語のきっかけを作った人物である。
- 戦闘では銃を使用し、マールと同様敵が近くにいる場合は武器で直接殴る。また、火属性の魔法を使用する。「火炎放射」や「ナパームボム」などの科学技術による攻撃も駆使するため、魔法が使えるようになる前から属性攻撃が使える。
主人公の幼馴染みというメインヒロインになりやすそうな立場だが、マールがメインヒロインとして目立っているため、「頼りになる仲間」といった趣が強い。だが、クロノを復活させるイベントのパーティにマールを入れずにルッカを入れておくと、彼女もクロノを大事に想っている事が伺える台詞を漏らす。
続編クロノ・クロスでは「ルッカ・アシュティア」というフルネームが登場する。 - カエル
- 中世ガルディア王国の騎士。魔王の呪いによってカエルの姿に変えられてしまった。エンディングの中には、彼が人間の姿に戻る物もある(ルッカ曰くハンサム)。
- 戦闘では剣で攻撃するほか、水属性の魔法で攻撃する。攻守ともに強力である上に回復魔法も覚える。
- ロボ
- 未来世界で生み出されたロボット。
- 本来は不法侵入者を排除するためのロボットであるが、クロノ達が発見したころには故障していた。
- ルッカの修理によって心を持つ状態で復活した。
- 戦闘ではアームで攻撃する。魔法は使用できないが、搭載された機能によって水以外の属性攻撃と回復ができる。
- エイラ
- 原始(B.C.65000000)の時代の集落であるイオカ村の女酋長。クロノの事を「クロ(名前を変えた場合は最初の二文字)」と呼ぶ。原始時代で人間と敵対している恐竜人相手に戦う日々を送る。強い者が好きで、彼女もまた肉体精神共に非常にタフである。
- 戦闘では武器を使用せず、魔法も使用できないが、攻撃力に関しては最強であり、キッスでST異常とHPを回復をしたり、いろじかけで敵の持つアイテムを奪うこともできる。
楽曲「クロノ・トリガー」
本作のタイトル画面でしばらく操作せずに放置しているとオープニングデモが流れる。そのオープニングデモで使用されている楽曲が、本作の表題曲である「クロノ・トリガー」である。時の最果てでクロノに話しかけてパーティ編成画面を開くとこの曲が流れることから、事実上のクロノのテーマ曲としても認知されている。
RPGのオープニングを飾るにふさわしい、勇壮なオーケストラ風の一曲。作曲は本作のメインコンポーザーの光田康典が手掛ける。公式アレンジアルバム“THE BRINK OF TIME”にはジャズアレンジバージョンが収録されている。
本作および次作「クロノ・クロス」には、この曲のフレーズをアレンジした楽曲が複数存在する。以下はその例である。
- みどりの思い出(現代(A.D.1000)のフィールド曲。笛とストリングスのメロディが本曲のアレンジ)
- 決意(シルバードでラヴォスに突っ込むときのBGM。イントロが異なる以外ほぼ本曲そのまま)
- 世界変革の時(ラヴォス第2形態の戦闘曲。後半のストリングスのメロディが本曲のアレンジ)
- 遥かなる時の彼方へ(エンディング曲。ラストの笛のメロディが本曲のアレンジ)
- 時のみる夢(「クロノ・クロス」のオープニングデモ曲。本曲の後半部分のメロディが引用されている)
- 時の草原 ホーム・ワールド(「クロノ・クロス」のホームワールドのフィールド曲。シタールっぽい弦楽器のメロディが本曲のアレンジ。原曲とは前半・後半が入れ替わっている)
関連動画
当時の映像&裏話
関連静画
お絵カキコ
ピコカキコ
クロノ・トリガー | |
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クロノ・トリガー | |
ロボのテーマ | |
ファンファーレ1 | |
世界変革の時 | |
時の回廊 | |
バトルテーマ(通常戦闘) | |
風の憧憬 | |
風の憧憬(音色修正) | |
時を渡る翼 |
クロノ・トリガー他光田が担当した作品楽曲の著作権はスクウェア・エニックスに帰属する。そのため光田の公式サイトにて、楽曲使用に関する問い合わせはスクウェア・エニックスにお願いする旨の記載がある。→参考
関連項目
- ゲームのタイトル一覧
- クロノ・トリガーのストーリー(激ネタバレにつき注意)
- クロノ・トリガー ザ・ブリンク・オブ・タイム
- スクウェア
- ルッカ
- カエル(クロノ・トリガー)
- ロボ(クロノ・トリガー)
- ダルトンゴーレム
- ラヴォス
- テルヨトリガー
- 密着店長
- 反作業ボム
- おっと オイルでアイセンサーがかすんで……
- いったいどのあたりが『はんせい会』なんだよ!?
- 3…… 2…… 1…… リセット!!。
- あら? スカートのすそがはさまっちゃったわ
主要スタッフ
- 坂口博信(スーパーバイザー / エグゼクティブプロデューサー)
- 堀井雄二(スーパーバイザー / ストーリー原案・監修)
- 鳥山明(キャラクターデザイン)
- 光田康典(メインコンポーザー)
- 植松伸夫(サブコンポーザー)
- 松枝賀子(サブコンポーザー / BGMを1曲(ボス・バトル1)担当)
- 青木和彦(プロデューサー)
- 北瀬佳範(ディレクター)
- 時田貴司(ディレクター)
- 松井聡彦(ディレクター)
- 加藤正人(ストーリープラン)
- 小久保啓三(メインプログラム)
- 樋口勝久(メインプログラム)
関連タイトル
個別記事のある曲
- やすらぎの日々
- みどりの思い出
- ガルディア王国千年祭
- 風の憧憬
- 樹海の神秘
- ロボのテーマ
- 時の最果て
- 魔王決戦
- 歌う山
- 時の回廊
- ジール宮殿
- サラのテーマ
- 封印の扉
- 海底神殿
- クロノとマール ~遠い約束~
- シルバード ~時を渡る翼~
- 黒の夢
- 世界変革の時
- エピローグ ~親しき仲間へ~
- 遥かなる時の彼方へ
関連リンク
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