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クロロキン
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クロロキン(Chloroquine)とは、マラリア全身性エリテマトーデスの治療である。かつて、副作用のクロロキン網膜症が社会問題となった。

概要

有機化合物
クロロキン
クロロキン
基本情報
英名 Chloroquine
化学 C18H26ClN3
分子量 319.87
化合物テンプレート

クロロキンは、が媒介する感染症マラリアの治療である。1934年ドイツの製企業バイエルによって開発された。マラリアには有効であったものの、その強い性のため開発は中止された。1943年アメリカでも開発され、マラリアの治療として製造販売された。

マラリアは、熱帯~亜熱帯を中心として世界各地で猛威をふるい、歴史を変えたとも言われる感染症である。(ハマダラカ)によって媒介されたマラリアが、ヒトの体内で増殖血球を破壊する疾患である。しい高熱、頭痛、関節痛、嘔吐、下痢、呼吸器症状などが引き起こされ、死に至ることもある。クロロキンは、このマラリアの治療として開発された。クロロキンに耐性のないマラリアの第一選択である。マラリア以外にも、全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの疾患に有効性が認められ、海外ではその治療にも用いられている。

1950~60年代、日本ではエリテマトーデスや関節リウマチだけでなく、腎疾患やてんかんなどに適応を拡大して製造販売された。それにより投与が長期化するようになり、クロロキン網膜症を引き起こす事例が相次ぎ、ついに患者の一人が厚生大臣に直訴したことで社会問題化した。クロロキン網膜症はクロロキンの重篤な副作用で、視野が狭くなり、いずれは失明に至る視覚障害である。1976年日本薬局方からクロロキンは削除され、現在医薬品としては製造販売されていない。ただし、この事件は適応拡大・長期投与により引き起こされた日本独自のもので、諸外ではそこまでの問題にはなっていない。ちなみに、クロロキン誘導体のヒドロキシクロロキンは、日本でもエリテマトーデスの治療として製造販売されている。

2020年3月アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)は、SARS-CoV-2感染症患者へのクロロキンおよびヒドロキシクロロキンの緊急使用を認めた。また、アメリカ合衆国ドナルド・トランプ大統領がヒドロキシクロロキンを予防的に用していることが報じられた。しかし、同年4月ブラジルでの治験において被験者81名中11名の死亡例が報告されるなど、諸外での治験の結果は芳しくなく、心疾患などの有の懸念もあったため、同年6月FDAはクロロキンとヒドロキシクロロキンの緊急使用許可を取り消した。

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