クローラーとは、
- 這う動物を表す英単語。Crawler。
- 金属・ゴム製の帯を車輪で動作して走行する雪上・不整地走破用走行装置の一種。本項で記述する。
- ウェブのリンクをたどって文書・画像等を収集、データベース化する検索ロボットプログラム。
- ゲーム「ドラゴンバスター」に登場する芋虫のようなキャラクター。
概要
端的に言えばブルドーザーや戦車などの足回り、タイヤでなく金属のベルト等が回って進むもの。
日本では「キャタピラ」と呼ぶ人、思い浮かべる人の方が多いかもしれない。
キャタピラーは一般化した商標。道交法等の法律条文ではカタピラと表記。
(→普通名称化している商標や固有名詞の一覧)
戦車を筆頭に戦場の道無き道を駆け巡るAFV等の軍用車輌と土木作業機械、雪上走行が必要な雪上車、スノーモービル (Snow mobile)[1]等の走行装置の定番。
日本語で単純に車両のキャタピラな部分を指す場合は「履帯」と呼ばれる事も多い。
(履帯に泥が詰まった、履帯の付け外し…など)
普通のタイヤとの違い
どんな悪路でも走れる
「不整地走破能力」とも呼ばれる。
泥やぬかるみ、砂浜、雪、火山灰といった軟弱な地盤でもあまり沈み込まず行動・活動が可能。
これは地面に接する面積が大きく、重量を効率的に分散させることができるため。
タイヤははがき一枚程度しか接地面積がないため、チェーンを巻く、空気を少し抜いて接地面積を増やす…手もあるが限度がある。一度ぬかるみにはまれば空転してしまい、脱出が困難・大きな手間がかかる。
戦車など高出力のエンジンを積んでいるものは結構な最高速度が出る。(80km/h以上)
坂道やある程度の段差にも強い。(タイヤは半径までしか乗り越えられない)
重量物に強い、重量制限が緩い
接地面積が広く重量を分散できることから
巨大なクレーンや火砲も難なく運搬・使用しやすい。(反動も受け止められる)
足回り自体に重量があり、アウトリガー無しで大抵の作業ができるものもある。
戦車など、重装備・重装甲によって元々の重量が過剰なものも対応しやすい。
前述の利点も相まって、悪路+重量物という組み合わせでも力強く活動できる。
小回りが利く
左右の履帯の回転数に差をつけることで左右へ操舵する。
左右の履帯を真逆の方向に動かすことでその場で転回できる。(超信地旋回)
…ただし中には機構上やサイズ上、超信地旋回できないものもある。
騒音が大きく、長距離を走行するには燃費が非常に悪い。
長距離・長時間活動をしていると履帯が外れてしまう事がある。
軍用・民間問わず、長距離移動には大型のトレーラーなど運搬車両が必要。
→積み下ろしなど、迅速な展開が難しく、トレーラーの有資格者も必要。
構造が複雑なため、履帯だけでもメンテナンスに手間がかかる。
舗装路面へのダメージ
通常の道路を金属製の履帯で走れば、大型車以上の負荷がかかり割れてしまうことも。
有事以外の公道走行時は負担軽減のため、専用のゴムキャタピラを装着できるものや
路面自体が元から強化されているものもある。
上記の問題に加え、先進国では舗装率が高いことから
近年は軍用・民間の建設機械を問わず、足回りをタイヤ式(装輪式)としたものもある。
不整地走破性は劣るが、現地まで自走でき道路上の作業などにも有利。
高速化しやすく燃費は良くなり、静粛性も上がるため扱いやすいメリットはある。
(ただし過重な搭載品や重装甲は困難になる)
その他・トリビア
- クローラーの「装軌」に対して、タイヤ式は「装輪」。 装軌式・装輪式など。
- 「無限軌道」は、常に履帯を鉄道のレール(軌道)のように敷き続けながら進む様子から。
- 北海道では駐屯地~演習場間の公道を戦車が履帯で自走している。
・【公道を走る90式戦車】普通の町中の車載動画【自衛隊】 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp) - 悪路に強いとはいえ、限度を越えたぬかるみに対しては身動きが取れなくなる事例もある。
- 戦場では走行時の騒音や土煙のせいで、環境によっては1km以上先から敵にバレることも。
- タイヤのように並んだ車輪の名前は「転輪」。起動輪・遊動輪によって安定して履帯を動かす。
- タイヤ式の普通車に取り付け、クローラー化するパーツも発売されている。
- 積雪地などに強い反面、耐軸荷重などがあるため、すべての車種に装着できる訳ではない。
- ジムニーやハイエースを戦車化? 公道も走れる究極の4WDシステム「クローラー」とは | くるまのニュース (kuruma-news.jp)
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関連項目
脚注
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