グエン・サード・ラインフォードとは、∀ガンダムに登場する架空の人物である。CV:青羽剛
概要
イングレッサ領主メッサーの孫。通称はグエン卿、グエン様、御曹司。
来るべきガリア大陸との戦争(と世間に広まっていたが実際はディアナ・カウンターとの戦い)に向けた軍事産業を利用して産業革命を起こそうと考えていた野心家で、黒歴史や月の技術の応用にも熱心であった。若くしてイングレッサ・ミリシャの指導者となり、キエル・ハイムを秘書にディアナ・カウンターとの交渉も行っていた。ノックスが崩壊した際は街を放棄してルジャーナ領へ避難、婚約者リリ・ボルジャーノの助けもあり再びミリシャの指導者となる。
政治的駆け引きにおいては人や兵器、事件など利用できるものは何でも交渉のカードとして利用しようとする非情ともとれる面があり、ミハエル・ゲルン大佐も自分たちが単なるカードとしか見られていないと知ったときには驚愕し反発していた。また、「地球では女子供もモビルスーツを操れるのだ」ということを示して交渉で優位に立とうという目的で、ロランを女装させローラ・ローラというホワイトドールの女性パイロットしてディアナ・カウンターに紹介した。
戦艦ウィルゲム発掘後はミリシャ一同と共に月へ渡航、そこで冬の神殿にて黒歴史の映像を目の当たりにするが、その封印された過去の技術に野心が大きく燃え上がり、黒歴史の技術を用いて地球に文明開化をもたらそうと企んでしまう。そして一部の隊員達と共にミリシャを裏切ってウィルゲムごと月を出発、ギンガナム艦隊を引き連れて地球へと侵攻してしまうのであった。
しかし地球では、ミリシャ&ディアナ・カウンターとギンガナム艦隊の交戦中に傍観者的な立場でモビルスーツ開発工場へ向かおうとしたことがギンガナムの怒りを買い、ターンXの攻撃でウィルゲムを撃墜されてしまう。ミリシャの隊員達からも婚約者のリリからも見限られ、何もかも失ったグエン卿。そこへ偶然撃墜されたバンデットが墜落し、コクピットからメリーベルが放り出される。これを目撃したグエン卿は彼女を救出、最終的には共に放浪の旅に出たのであった。
ちなみにメリーベルにオヤジ呼ばわりされる場面があるが、かなり落ち着いた雰囲気があるとはいえ、このお方はまだ19歳である。......グエン卿涙目である。
ロランとの関係について
ロランが地球に降下した翌日、野生のコヨーテに襲われていたのだが、その現場を飛行船で遊覧飛行していたグエンが偶然目撃し、空中からライフルで撃退してくれた。その後ロランがハイム家の使用人として雇われることが決まった際、ハイム家の屋敷へ来ていたグエンと2年ぶりの再会を果たす。この時大学へロランを通学させるようにしてくれたり自動車の操作法を教えてくれた他、戦争が始まった後もいろいろと重用し、ミリシャを裏切る際もロランは一緒に連れて行こうとしていたほどだった。
...が、グエンはなぜかロランのことをローラと呼んでいたり(御曹司曰く「彼はローラのほうが似合うんじゃないか」とのこと)、政治的駆け引きのためと言うがロランを女装させたり、最後のほうでは「ローラは何で私の傍にいようとしれくれないのだ?私は、私は、ローラ...」(48話)、「今の私に出来ることは、愛するローラの勝利を願うことです」(50話)と話してしまう等、怪しい描写が見られることがあった。
こういったことが災いし、ネットではグエン卿はホモだという扱いを受けることとなってしまった。ただ、アニメ版ではこの特殊な嗜好について詳しく語られてはおらず、最後はメリーベルと一緒になっているので、詳細については不明である(福井晴敏氏の小説版では少年愛傾向の理由について詳しく述べられている)しかしロランを女装させたことに喜んだ視聴者もいるとかいないとか。
メディアミックス作品において
漫画版
複数ある漫画版のうち、マガジンZ版(曽我篤士版)では終盤の展開がアニメ版と大きく異なっているが、特にグエン卿は終盤のもう一人の主人公と言ってもいいほどに目立つ立場となっている。例えば裏切りの第一歩として、核爆弾を使用してアグリッパ・メンテナーを爆殺するなど、行動にかなり大胆さが増している。
さらに裏切り直後に核爆発を眺めつつロランに対してその動機を述べるシーンでも、以下の長台詞をページを潤沢に使って印象的に語り切っており、やたらと優遇されている。
ローラ ちょうど君に出会った頃からだよ
アメリアの一領主として生涯を終えるはずだった私の運命に急激な変化が訪れたのはこの僅かな歳月での状況の移り変わりは凄まじいものだと改めて思うよ
君らにしてみればごく初歩的な文明に甘んじていた我々が、宇宙船に乗り月に来てしまうのだから……
恐ろしいものだよ 黒歴史の力というものは
かつての人間はこの何倍もの力を持っていたというのだからね
だからこそその力を封じ、忘れようと努めた 無理もない話だそうして出来上がったのが今のこの世界 力を限定し停滞させることでバランスを保ってきた
そういう意味では月も地球も同じだと言っていい私も悩んだよ 先人達が成し得たこの平穏は確かに尊い物なのかも知れない
だがね やはり、こうも思うんだ進歩を諦めたその瞬間に、種としての人類は生きる価値を失くしてしまうのではないか……とね
私にはこの世界が、生きながらにして死んでいる人々の巨大な墓場に見えてならない
どこまで高く? どこまで速く?
どこまで遠く? (※「大空に飛行機が飛び立っていく」という心象シーンが描かれる)
私はそれを見届けたい
正直、自分でも呆れているよ 自分がこれほど単純で正直な人間だったとはね
またロランを味方につけるための説得に失敗した後のシーンでも、ローラへの執着を捨てられずに無様に嘆いていたアニメ版とは異なり、冷静に「公的にも私的にもローラが私のものになることはなかっただろうね」と説得失敗を予想していたかのような台詞を述べたのち、「さらば、愛しのローラ・ローラ、か……」と遠い目で呟くなど、妙な格好よさを醸し出している。
だが残念ながら、格好いい台詞を語りすぎるのは死亡フラグでもあった。
スーパーロボット大戦
幾つかの作品に登場するが、原作アニメ本編通りに裏切ってしまうケースが多い。佐藤茂版の小説と同じく、ブラックドール(サイコガンダム)に搭乗してパイロットとして戦う展開となる作品もある。
「スーパーロボット大戦Z」では、「黒歴史」を閲覧して「アムロとシャアの私闘が世界を巻き込み地球を滅ぼした歴史」を見たと発言し、アムロとシャアを手厳しく批判した。その歴史は、映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で描かれた「第二次ネオ・ジオン抗争」の顛末に類似している。
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関連項目
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