概要
グレッグ・イーガン(Greg Egan, 1961年8月20日~)はオーストラリア出身のSF作家。
医療関係のプログラマを経て専業作家となる。専門は数学。
覆面作家
イーガンは覆面作家として知られ、性別、人種、容貌、家族構成等は不明である。
そのため、彼(彼女)の正体を巡ってインターネットの一部では様々な憶測が流れており、AI説、美少女説、知能を持った脳腫瘍説、宇宙人説等が囁かれている。残念ながらどれも定説と成るには至ってない。
普通に白人のおっさんじゃないの?という意見も稀に見かけるが、そんなわけはない。
作風
所謂SFの中でも、特にハードSFと呼ばれる科学的な理屈っぽさを全面に押し出した作風。
数学、物理学、宇宙論、人工知能、哲学等、日常生活ではまずお目にかかれないような科学概念が「こんなの小学校でならっただろ?」的に何の説明も無く登場した上で、作者のデッチ上げた突拍子も無いアイデアが精緻な論拠と考察をもって展開されていくので、知性を正面突破された読者は「で、ですよねー・・・・」とその妄想を納得せざるを得ない(場合が多い)。読後は何か酔っ払ったような感覚に襲われる。
反面、科学とか理論、アイデアの比重が非常に高いため、読後まったくキャラやストーリーが印象に残らないという意見も散見される。が、それはどうでもいいことだ。
短編集
2024年現在の邦訳短編集は6冊。いずれも翻訳者の山岸真による日本オリジナル編集。
- 祈りの海 (2000年、ハヤカワ文庫SF)
- しあわせの理由 (2003年、ハヤカワ文庫SF)
- ひとりっ子 (2006年、ハヤカワ文庫SF)
- TAP (2008年、河出書房新社〈奇想コレクション〉→2016年、河出文庫)
- プランク・ダイヴ (2011年、ハヤカワ文庫SF)
- ビット・プレイヤー (2019年、ハヤカワ文庫SF)
初めての方は『祈りの海』、『しあわせの理由』あたりから入るのが無難らしい。『TAP』は初期のホラー作品があったりして全体的にちょっと毛色が違うものの、表題作は相変わらずのイーガン節が炸裂している。
長編
2024年現在、邦訳長編は10作。ほかに未訳長編が4作ある。全て翻訳は山岸真。
- 宇宙消失 (1999年、創元SF文庫) 原題:Quarantine、1992年
- 順列都市 (1999年、ハヤカワ文庫SF[上下巻]) 原題:Permutation City、1994年
- 万物理論 (2004年、創元SF文庫) 原題:Distress、1995年
- ディアスポラ (2005年、ハヤカワ文庫SF) 原題:Diaspora、1997年
- 白熱光 (2013年、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ→2017年、ハヤカワ文庫SF) 原題:Incandescence、2008年
- ゼンデギ (2015年、ハヤカワ文庫SF) 原題:Zendegi、2010年
- <直交>三部作
- シルトの梯子 (2017年、ハヤカワ文庫SF) 原題:Schild’s Ladder、2002年
初心者がいきなり『ディアスポラ』に手を出して、10ページで投げるというのは良く聞く都市伝説である。
量子力学が好きな人は『宇宙消失』、計算機好きな人は『順列都市』がいいかも知れない。『万物理論』はハードSF版『涼宮ハルヒの憂鬱』だと思うと理解しやすいかも。他の長編では『ゼンデギ』がイーガンの長編の中では比較的読みやすいと評判。
S-Fマガジンが2014年に行ったオールタイムベストSF投票では、海外長編部門で『ディアスポラ』が2位、『万物理論』が6位、『順列都市』が37位にランクインしている。
未訳長編
『An Unusual Angle』は小さな出版社から2500部しか刷られず再刊もされていないという最初期の習作。邦訳の可能性は限りなく低い。『Teranesia』は東京創元社から邦訳予定(いつになるのかは不明)。『Dichronauts』『The Book of All Skies』もきっとそのうち訳されるはず。のんびり待とう。
全然わからん
グレッグ・イーガン
現代を代表するハードSF作家
SF好きなら誰もが彼の作品を読んでると思って間違いはないしかし……しかしだ
実は私も結構な部分
よくわからないで読んでいる私だけじゃない
みんな実は
結構 よくわからないまま読んでいる…(中略)
……とにかく 私が何を言いたいのかと言うと
グレッグ・イーガンは多少よくわからなくても
すっっっごくおもしろい!!
関連動画
短編集『祈りの海』に収録の「誘拐」をMMDドラマ化したもの。
同じく、短編集『祈りの海』に収録の「ぼくになることを」をMMDドラマ化したもの。
関連項目
- 小説家の一覧
- SF
- 順列都市
- 交響詩篇エウレカセブン - グレッグ・ベア・イーガンというキャラクターが登場する。「グレッグ・ベア」という別のSF作家の名前と「グレッグ・イーガン」を組み合わせた名前。
- オーストラリア
- プログラマー
- 数学
- 人工知能
- 哲学
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 相沢沙呼
- 青崎有吾
- 青山文平
- 赤川次郎
- アガサ・クリスティ
- 芥川龍之介
- 浅暮三文
- 芦沢央
- 芦辺拓
- 飛鳥部勝則
- 綾辻行人
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- 有栖川有栖
- 泡坂妻夫
- アーサー・C・クラーク
- 池井戸潤
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- 石持浅海
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- 円城塔
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- 大山誠一郎
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- 小川一水
- 荻原規子
- 奥田英朗
- 小栗虫太郎
- 小野不由美
- 折原一
- 恩田陸
- 海堂尊
- 梶尾真治
- 加納朋子
- 紙城境介
- 川原礫
- 神坂一
- 神林長平
- 貴志祐介
- 北方謙三
- 北村薫
- 北森鴻
- 北山猛邦
- 桐野夏生
- 久住四季
- 倉知淳
- 黒川博行
- 黒田研二
- 古泉迦十
- 甲田学人
- 古処誠二
- 小林泰三
- 小松左京
- 紺野天龍
- 今野敏
- 呉勝浩
- 佐々木譲
- 笹本祐一
- 細音啓
- 佐藤究
- 三田誠
- 時雨沢恵一
- 品川ヒロシ
- 篠田節子
- 島田荘司
- 島本理生
- 斜線堂有紀
- 朱川湊人
- 殊能将之
- 白井智之
- 真藤順丈
- 真保裕一
- ジョージ・オーウェル
- 水野良
- 須賀しのぶ
- 瀬名秀明
- 高木彬光
- 高村薫
- 竹本健治
- 田中慎弥
- 田中啓文
- 田中芳樹
- 田辺青蛙
- 月村了衛
- 月夜涙
- 辻堂ゆめ
- 辻村深月
- 土屋隆夫
- 都筑道夫
- 恒川光太郎
- 天藤真
- 遠田潤子
- 鳥飼否宇
- 中村文則
- 中山七里
- 仁木悦子
- 西尾維新
- 西澤保彦
- 西村京太郎
- 西村賢太
- 西村寿行
- 似鳥鶏
- 貫井徳郎
- 沼田まほかる
- 野崎まど
- 法月綸太郎
- 長谷敏司
- 羽田圭介
- 初野晴
- 早坂吝
- 林真理子
- はやみねかおる
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