ケニー・オメガとは、カナダのオタクプロレスラーである。通称「北米の路上王」「ザ・クリーナー」。
概要
~DDT時代
Youtubeにエニウェア・マッチの動画がアップロードされ一部の日本のプロレスファンから話題になり、DDTが日本に招聘、2008年7月に初来日した。
新木場1stRingでのビアガーデンプロレスにて日本の路上王と呼ばれる飯伏幸太に喧嘩を売る形で参戦したが、戦いの中で共感するものを感じ「愛する人」と飯伏を呼ぶほどになる。(その固い絆から、このタッグコンビは『ゴールデン☆ラヴァーズ』と呼ばれる。)
日本ではDDTや新日本プロレス、海外ではROHやJAPW、PWGインディー団体を主戦場とする。「頭文字Ω」のパンツやおっくせんまんの曲(めがてん細江アレンジ)で入場するオタクプロレスラーである。
2010年からは、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアなど新日本プロレスのジュニア戦線でも活躍。2010年9月3日に行われた山本小鉄さん追悼大会のメインでIWGPジュニアヘビー級王座にも挑戦した。後に盟友、飯伏幸太とタッグを組み、プリンス・デヴィッド、田口隆祐組からIWGPジュニアタッグを獲得。
その後のDDT大阪大会で初防衛に成功した。
新日本で飯伏が活躍したこともあり、(DDT以外で)シングルでは新日本ではなく全日本プロレスへ主に参戦するようになる。2011年10月23日には、 KAIから世界ジュニアヘビー級王座を奪取、実に5度の防衛に成功する。
2012年にはKING OF DDTトーナメントに優勝し、日本武道館の大舞台で飯伏幸太の持っていたKO-D無差別級王者に初挑戦した。「お互いにお互いを傷つけたくない。」と言う理由から、初対戦以降4年間もシングルマッチを避けてきた両者の対戦であったが、結果的には約37分もの死闘(この試合は東京スポーツ制定の2012年日本プロレス大賞の年間最高試合賞にノミネートされるも、危険すぎるこの試合を評価していいのかという激論が繰り広げられ、結果的には受賞を逃した。)の末敗れる。が、同年12月23日に後楽園ホールで行われたDDTの年内最終興行で飯伏幸太から王者を奪ったエル・ジェネリコに勝利し、念願であったKO-D無差別級王者に初めて輝いた。
~新日本プロレス
2014年10月3日にレギュラー参戦していたDDTとの契約を終了し、新日本プロレスへの移籍を発表。それから間もなく外国人実力者によるユニット"BULLET CLUB"へ参入すると共に、"The Cleaner"としてジュニアでの活動を開始。ラフファイトも織り交ぜた理詰めのスタイルへ転換し、2015年1月4日の東京ドーム大会にて田口隆介からIWGPジュニア王座を奪取した。一度はKUSHIDAに奪われることもあったが、彼とのリマッチにて再び戴冠。翌年には新日本離脱を表明していたAJスタイルズを追放、同ユニットの新リーダーとなる。
2016年2月14日、中邑真輔退団により空位となったIWGPインターコンチネンタルのベルトを賭けて棚橋弘至との激闘を繰り広げ(ヤングバックスの介入があったものの) 見事、第13代王者となった。
同年4月27日、マイケル・エルガン戦にて初防衛。
その後、5月3日のマイクアピールで棚橋に対し『ラダーマッチならリベンジを受けてやる』という旨を発言。棚橋はそれを受諾し、新日本プロレス史上初のラダーマッチによる王座戦が6月19日大阪城ホール大会にて実現することとなった。…が、棚橋は大会直前に負傷し防衛戦を欠場。急遽棚橋のタッグパートナーであり、唯一の友達と評されるマイケル・エルガンと防衛戦を行った。試合は30分を超す大熱戦の末にエルガンがラダー最上段にいるケニーを場外に叩き落してベルトを獲得。防衛に失敗した。
7月には夏の祭典G1 CLIMAXに初エントリー。ブロックリーグを6勝3敗の1位で優勝決定戦に進出すると、決勝戦では後藤洋央紀を下して見事初出場初優勝、そして史上初の外国人優勝という偉業を果たした。
そして2017年1月4日、東京ドーム大会のメインイベントでオカダ・カズチカのIWGPに挑戦。
45分を超える熱戦の末惜しくも敗れるも、海外プロレスサイトで「6つ星」を獲得するなど高い評価を得る。
同年6月には大阪大会で再びオカダと対戦。60分引き分けで惜しくも獲得はならなかった。
7月には新しく創設されたIWGP US王座トーナメントに参加。石井智宏との決勝を制し王座を獲得した。
同年夏のG1クライマックスでも決勝まで進み、2連覇が期待されたが内藤哲也が前年のリベンジを果たし準優勝に終わった。
2018年は1月4日ドーム大会でWWEの超人気レスラー、クリス・ジェリコとノー反則マッチでUS王座戦を行い勝利するなど順調なスタートを切る。
しかし、その後BULLET CLUBのメンバーであるコーディーとの不和が表面化。
メンバーからの裏切りに合うも、かつてのタッグパートナーである飯伏幸太が救出に現れ。これを機に名タッグ、『ゴールデン☆ラヴァーズ』が復活することとなった。
6月には大阪で飯伏をセコンドに迎え、オカダ・カズチカと60分3本勝負でIWGPヘビー級王座に挑戦。
1本ずつ取り合った3本目、片翼の天使を決めて遂に念願だったIWGPヘビー級のベルトを獲得。
オカダの防衛記録を12でストップさせ、第66代王者となった。
~AEW
2019年1月4日、東京ドーム大会において自身の持つIWGPヘビー級ベルトをかけて棚橋弘至と対戦。
激戦の末敗れ王座を失った。
その後、会見やインタビューなどで退団を示唆するようなコメントを残すと2月にはバレットクラブのメンバーだったコーディー・ローデス、ヤングバックス、激戦を繰り広げたクリス・ジェリコらと共に新団体AEW(All Elite Wrestling)を立ち上げ、自身も副社長に就任。
活動の場を米国に移し、激しい戦いを繰り広げている。
11月にはDDTの両国大会に参戦。DDTのリングに上がるのは実に5年ぶりとなる。
エピソード
- カナダ人ながら既に日本語は完璧といっていいレベルにあり、DDT時代は一応通訳として中澤マイケルが居たりしたが、選手間でもファンとの交流でも普通に日本語でコミュニケーションをとっており、試合後のマイクパフォーマンスも日本語であった。また、読み書きも普通にできる為に、メールも平仮名・片仮名・漢字を使い分けたものを送れるという。また、箸もうまく使いこなせており、寿司屋で不便なく握り寿司を食べれるほどであるという。
- その日本語のマイクは「飯伏よりうまい」と言われるほどであり、同じカナダ人であるはずのエル・ジェネリコ(現サミ・ゼイン)のベルトに挑戦表明した際は思わず日本語で喋ってしまい、ジェネリコに「English please.」と返されてしまったこともある。
- そのためかニコニコ動画上ではよく「ケニー・オメガのカナダ出身はギミックであり、本当は埼玉出身。」というジョークが飛び交っている。
- しかし新日本移籍以降はヒールターンをきっかけに基本的に日本語を封印。ビッグマッチでベルトを獲得した直後のリング上以外では英語で喋るようになっている。そのため新日本の記者会見では記者が日本語で質問→通訳を介さずケニーが英語で答える→通訳(主に新日本プロレスの西澤管理部長)が日本語に訳して記者に伝える。という何ともシュールな光景が展開されている。
しかもケニー本人が西澤部長の訳を修正することすらあり、ケニーと親交の深い東京スポーツの岡本記者は記者会見中に「この会見に西澤さんいります?ケニーもう日本語喋らない?」とケニーに対してツッコミを入れたこともある。 - 入場曲は日本では『Dr.Wily1(Rockman2)mix』を使用していたが、その後カプコンサウンドチームが公認入場曲として『Rockman2/Dr.Wily STAGE2-OMEGAMAN MIX-』を作曲。DDTの試合会場では生演奏も行われた。新日本移籍後はオリジナル曲となる『DEVIL'S SKY』を使用。DDT時代とは一転してヒールっぽい曲調の入場曲となっている。
- DDT参戦時代は実況解説・ファン・スタッフも彼のことを「ケニー」と読んでそれが通称となっていた。が、新日本移籍後はこれが「オメガ」に変わっている。理由は不明であり、彼のことを「ケニー」と呼ぶか「オメガ」と呼ぶかでDDTと新日本どちらのファンかがわかる。と言われている。
- テレビゲームが大好きであり、下記の得意技を見てもわかる通りで技の名前の由来は大概がテレビゲームからであり、波動拳やダブルラリアットに至ってはゲーム内の技をそのまま現実のプロレスに持ち込んでいる。その為かDDT・新日本問わずグッズのデザインはゲームを意識したデザインが多くなっている。
- ゲーム好きが功を奏してか、ストリートファイターⅤのDLCキャラ「コーディー」の参戦PVにコーディー役として登場した。
- その為DDTが東京ゲームショウの中でイベントプロレスを開催するとなった時は大はしゃぎであったという。イベントプロレスの開催は2日間で本人は初日しか試合が組まれていなかったものの、試合終了後に鶴見亜門GMに「明日試合無いけど、来てもいいですか?」と凄く申し訳なさそうにお願いしたという。返答はもちろんOKであったが、「じゃあ明日の試合の解説してよ。」と鶴見亜門GMがお願いすると、翌日の解説担当の試合が始まるときには両手に大量の紙袋をぶら下げて上機嫌のケニー・オメガが試合会場に現れたという。
- その鶴見亜門GM曰く「すごくいい奴」。鶴見亜門GMが他に人がいなかったため車で新木場から成田空港まで彼を車で送った際には、元々運転が大の苦手・ペーパードライバー・道もよく知らないという状況で不安定な運転で挙句道を間違えまくるというレスラーが激怒してもしょうがないシチュエーションに陥ったが、彼は逆に鶴見亜門GMを終始励まし続け、最後空港ではお礼を言って笑顔で飛行機に向かったというエピソードがある。
- DDT時代はゴールデン☆ラヴァーズとして飯伏幸太(ゴールデン☆らんでぶぅ~としては伊橋剛太も追加)と見事な連携を見せつけていたが、なぜかDJニラとケニーラとして色んな意味で見事な連携を見せつけていた。時折謎のDJニラリスペクトを見せつけることがあり、DJニラのDJタイムを新日本や全日本のリングで披露したこともある。
- 中澤マイケルとは非常に仲がいい。KO-D無差別級を戴冠していた時代には会社側が次期挑戦者を決定していたにもかかわらず中澤マイケルとどうしても防衛戦がしたいと懇願。興行中にDDTと各会場が交渉した結果新木場1stRINGが抑えられたため、急遽KO-D無差別級のワンマッチ興行を行った。この試合はノーDQエニウェアフォールラストマンスタンディングマッチで行われ、あまりの激しさにDDTファンの間では伝説になっている。その試合の動画はこちら。
- カナダ人ではあるが、「自分のホームは日本」と言って憚らない。かつては世界最大の団体であるWWEの下部組織にも在籍していたようだが、「アスリートとしての環境は最高だったが、ロボットに作り替えられているようだった。」と自ら退団している。その後も何度となくWWEからはオファーを受けているようだが、すべて断りDDT→新日本プロレスと日本の団体に参戦し続けている。
- 日本のインディーを含めたプロレスマニアである。かつては女子団体のアイスリボン、NEO女子プロレス、スターダムなどに参戦したことがあり、スターダムでは小学生レスラーの夢と対戦した。また、日本のインディーファンでも知らないようなマニアックな団体についても知っており、田中安全プロレスというドインディー団体に参戦してエニウェアフォールマッチとしてアパートの一室から空き地にかけて試合を行ったこともある。
得意技
- 片翼の天使
- 変形のベルティゴ。相手を肩車の状態に担ぎ、自分の前にみちのくドライバー2のような形で落とす。
2011年11月27日のDDT後楽園大会で行われた、田中稔との世界ジュニアヘビー級王座選手権試合で初披露。技名の由来は言わずもがな。DDT・新日本時代共通の最上級のフィニッシャーである。 - Vトリガー(ランニングニー)
- いわゆるランニング・ニー・バット。DDT時代は主につなぎ技として使用していたが、新日本移籍以降はフィニッシャーの一つになっている。名前の由来はストリートファイターⅤのゲームシステムより。
- 波動拳
- DDT時代に使用していた得意技。両の手に気を込め、相手に波動を放つ飛び道具。ゲージがあれば真空波動拳や滅・波動拳も使用する。喰らった相手は吹っ飛び、ダウンする。カス当たり時はダウンしない。
- 飯伏幸太と愛と友情のツープラトンで2人でW波動拳を行ったり、ケニーの波動拳ヒットの吹っ飛びを利用してそのまま飯伏がスープレックスを行うなどのバリエーションがある。
- 初公開時、DDTの高木三四郎がこの技を「かめはめ波」とプレスリリースしてしまい「あれは波動拳だ、蹴り殺すぞ」と一悶着があった。その後三四郎はかめはめ波を会得し、2008年度のビアガーデンプロレスではかめはめ波と波動拳の打ち合いとなる。
- STOP!延髄斬り(フラッシュマンズタイムストッパー)
- 相手に向かって手をだし「STOP!!」と叫ぶ。それを見て相手が止まったところに延髄斬りを出す。
- 入場曲と同じロックマン2から時間を止める能力をもつフラッシュマンからフラッシュマンズタイムストッパーと名付けられた。
- AOI SHOUDOU
- 相手をブレーンバスターの体勢から、右手で相手の右足の膝裏をすくうようにロックし、抱え上げてから垂直に落とす、変形のスタガリンブロー。 新日本プロレスの井上亘が使うオラシオンフレイムと同型か。技名はbeatmania IIDX 8thStlye収録曲「蒼い衝動」から。
- クロイツ・ラス
- 相手を肩車で担ぎ上げて、肩車から外し相手を前方に落下させその勢いのままジャーマンスープレックスで後方に投げる。雪崩式でも出せる。DDT時代はフィニッシャーとして使用していたが、新日本移籍以降はここ一番で繰り出す隠し技のような扱いになっている。
- ゴールデンシャワー
- 「愛する人」飯伏幸太との合体技。二人同時にコーナーに上り「ゴールデンシャワー!!」と叫んでから2人同時にファイアーバードスプラッシュを出す。黄金水をかけるわけではない。
- トニー・ジャー・スペシャル
- 助走を付けて「トニー・ジャー!」と叫びながらのダブルニーアタック。
- Dr.ワイリーボム
- 新日本時代に使うようになった、うつ伏せの相手を俵投げの要領で持ち上げそのままパワーボムで叩きつける、ぶっこ抜き式のドクターボム。
- コタロー・クラッシャー
- 背後から相手を跳び箱の様に飛び越えながらのフェースクラッシャー。
- みちのくドライバー2on断崖絶壁
- 断崖式では無いところに注意。文字通り断崖絶壁でみちのくドライバー2を放つ。エニウェアマッチで砂山の上から敢行。
- ダブルラリアット
- ザンギエフそのままに両腕で回転しながらのラリアット。レバーで移動可能。
- ファイナルアトミックバスター(アルティメットアトミックバスター)
- 「ソコクノタメニー!」と叫んでからジャーマンスープレックス→バックブリーカー→スクリューパイルドライバーと連続で投げるウルトラコンボ。3ゲージ使用。本人も技名を叫ぶ。再現性が異様に高い。
- オメガアトミックバスター
- 2010年5月のヨシヒコ戦で用いた、ファイナルアトミックバスターの派生版。クロイツ・ラスからスクリューパイルドライバーに持っていくのポイント。
関連動画
現日本国内入場テーマ曲。ROCK-MENからの公式提供曲となっている。
ゴールデン☆ラヴァーズの入場テーマ。こちらはTeam.ねこかん[猫]から公式に提供を受けている。
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