ケータイ小説とは、携帯電話によって投稿され携帯電話によって閲覧される(ことが多い)小説の一つである。
概要
多くは女性の小学生~大学生くらいの者が携帯電話用の小説投稿サイトなどに投稿する小説のこと。2000年代(00年代)の初めごろからインターネットを閲覧可能な携帯電話の普及に伴って流行しだし、00年代中ごろに全盛を迎えた。「恋空」「赤い糸」のようにブームになった作品や、コミカライズや書籍化・映画化された作品も存在する。インターネット上のウェブサイトに投稿されているため、ネット小説の一種だと言える。
特徴としては、一文一文が短い、顔文字や絵文字、「ゎ」などの砕けた表現、会話が多い、横書きである(携帯電話を媒体にするため)などが挙げられる。ほとんどは主人公の視点から書かれる(一人称視点)ところなど、ライトノベルなどと共通する面もある。また、内容は少女の恋を扱うものが多いが、友人の死、レイプ、DVなどの描写があるものも見られる。こういった点について「低俗である」などと批判的に見る意見もある。
2010年代に入って以後は、ケータイ小説からベストセラー作品やメディアミックス作品はあまり登場しなくなっている。ケータイ小説の文学賞「日本ケータイ小説大賞」も、2016年に表彰式が行われた第10回を最後として開催が行われなくなった。
ケータイ小説全盛期の頃の携帯電話は画面画素数の少ないフィーチャーフォンが主流であり、携帯電話用サイトとパソコン用のサイトは別個のものであることが多かった。そのため「ネット小説」と「ケータイ小説」は分かれていたのである。しかしスマートフォンの普及や携帯電話によるインターネット通信速度の向上などによって、「パソコン用サイト」と「携帯電話用サイト」の垣根はかなり曖昧化した。パソコン用の小説投稿サイトも、スマートフォンなどでの閲覧・投稿に対応していったのである。こういった流れによって、「ケータイ小説」というジャンルは、より非限定的な「ネット小説」に同化・吸収されたとも考えられる。
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関連項目
ニコニコ大百科に記事があるケータイ小説
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