ケーブルカーとは、登山鉄道の一種で、ワイヤーによって斜面を上下に運転される鉄道である。「鋼索鉄道」「鋼索線」とも呼ばれる。
荷物の輸送を主目的にするものに対しては「インクライン」という呼称もある。
歴史
昔、ある寒い冬の日のこと。アメリカ合衆国のサンフランシスコで、路面凍結で急な斜面を馬車が滑落し、大事故に至ったことがある。
それを目撃したある発明家が、坂の多いサンフランシスコを安全に移動できる市内交通手段として考案したのが、ケーブルに頼って車両を運転するケーブルカーであった。
この方式は全米各地に普及し、今もシカゴなどに保存車が残っているものの、一般的な(路面)電車が普及してからは大多数の都市で見られなくなった。街のシンボルにもなっているサンフランシスコでも全廃案はあったものの、市民運動などの結果、現存する3路線が設備のリニューアルを経て生き延びている。
しかしながら、山などの急な斜面を安全に上り下りする手段としては非常に有効なので、日本を含め世界中に普及し、今も観光や交通の手段として各地で用いられている。
運転方式
繋がれた車両を山上のモーターなどで巻き上げて運行しているものが一般的だが、電力(モーター)によらず、水力を用い重力エネルギーで動作させるものも存在する。
日本で走っているもののほとんどは「交走式」や「つるべ式」と呼ばれるもので、井戸の「つるべ」のように2台の車両がともにケーブルで結ばれており、中央ですれ違うことで効率的な運用ができるようになっているものが多い。2台の車両はそれぞれすれ違う側の線路が決まっていて、ポイントの切り替え操作なしに交互運転が可能となっている。
一方、有名な米国サンフランシスコのものは「循環式」と呼ばている。これは、車両の下を絶え間なく進行方向に動いているロープを、「グリップマン」と呼ばれる運転士がレバー操作でつかんだり放したりすることで制御する、日本で見られるものとは全く異なった方式である。そのため、路面電車などのように、同じ方向に続けて運転することも可能となっている。
日本で営業中のケーブルカー一覧
※ニコニコ大百科に記事があるものは太字。
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関連項目
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