『ゲキ・ガンガー3』とは、『機動戦艦ナデシコ』の劇中アニメである。70年代アニメのオマージュとパロディを取り入れた本作は劇中劇ながら人気を博し、後に単独のOVA『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!』が制作されるなどした。機動戦艦ナデシコがパチンコ化された時には、ゲキ・ガンガー3のアニメ部分も新規に作画されている(後述の動画を参照)。
概要
「ナデシコ」作中での設定
「ナデシコ」作中の時代より100年ほど前、西暦2100年前後に製作されたアニメ。全39話で、27話以降は「熱血ロボ ゲキ・ガンガー3」というタイトルに変わっている。放送当時は不人気で打ち切りになったが、後の再放送で爆発的な人気を獲得した。
ナデシコのクルー、エステバリスのパイロットであるダイゴウジ・ガイは本作の熱狂的なファンであり、映像ソフトやフィギュアなどを収集したり、自分のエステバリスの武装にゲキガンガーの必殺技の名前を付けたりしている。テンカワ・アキトは子供時代に本作を見たことがあり、ガイの影響でさらに本作にハマっていった。
放映から100年経った地球側では「知る人ぞ知る過去の名作アニメ」程度の扱いであったが、木連側では「100年前の戦争で地球圏を離れるときに持ち出すことの出来た数少ない娯楽の一つ」であり、聖典扱いされている。
木連側では地球との戦争の戦意高揚のために軍部に利用されている部分があり、木連側の機体はゲキ・ガンガー3の各形態に、パイロットスーツは作中で主人公たちが着ていた服に似せて作られている。木連側では一部のエピソードが欠番となっているが、欠番となっている話は「敵の宇宙人と交流を深める」「闘いに疑問を感じる」というような内容のため、上層部によって意図的に欠番にされている可能性もある。
地球と木星の戦争が終結した後、今まで未公開だったフィルムが発掘され、再編集された劇場版が公開されている。
オマージュ・パロディ
本作は70年代・80年代前半のロボットアニメのオマージュ・パロディとして製作されており、至る所にネタが仕込まれている。製作にも実際に70年代ロボットアニメを製作していた人間が関わっている。以下は主なオマージュ・パロディ。
ロボットの設定
ゲキ・ガンガー3
- 3体の飛行機が合体して、陸海空の3つの形態を持つロボットになる→ゲッターロボ
- ゲキ・ガンガー時の機体のシルエット→マジンガーZ
- 頭部の形状→大空魔竜ガイキング
- 超古代縄文人が残した壁画を元に作られた→鋼鉄ジーグ
- ゲキガニウム合金製→超合金Z、ゾルマニウム合金など
- 身長57m、体重550t 合体時の掛け声「レッツ・ゲキガイン」→超電磁ロボ コン・バトラーV
- ゲキガンソード、ゲキガンパンチなどの武装→マジンガーシリーズ
- ゲキガンフレアは3人のボタンを押すタイミングが合わないと失敗してしまう→ゲッタードラゴンのシャインスパーク
- 武蔵野地獄めぐり→大雪山おろし
- ゲキガン・ヌンチャク、ゲキガン・ケンダマなどの武装→超電磁ヨーヨー・超電磁コマ
ゲキ・ガンガーV
- 名前→超電磁ロボ コン・バトラーV
- 機体のシルエット→長浜ロマンロボ、国際映画社の作品
- 支援メカであるゲキガビック、ゲキガコスモ→UFOロボグレンダイザー、勇者ライディーン
- 超熱血ゲキガン・クラッカー、ゲキガン・スピン→超電磁ヨーヨー、超電磁スピン
キャラクター
- 3人のメインパイロット(熱血漢、クールでニヒル、3枚目)→ゲッターロボ
- 4人目のパイロット竜崎テツヤ→闘将ダイモスの竜崎一矢、グレートマジンガーの剣鉄也
- 国分寺博士と娘のナナコ、弟分のジュンペイ少年→ゲッターロボ・マジンガーZ
- アメリカからやってきたカウボーイ・ジョニーとテキサスロボ→ジャック・キングとテキサスマック
- 敵に操られるナナコの兄シックース→ゲッターロボの早乙女ミユキ
- 敵であるキョアック星人→グレンダイザー、長浜ロマンロボ
- 美形の敵幹部アカラ王子→市川治氏演じる長浜ロマンロボの敵幹部
- アカラ王子の副官ミーエ・ミーエ→ミーア(コン・バトラーV)
- 劇場版の敵である超古代縄文人→鋼鉄ジーグの邪魔大王国、劇場版ダイナミックロボの敵
- 超古代縄文人の切り札ウラーガ→ウザーラ(原作漫画版ゲッターロボG)
ストーリー
- 国分寺超研究所(富士山麓にあり、パラボラアンテナ・割れるバリアを持つ)→光子力研究所、早乙女研究所
- パイロット達がしめサバに当たり、代わりにナナコやジュンペイが出撃することに→無敵鋼人ダイターン3
- アクアマリンとの悲恋→闘将ダイモスのエリカ、ダイターン3のリサー・アイサー
- 亜唐銀二として地球の学校に潜入するアカラ王子→シャーキンの変装した砂場金吾
- パイロットの一人が闘いの中命を散らす→ゲッターロボのムサシ
- 物語途中で打ち切りになり、後の再放送で人気を得る→機動戦士ガンダムのブーム
製作スタッフ
小松原一男…『ゲッターロボ』、『UFOロボグレンダイザー』など東映ロボットアニメでキャラクターデザインを務める
荒木伸吾…『UFOロボグレンダイザー』、『聖闘士星矢』などでキャラクターデザイン・作画監督を務める
姫野美智…荒木と共に数々の作品で原画・キャラクターデザインを担当
金田伊功…70年代から様々なアニメで活躍 「金田パース」「金田びかり」などの作画法を生み出した
この他にも、現ProductionI.G取締役の黄瀬和哉、「ゴッドマーズ」作画監督の本橋秀之、金田の弟子筋である
越智一裕など、「超」豪華なメンツが原画陣に名を連ねている。
2次創作などでの扱い
『スーパーロボット大戦シリーズ』でも、ゲキ・ガンガー3はナデシコの劇中劇として登場する。当然ゲキ・ガンガーの元ネタであるマジンガーZやゲッターロボなどとナデシコは共演することになるが、現在のところ、ゲキ・ガンガーはあくまで劇中劇という扱いであり、どちらかがどちらかに影響を与えた、というようなクロスオーバーは採用されていない。ただし、ダイゴウジ・ガイや白鳥九十九などが、作中でマジンガーやゲッターに憧れを持つというエピソードは存在する。
『スーパーロボット大戦W』では、木連にゲキ・ガンガー3を伝えたのは『ガンダムSEED』の登場人物、ファーストコーディネイターのジョージ・グレンであるという設定になっていたり、あるイベントでゲキ・ガンガー3のOPテーマである「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」が流れ、その後は戦闘BGMに設定することが出来るようになるなど、思い切ったクロスオーバーがなされた。
そのうち作中での2次元の壁を越え、本家ゲッターロボとの共演もあるかもしれない。次元連結システムとかクロスゲートとか時空破壊弾とか使えば出来そうだったり
関連動画
関連項目
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