ゲッコー・モリアとは、漫画「ONE PIECE」の登場人物である。
概要
「王下七武海」の一人。島を丸ごと船とした世界一巨大な海賊船「スリラーバーク」で霧深き海を進む。
モットーは「他力本願」。なんともパッとしないモットーだが、七武海の一角を担うだけあって、非常に強力な能力を持つ。かつては四皇の一人カイドウと渡り合ったといわれている。
一応、ルフィの健脚につきあえるだけの足はあったようだが、前述のモットーのもと部下と搦め手に依存しきった弊害で、その体術は能力とともに錆び付いており、能力者への対策や立ち回りもアルビダ、ジャッジと大差ない程に甘くなることもある。
一方で、知略に関しては光るものが多々あり、クロコダイルの右腕を務めていたロビンに1勝する、ドフラミンゴに一度は出し抜くなど、抜け目のない側面も持つ。
また、敵対者や民間人などには非人道的で小物臭い言動がとることが多いが、生きている部下を、盾や精神攻撃のための消耗品にするといった行動に出る描写が少ないためか、意外と部下や身内からは慕われている。
能力
超人(パラミシア)系悪魔の実「カゲカゲの実」の能力者。自分や他人の影を操ることができる。影を奪われたものは実力の多寡に関係なく即死には至らないが、一時的に意識を失い、意識を取り戻した後は日光に浴びると消滅するリスクと、鏡に映らないという呪いなどが課せられ、心身ともに疲弊する生活を強いられる。
その能力の真骨頂は、他人の影を奪いそれを死体に移すことで、死体の生前の力と影の元の持ち主の力を併せ持ったゾンビ兵を作り出すことにある。モリアはそれにより、強力なゾンビ兵たちによる海賊団を形成している。 ゾンビ兵はある物品を口に含むと無力化される脆弱性を持つが、時間をかければ自身と同等、もしくはそれ以上の力を持つゾンビも従順な手駒となる。また、不純物を含まない水には強いようで、なかには悪魔の実の産物でありながら、相手の火炎攻撃を対応策として自ら水をかぶるゾンビもいる。
自身の影を自在に操り、自分と影の位置を交換できる。さらに、他人の影を取り込むことでパワーアップする力も持つ。
影そのもので攻撃することも可能で、蝙蝠に見立てた影による噛みつきや、人型の影による殴打、箱状の影に閉じ込めたうえでの攻撃など、ゾンビを操らずとも、ある程度戦える柔軟性を持つ。
幾つかソルソルの実と通ずる部分があるが、雷・炎・雲などの不定形の無生物やエネルギーを指揮下におけない、恐怖より別の感情が大きく上回ってしまう程の豪傑や狂人が相手でも奪える見込みがある等、細かい相違点もあり、能力者の力量次第では、覚醒に至った熟練者等が相手でも渡り合える能力。(もっとも、自ら迎撃することも、狡猾な手や味方を巻き添えにした技をとることも頓着しないビッグ・マムとは違い、その能力を活かせるだけのカリスマ性はあっても、覇気や体術が追い付いていなかったため、撤退を余儀なくされる場面がちらほら)
作中にて
※以下の内容はネタバレを含みます。
「スリラーバーク編」で初登場となる。「麦わらの一味」の主力3人の影を奪い一時は優位に立つものの、最終的にはルフィに敗れ、影を奪い返される。
後に「マリンフォード頂上戦争編」で再登場。ルフィと再会し、お互いにその存在を認識するが、まともな再戦は行われないままであった。頂上戦争後は「七武海を担うには実力不足」という理由で粛清を受けてしまう。粛清を実行したドンキホーテ・ドフラミンゴの後の台詞によると、どこかへ消えて取り逃がした模様。もっとも、粛清を受けてもただでは転ばず、新世界編にて部下とともに情報屋として暗躍し、麦わらなどを探っていた。
その後、カイドウとも麦わらとも再戦する様子をみせないまま、ドフラミンゴ失脚などが起きたが、こちらはこちらで下記のトラブルに見舞われ、情報収集などを中断する羽目になった。
その扱いと再評価
その言動や性格、初登場したシリーズでそのまま主人公サイドに敗れたこと、さらに面と向かって戦力外通告を受けたことなどから、七武海の中でも『小物』臭い印象を受ける人物である。
しかし、それは過小評価であろう。ルフィはモリアの他に七武海でクロコダイルとドフラミンゴと戦うが、彼らと比べてモリアとは麦わら海賊団総出で戦っている。またルフィはナイトメアルフィというギア4をも上回るようなチートモードになり、それでもモリアは倒しきれず結局モリアの自滅をもって決着とする他なかった。
1000影を体内にいれたモリアは巨大な島を破壊するほどのパワーを見せており、それは白ひげやビッグマムと比べても遜色ない破壊力である。たるんだ体のため自滅してしまったが、もしモリアが安定して1000影を使いこなせた場合の戦闘力は計り知れない。それは単なる想像の話ではない。昔モリアが渡り合った地上最強生物と言われるカイドウは修行済2年後ルフィを一撃のもと屠りさった。これは明らかに「渡り合った」とは言えず、マッチョだった頃の全盛期のモリア>2年後ルフィという不等式も成り立つ。
またモリアは見かけによらず仲間想いであり、また仲間から慕われている。ペローナは子どもの頃からモリアに大事に育てられペローナもモリアを育ての親として強い愛情を持っていた事が後に判明する。ホグバッグも自分の技術を重宝してくれるモリアは敬意を示し、スリラーバーク崩壊後にルフィにやられたモリアを治療している。アブサロムも透明とはいえドフラミンゴとパシフェスタ軍団の戦場にモリアを助けにいくという男気を見せている。
直近の出番では、何と仲間の一人を助けるためだけに四皇黒ひげ海賊団に単騎挑んで読者を驚かせた。かつて仲間が持っていたはずの能力を相手が使用した様子などから、部下の状況を察した際は「許さん!」と激昂するモリア。その仲間を大事にしているモリアの姿は「仲間なんざ生きているから失うんだ」と放言していたスリラーバーグ編からは想像もつかないものであった。モリアはカイドウとの戦いに破れ当時の仲間を皆殺しにされており、ある意味で誰より仲間の大切さを知っていたのかもしれない。
モリアの戦力外通告をしたドフラミンゴは、通告してから数年後にカイドウの強さや厄介さに大なり小なり警戒していたが、モリアはかつて大敗しておきながらカイドウに再び挑む姿勢を見せている。これだけ見ても十二分に大物の風格を備えているだろう。ゲッコーの苗字はワノ国編の光月家と似ており今後の出番も期待される。
語録
「キシシシシシシ!!
早くおれを海賊王にならせろ!!!」「仲間なんざ生きてるから失うんだ!!!
全員が始めから死んでいるゾンビならば 何も失う物はねェ!!!
ゾンビなら不死身で!!浄化しても代えのきく無限の兵士!!!」
関連動画
関連項目
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