概要
ゲッター線はゲッターロボを稼動させる為に必要なエネルギー源であるが、ここでは石川賢によって描かれた漫画版ゲッターロボ號以降で判明したゲッター線の持つ意味について説明する。
ゲッター線とは宇宙を創造し全てを司るエネルギー体であり、エネルギーで在りながら時折、意志を持っているかのような描写も見ることができる。ゲッター線は宇宙に存在する全てのモノに偏在している。例えば物質、生物、エネルギー、はたまた精神体や空間、時間などのように形の無いモノの中にまで在り、それらは宇宙の中で有機体を生み出している。
ゲッター線に吸収された者の中には「草や木が何故そこにあるのか」「何故あの時おばあちゃんが死んだのか」「全てが解る」と言う者も現れ、それは全てがゲッターの支配の中にあり有機性を持ちゲッターは個でありながら全だと言うことに他ならない。故にゲッターにはその全てが解り全ての進化の記憶を持っている。
タイールは「ゲッターとは?」の問いかけに対し
「命…」と答えているが、これは単純に一生命のことではなく全宇宙の根源にまで遡った答えである。
真ゲッターロボによって真理を見た一文字號、流竜馬、メシア・タイールは敵である恐竜帝国と人類の起源が同じであるという真実に辿り着いた。
太古の昔地球に光が降り注ぐ。それはゲッター線であり植物の種子が大地を求め風に舞うが如きであった。光は星に生命を宿し進化させた。新生命として誕生した恐竜が地球を支配していたものの、何の気まぐれかゲッター線は恐竜を滅ぼし類人猿に過ぎなかった人類達に急激な進化を促したと作中で語られた。これは人類がゲッター線に選ばれた種族だという裏づけである。
よって人類が絶滅の危機に直面した時、ゲッターはより強く意志を表し、それを許さない。その際にゲッターは夢の中で語りかけたり幻影を見せるなど何かしら人間に危機を伝えている。そしてゲッター自身(真ゲッター、真ゲッターG)がその危機を取り除き人類に更なる飛躍を促す。
人類とゲッターの進化はとどまる事を知らなかった。いつしか人は究極の進化とは宇宙を支配することと理解するようになり、地球を飛び出し本能に身をゆだね全宇宙を喰らい尽くそうとする。そのゲッターの進化した先がゲッターエンペラーであり、それを取り巻くゲッター軍団である。彼らもまた、進化の過程にあるようだ。
ちなみに、テレビアニメ版でのゲッター線は、あくまで宇宙から地球に降り注ぐ(人類にとっては)クリーンなエネルギー源であり、ゲッター線が意思を持つような描写はされていない。
ゲッター線の力
ゲッター線は誕生・進化の他に特異な力を持つ。
真ゲッターロボが見せた吸収・同化能力がその一つである。吸収・同化することによってゲッターロボは巨大になり戦闘力も上昇する。
ゲッターにとっての吸収・同化とはアメーバが他の微生物を取り込み吸収するのとはまるで違い、「元に戻る」「また一つになる」と言った概念が正しい。吸収された者の中には肉体ではなく精神のみをゲッターに取り込まれた者もいる。
宇宙の全てのモノは同じ次元(ゲッターの次元?)から発生したエネルギーで形成されており物質、生物、エネルギー、時間、空間などは一つの次元から生まれたモノだとゲッター自身から語られている。その次元を指して號は「宇宙の全ては…ここから始まる」と語っている。その次元にはこの世とは別の世界である天国や地獄と言った別世界までもが包容されている。
作中では真ゲッターなどの体がその次元と通じていた。
よって、元は一つのモノであるため、概念的にはゲッターが取り込んだ敵や物体などは全てその場所に還るといった言い方が正しいのだ。
取り込むことに関しては直接相手を吸収・同化せずともゲッタードラゴンのシャインスパークで葬った百鬼帝国のブライ大帝や、初代ゲッターロボと戦闘はしたが直接手を下してはいない恐竜帝国の帝王ゴールまでもが、ゲッターによって取り込まれている。
未来のエンペラーを取り巻くゲッター軍団も無限に高まり続ける力の恩恵を受けている。戦争の小さな局地に送り込まれた小部隊の戦艦ですら星を滅ぼす兵器を持ち、ゲッタービームで月を吹き飛ばすものも確認されている(劇中でサードムーンを吹き飛ばした戦艦がエンペラーと勘違いされることがあるが、間違いである)。天文学的な数ほど存在するゲッターロボ一体一体もゲッターアークの力を大きく上回っていた。
その他ゲッターは時空について解明したと語られ、未来を予測する場面も見ることが出来る。
流竜馬や人類との関係
同化した巴武蔵によると人類はゲッター線に宇宙を支配することを許された唯一つの種族であり、またその中でも特に竜馬をゲッターは選んでいる。竜馬は感情を込めてゲッターロボの力を最大限に引き上げる事が出来、現代において未来のゲッターエンペラーの夢を見ていた。
作中で竜馬がエンペラーを操縦している明白な描写は無いものの、ロボットから発せられる本人の声や息子の流拓馬はその存在をエンペラーの中に感知していた。
竜馬の他にゲッターの力を高く引き出せる者も存在している。いくつかの人間は同化現象の始まった真ゲッターに搭乗したものの、その肉体や精神をゲッターに取り込まれてしまったが、號、神隼人、タイールは取り込まれず精神に異常も来たしていない。
特に號はゲッター線を何たるか理解し、ゲッターと会話するまでの域に達していた。ゲッターロボ號最終話では號(一号機担当)と竜馬(三号機担当)の他ゲッターロボの化身と言われたタイール(二号機担当)が真ゲッターに乗り込んでいる。
ゲッターの真理に到達した3人が搭乗しただけあり、真ゲッターは神かバケモノの様な力を発揮していた。その状態に在るゲッターは宇宙が消滅しない限り倒すことが不可能と言う程であり、あらゆる攻撃を受け付けず全ての者を吸収していった。
最終的に真ゲッターと號達は火星へと飛び立ち、過去のゲッター線が地球にやった様に新生命を誕生させている。そして、ゲッターエンペラーはこの出来事の記憶を持っていた。
ゲッターアークの世界ではゲッター線の影響で人類に新しい進化が始まっている様にも見えている。並外れた再生能力など驚異的な肉体を持っていたり、未来を予知するなど、特異な力を持つ子供達が各地で生まれ始めたのだった。
ゲッターの動機
同化した車弁慶によると「生命は純粋になるほどに……強大な宇宙を求めていく……」とのことだが、遥か未来で自分たち以外全てを滅ぼそうとする人のその様は「すべてのものにとって最悪の生物」と言われる程に至っている。
ゲッターエンペラーも人類と共に宇宙を喰い潰そうとしているが、ゲッターが何故、空間を喰らい、物質、時間、エネルギーなど全てを飲み込もうとするのか。その最終的な理由・動機は明白にされないまま漫画は最終回を迎えた。
しかし、劇中でゲッター線の真理には既に触れられており、また違う作品であるが同じく石川賢によって描かれた真説 魔獣戦線ではゲッターを思わせる描写も存在する。
大いなる意思によって創造された魔獣戦線の世界は他の者が他の者を喰らい吸収・進化し続ける宇宙であり、生きると言う事が兵器そのものの様に仕組まれていた。創造した宇宙の者達が自滅した場合に大いなる意思は「そしたら、またイチからやりなおせばいい」と話し、また宇宙に誕生させる生物の一つのプランとして「兵器を使い…宇宙を消滅させる機械のバケモノでもいい!」と話している。
一部のファン達の間ではその「機械のバケモノ」こそゲッターだろうと挙げられている(公式ではない)。
大いなる意思の宇宙は宇宙的恐怖を超えた無限の侵食空間「時天空」により消滅の危機に瀕していた。時天空に対抗し宇宙を守りうる兵器がどうしても必要だったのだ。
またゲッターロボアークの本編でも未来のゲッターが更なる飛躍の為に行なっている虐殺の様な戦争のことを「ゲッターは…大いなる意思の戦いなのだ」と語られ、奇しくも同じキーワードを見る事が出来る。
他作品でゲッターの示唆は単なるファンサービスだったのか。それとも一部のファンが期待していた成長したゲッターエンペラーが時天空に相見える、ということはあったのか。それは永久に解らないものとなってしまう……
スパロボにおいて
以上の通り原作ではかなり異常なエネルギーとして描写されているがゲッターロボシリーズが参戦するスーパーロボット大戦シリーズにおいては少し事情が異なる。
当初は東映版の参戦ということもあり東映版準拠の普通のエネルギーの設定だったが徐々に漫画版の要素が取り入れられ東映版でも意思を持つエネルギーということが明確となる。
マジンガーZにゲッター線を照射した結果マジンカイザーが生まれたのは有名。
ただし原作版ほど暴走はしておらず、他作品の超エネルギーなどが多数存在する影響か力を貸すに留める描写が多く。第三次αでもゲッター線の使者となった武蔵からそのように語られた。ゲッター線が活躍しやすくなるOVA版の参戦以降は積極的に活動することも多くなるが、それでも原作ほどのことは行わず、静観することが多い。
また原作では人類(特に竜馬)の味方という立ち位置であるが、スパロボでは自軍部隊に宇宙人やそのハーフもいるためか少し考え方を変えて人類以外の生命体にも歩み寄る姿勢を見せており、中には恐竜帝国のキャプテン・ラドラを救った事例も存在する。
戦国魔神ゴーショーグンの超エネルギーであるビムラーとは真逆の考え方を持つがスパロボでは歩み寄っており、すり合わせも行われている。
ただし伝説巨神イデオンのイデとは完全に対をなすエネルギーであるためかビムラーとともに仲が悪い。
また現状では参戦作品や大人の事情ということもあるが、真ゲッターロボがパイロット達を取り込むような事例も存在していない。
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