ゲドとは──
ゲド(ゲド戦記)
ゲドとは、アーシュラ・K・ル=グウィンの小説『ゲド戦記』に登場するキャラクターである。
多島海地域にある田舎ゴントに生まれ、幼い頃から魔法の才能があった。当初は呪い師のおばに教えてもらった簡単な魔法しか使えなかったが、大魔法使い"沈黙のオジオン"や魔法学院ロークとの関わりによって一気に才能が開花した。
後に幾多の旅を経て大賢人となるも、世界の均衡が失われる危機が発生しエンラッドの王子アレンと共にそれを修正するための旅へと出た際に、"門"を封じるために全ての力を使い果たしてしまった。世界の危機を救った後は、大賢人の職を辞して故郷へと帰り、かつてアチュアンの墓所から救った女性テナーと共に暮らした。
ちなみに「ゲド」という名前は真名であり、通名は「ハイタカ」である。『ゲド戦記』の舞台であるアースシーにおける魔法とは、人から砂一粒にいたるまで全ての物に存在する真名を把握し、真名を用いることで相手を支配・制御するという仕組みのため、基本的に真名が他者に知らされることはなく、『ゲド戦記』を通しても真名である「ゲド」の名を知っている者は家族や親友などごくわずかである。
性格は当初は強気で傲慢、調子に乗りやすい部分があった[1]。しかしロークで出会った傲慢な生徒ヒスイとの争いを起こした際に死霊を呼び出す術を試したところ、その術の中から生まれて来た"影"に襲われ重傷を負うという事件を起こした。それ以来、かつての雄々しさや強気なところはなりを潜め、ひっそりとした所を好む落ち着いた人間へと変わった。
肌の色は赤褐色になっている。これはキャラの大部分を有色人種として登場させている作者のポリシーであり、様々な物語でヒーロー性のある主人公が白人種ばかりであることに反感をもっているため意図的に設定したものであるという[2]。このため登場するほとんどのキャラは有色人種だが、魔法や呪いを信じない蛮族であるカルガド帝国の人間は白人である(ちなみに作者のル・グウィン本人は白人である)。
その他のゲド
- ゲド(アニメ映画)
- 第4巻の話をベースにスタジオジブリで作成された映画。ゲドのキャラ造形は、ユパに近いイメージらしい。
- ただ、この映画におけるメインはエンラッドの王子アレンであり、当のゲドはアレンの引き立て役になるわ、敵に縛られて転がされているわと、けっこうさんざんな扱いで終わっている。
- ゲド(実写版)
- アメリカで製作された実写版。1巻「影との戦い」および2巻「こわれた腕環」を凝縮した構成で、スタジオジブリの物よりはこちらの方が原作者のストーリーに沿ったものになっている[3]。この作品では通名が「ゲド」で真名が「ハイタカ」という逆の状態になっている。
ゲド(AC3)
ゲドとは、『アーマード・コア3』に登場するレイヴンの一人である。
アリーナでは加入したばかりの主人公と同じEクラスに所属しており、『AC2』のヴァッハフントと同じく"ルーキー達の壁"である。しかし初期ミッションの一つ「アリーナ防衛」では、頼んでもいないのに「手こずっているようだな 手を貸そう」と言って参戦してくるという困った存在である(しかも歩合制であるため、ゲドに倒された分は当然報酬に入らないので、クリアは楽になるものの余計なお世話である)。[4]
機体は拡散レーザーの武器腕、背にはミサイル、コアにはEOを搭載しており、近距離から遠距離までトータルに戦える仕様となっている。しかし、同時に大きい弱点もそれぞれ抱えており、下位ランクだけあってそうそう強いわけでもないという、けっこう中途半端な立ち位置だったりする。
ネット上においては、ゲドの載るACの頭部パーツがアンテナ型であるため「干」の一文字で表記されることがある。ジャック・Oと同じくゲイヴンとして扱われており、初登場時のセリフが「手こずっているようだな 尻を貸そう」というふうに改変されていることが多い。
関連動画
ゲド戦記
AC3
関連静画
ゲド戦記
AC3
関連商品
関連項目
脚注
- *ゴントの田舎者などとバカにされるのを嫌い、弱みを見せまいとする部分もあった。
- *ル・グウィンのキャラクターや主人公が有色人種である影響からか、欧米で販売される書籍は人物が描かれていない(外部リンク・英語)
- *しかしゲドやカラスノエンドウが原作者のポリシーをぶっちぎって白人に変えられるわ、テナーを大巫女暗殺未遂容疑でゲドと二人して地下迷宮に閉じ込められているなど勝手なオリジナル要素を入れられるわで視聴者から大不評。Amazon(日本)などではアニメゲドに比べると好評価の人がいるが、前述の内容からル・グインはこちらの作品にもブチ切れたという。
- *「失望させるなよ」などとは言ってくるが、ヴァッハフント(AC2)とは違い挑発的かつ傲慢である様子はない。
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