ゲブラーとは、
- 「セフィロト」の構成要素「セフィラ」の一つ。本記事の上部で詳述する。以下の2.以後も、このゲブラーから名前を取ったものと思われる。
- スクウェアのRPG「ゼノギアス」に登場する軍事組織。本記事の中部で詳述する。
- TRPG「アリアンロッドRPG」「アリアンロッド2E」に登場する赤竜「ゲブラ」。本記事の下部で詳述する。
1.の概要
ユダヤ教の神秘主義的解釈「カバラ」に登場する概念「スフィロート(セフィロト)」の構成要素である、10種類(解釈によっては11種類)の「スフィラ(セフィラ)」の一つ。
カバラでは、この10の「スフィラ」を介して神の力が現世に顕現し、創造がなされたとみなしている。
ヘブライ語での表記は「גבורה」。発音は現代ヘブライ語では「グヴア」に近い。日本では「ゲブラー」と表記・発音されることが一般的である。ヘブライ語としての意味は「勇猛」「英雄的」といったところ。
カバラやスフィロートにおいては、年代が下るにつれてこういった各スフィラの名称や、エデンの園に生えているとされる「命の木」との関連付け、それぞれのスフィラの対応する概念や意味が肉付けされていったと言われる。その結果、現在ではゲブラーについて、
- よく「生命の樹」と称される柱状配列では、ビナーの下、ホドの上、ケセドの横に配される。
- 峻厳に人間の不正を裁くような、神のきびしさに対応している。
- 赤色を司る。そのため、宝石はルビーを、星では火星を象徴する。
- 図形は五角形を司る。
- 金属は鉄を司る。
- 守護天使は天蠍宮の天使・カマエル。
- 天空の外科医と呼ばれる事もあるらしい。
と言った特徴づけがなされている。
ちなみにこういった情報は、伝統的に肉付けされていったものだけでなく、割と年代の新しい占い本やオカルト本、さらにはファンタジー創作物などの影響で書き足されることも多い。しかもそれを見分けるのが難しい。どこまでが古典的な内容で、どこからが近年の創作なのやらさっぱりである。
伝統的なカバラはあくまでユダヤ教の神秘主義であり、ただでさえあまり外に信者を求めないユダヤ教のさらに深奥なので情報はあまり発信されない。そのため占いや魔術と言ったオカルト趣味のフィルターを通してしか情報が得られないという事情もある。
ゲブラーを含めたセフィラの総体である「セフィロト」についての詳細は、大百科記事があるのでそちらを参照されたし。
2.の概要
「帝室特設外務庁」、通称ゲブラー。スクウェアが1998年に発売したプレイステーションRPG「ゼノギアス」に登場する。
同ゲームには「ソラリス帝国」という空中に浮かぶ選民主義国家が登場するが、ゲブラーはこの国の有する軍事組織である。帝国の最高権力者「天帝カイン」の直轄下にある機関という設定。
直接的な地上統治が困難であると判断したカインらが創設した、地上を間接支配するための組織である。地上国家への諜報や密かな軍事干渉を主眼としている。
現在のゲブラーの主目的は地上の監視と粛清。作中で地上国家「アヴェ」に行っていたように直接的な政治関与を行う事もある。
士官は生え抜きのエリートで占められており、「ユーゲント」というゲブラー士官専用の養成学校で教育されている。
なお、あくまで「外務庁」であって、ソラリスの外務省や、国防軍を管理する軍務省は別に存在する。ただしこれらの組織はゲブラーと比べて形骸化しており、「対外業務や軍事行動の殆どをゲブラーが担っている」という設定となっている。
各部署
組織内の部署としては、統括指揮を行う「四元統合司令部」、それを軍事立案で補佐する「幕僚会議」、作戦研究・ロストテクノロジー管理などを行う「内局」、地上各エリアを担当する「水軍」・「火軍」・「土軍」の「各軍司令部」などが存在する。なお「風軍」が無いのは、担当すべきエリアの地上国家「エルル」が消滅しているため。
ゲームに登場する人物では「カーラン・ラムサス」がゲブラー総司令官として、「ミァン」がその主席副官として、「セラフィータ」・「トロネ」・「ケルビナ」・「ドミニア」の4名が総司令官近衛部隊「エレメンツ」として四元統合司令部に所属している。また、ミァンは幕僚会議の議長でもある。
各軍は、元々は地上各エリアの「鎮守府」を統括していた「エレメンツ」と呼ばれる司令官に率いられていた。しかし後述の「教会」分離独立の際に、各鎮守府は教会の管轄下となり対外的には各エリアの「中央教会」に変更。エレメンツも各鎮守府の司令官ではなく、ゲブラー総司令官の近衛部隊として四元統合司令部へ引き上げられた。そのため各軍はそれぞれが対応する水(アクヴィ)・火(イグニス)・土(テラン)の各エリア鎮守府(中央教会)の警護担当程度の存在になっている。
各軍の「突入3課」と呼ばれる部署はソラリスの武力実行部隊として維持されている。ゲームのヒロイン「エレハイム・ヴァン・ホーテン」も火軍突入3課に所属している設定である。
なお作中には「ゲブラー特殊部隊」という小隊も登場するが、この部隊が具体的にゲブラー組織内のどこに所属しているのかは作中でも設定資料集でも触れられておらず不明。
「教会」
「ゼノギアス」の作中に登場する、地上における宗教活動及び古代テクノロジーの発掘・保守活動を行っている組織「教会」。作中で明かされるように「教会」は実はソラリス帝国の地上支配を担う機関の一つである。
この「教会」も元々はゲブラーの一部であったという設定になっている。地上支配の一環としてゲブラーが担当していた遺跡発掘や流通管理と言った経済支配が当初の予想以上に重要なものとなったため、ゲブラー内のそれらを担当する部署が「教会」として分離独立させられた。地上人に伏せられている「教会」の正式名称は「帝室特設教務庁」である。
先述の、ゲブラーの「突入3課」がなぜ「3課」なのかと言うと、分離独立の際に「突入1課」は各地の教会施設として、「突入2課」は各地の教会工房として「教会」の側に組み入れられたという設定があるため。
3.の概要
赤竜ゲブラ。ファーイースト・アミューズメント・リサーチのTRPG「アリアンロッドRPG」やその第二版「アリアンロッドRPG 2E(アリアンロッド2E)」に登場する。
全ての竜の王「ファーヴニル」の直系眷属である数少ない「古代竜」の一体であり、"厳正"のゲブラと呼ばれる。
古代竜の特性として『不死』であるため外的要因で死ぬことはない。しかし、古代竜で唯一寿命を持っており、死ぬ直前に自身の全ての記憶を引き継いだ卵を遺すことから『転生する竜』と呼ばれる。
転生し、卵から孵ったばかりのゲブラに懐かれる「赤竜の保護者」(リトル・ゲブラ)というレジェンドデータが存在するため、騎竜の様なポジションでプレイヤーから愛されている事が多い。
ゲブラに限らず、古代竜は皆セフィロトやカバラに基づいた名前、設定を持っている。
関連項目
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