ゲータレード(Gatorade)とは、米国ペプシコ社傘下のゲータレード社(旧:ストークリー・ヴァンキャンプ社)が販売するスポーツドリンクである。日本ではサントリーがライセンス権を得て、独自の商品を販売している。
概要
世界初のスポーツドリンクとして誕生し、オレンジ、黄、紫など、様々な色と味のついた液体なのが特徴。
米国を始め、世界70カ国以上に普及していて、世界シェアでもダントツの1位である。
後述するが、日本で普及が遅れ、後発のポカリスエットなどの後塵を拝していて、知名度もいまいちである。
歴史
1965年に、フロリダ大学の医学・生理学専門のロバート・ケード博士が、同校のアメフトチーム、フロリダ・ゲーターズ向けに開発したのが最初である。
ゲータレードという名前も、ゲーターズ(Gators)と飲料を意味するadeを合わせることで名付けられたものである。
それまでは練習中に水分補給することは疲れを増すという理由で禁じられていたが、それによる熱中症によって多くのアメフト選手が死亡する事態に陥っていた。
そこでケード博士は、水よりも吸収力が高く、塩分などの発刊によって失われる成分を補給できるドリンクとしてゲータレードを開発、ゲーターズにテスト供給したところ、ゲーターズはめまぐるしい活躍をし、1967年のオレンジボウルに初出場、初勝利を手にした。
ケード博士は販売権をフロリダ大学に譲渡しようとしたが断られ、民間のストークリー・ヴァンキャンプ社に譲渡された。しかし、この件についてフロリダ大学が異議を申し立て、裁判にまで発展、最終的にフロリダ大学がロイヤリティの一部を手にすることで決着している。
その後本格的に市販されたことで全米のほか、ヨーロッパなど多くの国に普及し、スポーツドリンクによる練習や試合中の水分補給は常識となった。
日本での普及
1970年に大正製薬が販売を開始したが1年で撤退、その後いくつかの販売会社に権利が渡っていったが、普及には至らなかった。
1980年に雪印食品がスポーツ用品店を中心に粉末タイプを中心に販売を開始したが、このときに大塚製薬がポカリスエットを販売開始、積極的にスポーツが行われている場での販促キャンペーンもあって、販売シェアで逆転されてしまう。
当時のゲータレードは米国で売られているのと同じ、黄色い着色とグレープフルーツの味付けがされていた。一方でポカリスエットは白色半透明で味付けも少し甘みがある程度に抑えられていた。
日本人が飲料に対して淡い色と濃さを感じない味付けを好んだことも、ゲータレードが普及しなかった原因ともいえる。
1985年には雪印乳業へ移管されたが、2000年に雪印による集団食中毒事件が発生したことで経営が悪化、ゲータレードのライセンスを返上してしまう。
2004年にサントリーがペプシでのコネクションを活かしてライセンス権を取得した。しかし販売されたゲータレードは、日本人向けに白色半透明で味も控えめになった独自の商品となっていた。
2009年に米国と同じオレンジの着色を施したリニューアルを行ったが、翌年には色を戻している。
現在は「ゲータレード ラン」を発売、従来の緑色のパッケージから青のパッケージに変更している。
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関連項目
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