ゲーミングPCとは、PCゲームを主な用途としたパソコンのことである。「ゲーミングパソコン」ということもあるが、「ゲーミングPC」の方がGoogle検索で引っかかる数は多い。
概要
元々「PC」はゲーム黎明期からの主なゲームプラットフォームの一つであり、「ゲームを目的としたPC」すなわちゲーミングPCは一大市場を形作ってきた。
一方、日本ではファミリーコンピュータ(ファミコン)が爆発的に普及したことや、ゲームウォッチ、ゲームボーイ等携帯ゲームのヒットにより、ゲームの主役はもっぱらゲーム機となりPCだと捉えている人はどちらかといえばマイノリティとなる。
PCプラットフォームの側から見て「家庭用ゲーム機」は「コンシューマーゲーム」と呼ばれているが、日本では「ゲーム」といえば「コンシューマーゲーム」であった(もっとも最近はソシャゲが一大勢力だが…)。
そのため「ゲーミングPC」市場はニッチな市場であり、国内ではごく一部の人にしか関係のない世界だった。
しかし近年はSteamを中心とするPC向けのゲーム供給が充実したことでコンシューマーゲームとPCとのプラットフォームを超えて同じゲームが提供される(クロスプラットフォーム展開)場合も多くなっており、PCでゲームをプレイするハードルは以前よりは随分低くなっている。
また、PS5を初めとしたコンシューマーゲームの大幅な値上がりもあり、(PS5で8万円、PS5Proで11万9980円。参考までにスーパーファミコンは発売当初2万5千円)相対的にPCゲーム機へのハードルも低く感じられるようになっている。
どうやって手に入れるの?
完成品を購入するか、パーツを調達して自作するかの2択となる。
国内でPCゲーム自体がコンシューマーゲーム市場に大きく押されていたこともあり、国内の大手PCメーカーはゲーム用PCの生産をほとんど行っていない(最近はeスポーツブームに乗ってまた発売されだしているがコスパが悪い)。
主にBTOメーカーや海外PCメーカーが生産しており、都内(秋葉原)はじめ主要都市に展開されるPCショップやWeb上で買うことができる。最近では郊外の大手電器屋でもゲーミングPCを扱うようになった。
デスクトップ型もノート型(いわゆるゲーミングノート)もあり、ここは好みがわかれるところだが、値段が同じならデスクトップ型の方が高性能かつ排熱に優れる(この辺は後述)。
もし希望に合う製品がない場合は、自分でパーツを買って望み通りのPCを組み立てることとなる(いわゆる「自作PC」)。というか、いまどきPCを自作する人の多くはゲーミングが目的である。
なお近年は「外付けGPU(eGPU)」といって、ゲームの画像出力に必須となるグラフィックボードをThunderbolt 3のような高速規格を使って外部接続できる機器も登場している。Thunderbolt 3端子と十分なCPU性能を備えたビジネス用PC(やMac)を持っている場合、これを繋ぐだけでもお手軽に「簡易ゲーミングPC化」(※Macは公式には「PC」とは呼ばない約束らしいが)することができる。
ただしソフトウェアや機体によっては対応していない事があり、開発側も基本的に想定していない構成であるのでトラブルが起こる可能性もあるため初心者にはお勧めできない。
なおメルカリやヤフオク、あるいはPCショップ等で中古ゲーミングPCを買うのは避けた方が良い。
基本的にPC部品は消耗品であり、ことPCゲームはPCへの負荷がとても高くその機体の限界近くまで酷使するので中古品は消耗度が激しいことも多いのだ。
また近年ではやや下火となったが少し前に流行ったマイニング、昨今ブームのAI生成などグラフィック以外の用途でストレージやグラフィックボードが酷使されているパターンは多い。
そのため特にグラフィックボードなどがいつ壊れるか分からないような老朽化した個体を引き当てる可能性が高い上、「Corei7搭載で高性能」と言いつつ買ったら10年以上前の4コア8スレッドしかないSandy世代のcorei7-2600でメモリが8GB(これは現代で言えば標準的な事務用ノートPCにすら劣る)、低容量のHDDにOSが搭載されていてグラボ無しだったり「フォートナイトも快適」といいつつフルHD解像度の通常設定で30FPSも行かないゴミ性能なモノを掴まされる事は珍しくない。
酷いものではブランド品のゲーミングPCでガワだけは立派だが中はマトモなパーツだけ抜き取られたり型落ち品にすげ替えられているといった悪質商品もザラである。
まずは店頭表示のスペックを理解できる程度の知識を持ち、更にそのスペックが事実かどうか現物を見極められるようでなければ中古に手を出すのは危険ということだ。
詳しくはこの動画を見てみるとよいだろう
どんなPCが「ゲーミングPC」なの?
特に決まりはない。持ち主が「これはゲームをやるためのPCだ」と言えば、それは「ゲーミングPC」である。
…とはいえ、ゲームの要求するPCスペックがどんどん上がる中、どんなPCでも快適に全てのゲームを楽しめるというわけではない。ゲームが要求するPCスペックは普通のビジネスソフトに比べてはるかに高く、ゲームに特化した性能が必要となる。
ここから先で、人々が「ゲーミングPC」に求めるものは何か、解説しよう。
高い3Dグラフィック性能
ゲーミングPCの最大の特徴はコレである。というかそもそもPCでゲームをやる最大の理由は「高画質な映像を得る」or「高いリフレッシュレート環境で対戦相手より早く行動する」ためである。
概要のところで言ったように、最近では主要なPCゲームタイトルはクロスプラットフォーム展開が多い。簡単に言えば、特にこだわりがなければPS5でもXbox One Xでも(モノによってはSwitchやスマホですら)同じゲームを遊べるので、ゲーム用PCがなくてもただ遊ぶだけなら数万円以内でコンシューマー機を買えば事足りるのだ。(最近はPS5を中心として値上がり傾向になっているが・・・)
そこであえて高いゲーミングPCにこだわる目的はコンシューマー用ハードで得られない体験があるからであり、その中心は高精細映像に他ならない。
もちろん、「PCとマウスによる操作感がコンシューマー機のコントローラでは得られない」という理由も考えられるが、PS4やXboxなどはキーボード・マウスの操作にも対応し始めており、逆にタイトルによってはPCゲームでもコントローラ(PCゲームの世界では「パッド」と呼ぶ)での操作に最適化されており、絶対のものではない。
他にもゲームしながら動画を見るとかそういった使い方もコンシューマ機と比べてやりやすい部分もある。
一方で格闘ゲームなど反応速度を極限まで求めるようなゲームの場合、あえて画質をフルHD程度にまで落とし、出来た余裕で秒間の描写枚数を増やして映像をなめらかにするという需要もある。
こちらについてはディスプレイの段で後述するが、そのような状況であれば、たとえ画質が高くなくても非常に高いグラフィック性能が要求される。
以上から、ゲーミングPCの基本的条件のひとつが「コンシューマー機以上の3D画質を有すること」あるいは「コンシューマー機以上の滑らかさを有すること」、言い換えれば「十分な性能のゲーム処理能力(CPU及びメモリ)とグラフィックボード(GPU)を搭載していること」と言える。
グラフィックボードの選択肢は非常に幅広く、2025年末期時点ではミドルレンジで3-10万円程度、ハイクラスで10万円台以上が相場だ。性能が高ければ高いほどどんなゲームでも快適に遊べるが、ハイエンド製品は普通の人が簡単に手が出せる値段ではない。
またグラフィックボードは非常に大きな電力を消費するため、仮に購入できるとしても環境や使用方法によっては電力が足りなくなったり、莫大な電気料金を支払う羽目になることもある。
自身の環境や予算と相談して、自分のPCに必要なグラフィックボードがどのクラスかよく調査したい。(高くて手を出せないなら最初はそこそこの構成にしておいて後々予算ができたらパーツ交換でもいいだろう)
問題なのは、ゲームPCと銘打ってはいるがグラフィックボードが搭載されていない商品が売られている事である。どれだけ高性能なCPUを積んでいようとCPU内蔵のグラフィック機能では話にならないので、価格が安いからといってもGPU抜きのパソコンに手を出してはいけない。
ただしグラフィックボードも進歩が著しい部品であるため、大昔のハイエンドボードなら現在は内臓のほうがマシくらいの骨董品は多い。グラボは2年程度おきにラインナップが更新されるので購入時の最新情報は必ずチェックしておこう。
不足のないCPUとメモリ
グラフィックの出力元となるゲーム自体の内部処理はPCの頭脳であるCPUが行っている。
CPUがある程度の性能を持たないと、いくらグラフィックボードを良いものにしてもCPUがボトルネックになってしまい、グラフィックボードの性能は無駄になってしまう。
そのためゲームを遊ぶにはグラフィックボードの性能に見合ったCPUを装備していることが最低条件となる。どのグラフィックボードにどのCPUが必要なのか、といった情報はネットで検索すると検証の例がたくさん出てくるため、ぜひ参考にしてほしい。
そのうえで、実際にゲーミングPCにどのCPUを選ぶべきなのかは意外と悩ましい。
で決まる(キャッシュメモリ容量、バススピードといった要素もあるが、これは必然的にコアや周波数の身の丈に合った装備になり、この違いだけを意識して製品を選ぶことはない)。
現代のCPUは複数コアが常識で、ミドルレンジでも6~8コア、ハイクラス~ハイエンドになると8~16コア以上のCPUが普通となっている。そのため「CPUとしての性能の高さ」を評価するとき、「複数コアで複数の同時処理をどれだけ素早くこなせるか」を意味する「マルチスレッド性能」の高さがよく話題になる。しかし、実はゲームに限ればそれ自体が複雑なマルチスレッド処理を多用することは少なく、どちらかといえば「一つのプログラムのひと固まりの処理をどれだけ素早くこなせるか」の指標となる「シングルスレッドあたりの性能の高さ」の方が重要なのだ。一言で言うなら、「コア数が多くマルチスレッド処理に特化したCPU」と「コア数はほどほどだがシングルスレッドあたりの処理能力が高いCPU」とが同じ値段だった場合、ゲーム用途だけに限れば基本的には後者の方が有利なのだ。
しかし、近年は攻略サイトや動画を見ながらゲームをしたり、自分のゲームプレイを動画配信するプレイヤーも多い。「複数タスクの同時使用」「ゲームプレイ動画のリアルタイム配信」「大容量動画の編集」などといった処理はまさにマルチスレッド処理であり、このような用途も考える場合はマルチスレッド性能の高さも無視できなくなる。
まとめると
- ゲームをプレイするだけなら周波数の高さを重視しコア数はほどほど(基本的に6コアでも十分、軽いゲームだけなら4コアでも行ける)
- 動画を扱うならコア数の多さを重視する(6コアは最低条件、できれば8コア以上あるべき)
- 100Hz以上のモニターを扱うならゲームをプレイする場合でも8コア以上推奨
のがよいだろう。
一応、CPUをそれなりにして、配信に関してもグラフィックボード側で処理させることもできるが、その場合はゲームのパフォーマンスが落ちるため一長一短だろう。
メモリについては、CPUを頭脳と例えた場合作業を行う机の上にあたり容量が机の広さということになる。CPUが高性能でもメモリが少ないと処理が渋滞してしまい作業が度々止まるため、CPUと想定される負荷に見合った容量のメモリを用意したい。
なお要求されるメモリ量は技術の進歩により文字通りの意味で日々増え続けており、ゲーム以外でもOSやブラウザなどが大量にメモリを占有するため、長くPCを使いたいのであれば購入時の水準から見て多めのメモリを搭載しておくか、メモリを拡張する余地のあるマザーボードを積んだPCを選ぶのがお勧め。
メモリは比較的交換しやすい部品ではあるが、格安のPCはマザーボードの制約でメモリ交換や拡張ができないことも多い(というかマザーボードは低グレードだと意図的にメモリを差し込むスロットが減らしてあったり、最新規格のメモリが使えなかったりする)。
また最近は減ってきたが初期不良やマザーボードとの相性により規格が合っていても動作しない事は珍しくないので、購入時は交換保証などに入っておくのが安全。
(PCショップでメモリを買うと大概は有償の交換保証があるはず)
高速処理を支える冷却性能
高性能なグラフィックボードとCPUを使ううえで、避けられないのが「発熱」だ。
PCのパーツは半導体を中心とする精密電気機器であり、電気を通すと自ら熱を発するがその熱に非常に弱い。
熱をうまく外に逃がせないと性能が激しく低下する上限界を超えるとすぐ壊れてしまうため、どんなPCでも熱を外に逃がすファンなどの仕組みが備わっている。
通常のビジネスなど一般用PCでは爆発的な熱を発生するわけでもないため最低限の装置で十分でありあまり問題にならないが、別次元の高速処理を行うゲーミングPCでは各パーツの電力消費は激しく、発熱も別次元に多いため、高い冷却性能の確保が課題となる。
しかし高い冷却性能の確保のためには風量の多いファンが必要となり、風量の多いファンでは騒音が問題になる。うるさくても構わないならファンをガンガン回せばよいが、それではゲームを快適にプレイする邪魔になってしまうし場合によってその音や振動は隣室や階下にも伝わってしまう。
これを解決するには大型のヒートシンクやゴツい水冷装置を搭載する必要が出てくる(後述のように、そのゴツさこそゲーミングPCの魅力の一つだという声も多いだろうが)。
これが、各パーツが小型化してもなおゲーミングPC自体が小型化しづらい大きな理由である。(PS5がPS4よりデカいのもここらへんが関係している。)
ハイエンドPCが採用しがちな水冷式については、水を循環させるためにポンプが必要となるので製品によっては言うほど静かではなかったりする。
また電子機器の天敵である水を電子機器に組み込むという特性から設置やメンテナンス、部品交換がとても面倒になるという欠点があり、劣化などで漏水すると破損や火災の原因にもなる。
自作PC初心者は水冷は避けた方が無難だろう。
※余談ながら、PC単体での冷却性能だけでなく使用環境全体での熱対策も無視できない。
「ゲーミングPCを使っていると冬場は暖房がいらない」「夏場はエアコンをかけていても部屋が暑い」などはPCゲーマーにありがちな悩み。
PC周辺が暑かったり排熱の悪い場所に置いたりするとせっかくのスペックを発揮できないだけでなく居住環境にも悪影響があるため設置も工夫したい。
ここまでのことをとても雑に表現すれば、
の3つはそれぞれ対立関係にあり、どれかを良くしようとすると他2つが悪くなり、すべてを同時に達成しようとすればするほどパーツが高価かつ大型になっていくということを意味する。このバランスをどう上手くとるかが、ゲーミングPC選び/自作の腕の見せ所といえるだろう。
余裕のある電源
グラフィックボードとCPUは高性能になればなるほど消費電力が多くなるし、HDDなども増やせば増やすほど大きくなる。(最近はクラウドなどの選択肢もありHDD何台も載せる必要性は薄いが・・・)したがって電源は重要でBTOなどでも拘るポイントの一つである。
機器の構成が分かればおおよその消費電力は計算できるので購入前に確認した方が良いが、最低でも650w以上の出力が欲しいところ。また、電源ユニットにはランクがありランクがいいものほど値段が上がるが消費電力も少なくなる。
GPU無しだったりローエンドGPU搭載のパソコンには最低出力の電源しか搭載されていないことが多く、GPU増設よりも電源換装の方が難易度が高い(筐体によっては汎用の電源が使えないこともある)ので電源を後から交換するのは現実的ではない。
それならば多少値段が高くても、しっかりした部品の搭載されているPCを購入したほうがいい。また、パソコンを改造しようと計画しているのであれば、拡張性を見越して出力が高めの電源を選ぶという選択肢もある。また長く使えば使うほど変換できる電力が低下し余裕がなくなるので大きめのやつを買っておくと長く使える。
なおPC部品の中でも電源は負荷がかかる部位で、グラフィックボード、マザーボード等と並んで故障しやすいので電源単品での中古購入は避けた方が良いだろう。
応答速度とリフレッシュレートに優れたディスプレイ
一般的なPC用のディスプレイはリフレッシュレート60Hz、つまり1秒間に60枚の画面を高速で切り替えて動画を表示するのが基本だ。
ゲームでもこれは同じだが、近年は144Hz、240Hz、360Hzといった高速な画面表示に対応したディスプレイが普通に売られるようになった。
120Hz以上の画面は非常になめらかである。100Hzのモニタもなかなかのモノである。初めてお店で見るとそのヌルヌルさに驚くだろう。またPCゲームの中で一大ジャンルであるFPS/TPSでは、この画面切り替えの速さの差が勝敗を分けるともいわれている(一般人に0.0~秒の差を認識できるかは不明だが)。 お金に余裕があるなら、高いリフレッシュレートのディスプレイを選びたい。(なおリフレッシュレートを上げれば上げるほどCPU/グラボも負荷が増えるので注意)
なおFPS/TPSの勝敗ということで言えば、画面切り替えの速さも(人によっては)重要ではあるものの、より重要なのは応答速度の方だ。
これは「信号が入ってきて何秒で画面を描けるか」であり、こちらはゲーム用ディスプレイでは目安となる数値が1ms(1000分の1秒)ときわめて高速になっている。
通常の低価格ディスプレイや液晶テレビなどだと20-50ms程度あるものもあり、こうなってくると一般人でも勝敗を分けかねない差になってくる。応答速度は速いものを選んでおきたい。
なお液晶テレビをモニタ代わりに使っている人も少なからずいるが、テレビは良いお値段のものでも処理速度の都合で外部入力の応答速度はあまりよろしくない事が多い。
動きのあるゲームには避けた方が良いだろう。
「ゲーミング用ディスプレイ」と謳った製品を選べば、多くの場合上記の課題は達成できる。ただし液晶ディスプレイの存在にはいくつか種類がある。代表的なのは「IPS液晶」「TN液晶」であり、
- IPS液晶は高精彩で高い没入感が得られ、斜めから見ても違和感がない、一方で応答速度に限界があり、かつ値段は高い
- TN液晶は安価、かつ応答速度が非常に速いため正確な操作が可能、一方で精彩はそこそこ(特に斜めから見ると色合いがかなり悪くなる)
とそれぞれ特徴がある。お財布と相談しながら、自分が主に遊びたいゲームのジャンルでどちらが最適なのか考えて決めよう。
ちなみに、モニタを考えるとき普通の人はまず「大きさ」と「画質」を考えるのだが、テレビのような感覚で大型モニタや4Kモニタを何も考えず購入することは初心者にはお勧めしない。
画面が大きくなればその分処理にも大きな負荷がかかるため、グラフィックボードの要求スペックが酷い事になってしまう。
また画面が大きいと机の上など目と近い場所で使う場合は視線移動が増えて疲れてしまうため、大きければ良いというわけでもない。
そして何より大画面高画質で高応答のモニタは非常にお高い。
FPSなどでは以外にもフルHDで十分だったりするので、画質などは近くのPCショップや家電店などの店頭で確認すると良いだろう。
ゲームに特化したキーボードとマウス
ゲーム用途のPCでキーボードやマウスに求められるのは「応答の素早さ」「入力成功したと瞬時に明確にわかる操作感」「マウスボタンの豊富さとユーザー設定の自由度」などである。これらは、オフィスでの仕事を快適に行うのに理想的な性能とは明らかに異なる。
たとえば、キーボードを打鍵するたびに毎回「カチャン!」というメカニカルな音が鳴ったり、キーを入力すると反動があったりするキーボードでは、ゲームでは「入力に成功した」ことを体で実感できるためプレイ感覚の向上に大きく貢献するが、非常にうるさいのでトラブルの原因になる。
また「1/4000秒」といった高い応答速度はゲームにおける安定感につながるが、文書作成やネットサーフィンなど通常の使用では不必要なので、用途により求められる性能は異なる。
PCのキーボードはノート型や廉価なものはスイッチに「メンブレン」というラバー膜とプラスチックのバネ状パーツを被せてその柔らかい反動で戻るタイプが主流だが、ゲーミングキーボードは内部に極小バネなどの機構を仕込んだ「メカニカル軸」と呼ばれるタイプが主流となっている。
メカニカルはメンブレンより速度、正確性が圧倒的に優れているものの、軸パーツ一つで100円以上するためそれがキーの数だけ仕込まれたメカニカルキーボードは当然高価。
ちなみにこの軸は「青軸」「赤軸」「銀軸」など様々な種類があり、種類ごとに硬さや手応え、音などが違う。
PC専門店などでは展示品を触ることもできるので購入前はかならずチェックしておこう。
青軸などクリック音の強いタイプ(まるでタイプライターのような音がする)だと騒音としてトラブルの原因になってしまう事もあるので注意したい。
マウスの場合はサイドボタンを大量に備え、キーボード操作の一部を代用することで余計な腕の動きをカットし効率を上げるものや、あるいは筐体の肉抜きを行い凄まじいまでの軽量化を図り疲労を貯めにくくするというものが存在する。
しかし専用ソフトウェアで機能設定が必要なため、オフィス用途だと「業務に関係ないソフトを入れない」という社内運用ルールに反する恐れもある。
とはいえゲーミングマウスはビジネス用途でもなかなか便利なので操作設定がメモリ内蔵型のマウスをプライベートPCでボタン割り当てしてしまいソフトレスでうまく使ってしまうのもアリッちゃアリ。
逆に、ゲームに特化したものを選べばゲームプレイは非常に快適になる。キーボードとマウスはぜひ自分に合ったものを選びたい。
ちなみに高級なマウスはとても滑らかに操作できるのだが、この操作感はマウスの底面に貼ってある「ソール」という接地面の素材に大きく依存する。
同じマウスでもソールを変えることで劇的に操作感や手首への負担が変わってくるので、しっくりこない場合は交換も検討してみよう。
場合によっては既存マウスにちょっと良い値段の汎用ソールを張り替えるだけでかなり操作感が向上することもあるのでマウスにお金をかけられない場合はそういう対処も考慮に入る。
そして、マウスと対になるマウスパッドだが、FPSなどに用いるものは一般的な型と比較して大きいものを使用する事が多い。
大きいパッドの上で操作すれば細かく操作しなくても精度を高められるので、高級品でなくとも購入を検討しよう。
ゲーマーの証、ヘッドセット
「ヘッドセットをつけた海外の若者が、パソコン画面に向かって饒舌にしゃべりながら軽快にキーボードを叩く」…というのはステレオタイプなPCゲーマーのイメージだが、実際にチャットしながらプレイするならヘッドセットは必須である。
チャットはしないという人はヘッドホンやスピーカーでも良いが、イヤホンは長時間の使用で耳や聴力にかなりダメージがあるため避けた方が良いだろう。
ヘッドセット・ヘッドホンには無線と有線があるが、無線は取り回しが楽で快適な一方、ある程度の音の遅延が避けられない(ロジクール製など一部に例外もあるが、総じて高額な傾向にある)。そして充電などの手間もある。
有線は逆に安価に遅延を最小限にできるが、ケーブルは煩わしい。サラウンドタイプのヘッドホンなら、より高い没入感を得、音の発生位置を把握しやすくできる。
FPS/TPSでいわゆる「サウンドプレイ」(足音や銃声などを聞き分けて、どこで何が起こっているか音でも把握するプレイスタイル)をしたり音ゲーをするなら、基本的には「有線サラウンドヘッドホン」一択になるだろう。
ゲーミングPCらしい見た目
ゲーミングPCの大きな特徴の一つが、その見た目である。
大きく主張するデザインのケース、冷却ファンの回転するLED、仰々しい水冷装置の配管、カラフルに点灯するキーボードとマウス…など。
これらは外から見た「ゲーミングPC」のイメージそのものである。
最近のケースは「透明な面が複数用意され中身をあえて見せる」ように設計されたものも多く、マザーボードによっては各パーツのLEDの変色パターンを統一して管理する端子を用意していたりする。
比較的大きな部品であったHDDが小型のSSD、更には配線不要でマザーボードに組み付けるm.2 SSDへと進歩したことや、かつてほぼ標準搭載だった内蔵マルチディスクドライブやメディアカードスロットがほとんどのPCで非採用となりつつあることから機内構造にかなり余裕ができ、スイッチなどが天面にあって前と横がアクリル板の筐体なども増えてきている。
また、配線が減って中が見えやすくなったことでマザーボードやファン、メモリすら装飾が派手だったりLEDが内蔵されていたりするものもある。
更にここ数年のケースは基本的に裏面配線に対応しており、マザーボードなどもいかに無駄なく美しい配線を実践できるかも腕の見せ所になっている。外部パーツのキーボードやマウスも鮮やかに発光するものがほとんどだ。
そんな「こだわり抜いた愛機の見た目」も、ゲーミングPCを構成する大きな要素なのである。
もともとは海外でのゲーム配信の際、配信者が顔出しする際に背後にゲーミングPCが映り込むため、そこを映えるようにすることで再生数アップに繋げるところから発光が当たり前になるほどの需要が出来たと言われている。
海外ではゲームをプレイして実況するストリーマーが大流行しており、そのストリーミングではゲーム画面のみならず、自身のPCを紹介するシーンもある。RGB LEDつきだと見栄えが良いから、テーマが統一できるからといった理由で歓迎されているのだ。 - ゲーミングの話題で終始した2018年のCOMPUTEX ~会場で気になったそのほかのモノ編 - PC Watch
また通常は見た目で分からないPCのパーツ構成やスペックを外部から可視化して、「自分はこんなパーツを使っているぞ」と、率直に言えば「見せびらかしたい」需要もある。
つまり配信でもしない限りそんなの誰も見ない自己満だろとか言うな
そのような派手な装飾がエスカレートした結果、ネット上では「七色などでやたら派手に発光すること」が「ゲーミング〇〇」と半ば嘲笑的なスラングとなってしまっている。
ゲーミングPCメーカーについて
ゲーミングPCを生産するメーカーは、主にBTOショップ系と外資に分かれる。
BTOショップ系とはパソコンショップが、顧客の代わりにGPU、CPU、マザーボード、メモリ、ケースなどを組み合わせて作り上げるもので、規模の違いによって大手と中小に分かれる。
大手系はショップというよりメーカーとして規模が拡大してしまったもので、実際に企業系列(フロンティアとTSUKUMOはヤマダ傘下)になっているものもある。特徴としてはショップというよりはメーカーなので、パーツの大量調達などによってコストダウンが可能といった具合に一般のメーカーよりも安い値段で高いゲーミングPCを手にいれることができる。初心者がゲーミングPC選びに迷ったらココといっても間違いはない。ただし、ドサクサに紛れてGPUがないPCをゲーミングPCとして売りつけてくることもあるので注意。
欠点は、中小系に比べると選択できるパーツの幅が狭いこと。ドスパラでいえばマザーボードの選択はできず、GPUのメーカーもPalit一択になる。また、冷却系もカステムできる要素は少なく、筐体もメーカー制作のものに限られる。
代表例はドスパラ、マウス、フロンティア、TSUKUMO、パソコン工房
中小系は個人経営のパソコンショップが組み立てを代行しているような形になっており、顧客の細かい注文に応えてくれるのが特徴。例えばマザーボードも選択できるし、ケースやGPUの選択の幅もきめ細かい。何よりも、お金があればCPUにIntel XEON wといったアホな注文にも応えてくれるのが中小系ならではだろう。ただし、顧客にもパーツに対する知識が必要になる。欠点はやっぱりコストがかかってしまうこと。あくまでも個人作成なので納期に時間がかかることだろう。もっとも、外資系は週単位でかかることも珍しくもないし、ドスパラのように今日注文したら、明日には届くほうが異常なのだが。
代表例はサイコム、パソコンショップSeven、STORMなど
外資系は海外大手PCメーカーによるBTO型の既製品であり、主にゲーミングノートが多いがデスクトップ型も販売している。コストパフォーマンスは日本の大手BTOショップと同程度だが、カスタマイズ性がより低くデスクトップ型でもメモリの増設すらできないことが多い。OSが違うApple以外であれば大手はほぼ販売しているが、一般向けPCの方に力を入れていて、ゲーミングPCは割高設定になっている会社もあったりするので注意。
代表例はLenovo、ASUS、HP、MSI、Dellなど
近年では富士通を初めとして国内メーカーもゲーミングPCを出している場合があるが、国内メーカーのPCは不要なソフトがてんこもりだったり割高だったり結局パーツはほとんど海外製(国産を謳っていても海外製部品を国内で組み立てているだけ)なのであまり質的に変わらなかったりとオススメできない部分もある。
ポータブルゲーミングPC、ノートPCについて
近年は内蔵GPUの性能が上がっており、小型ディスプレイであれば設定を下げればプレイできるようになったこともあり、各社がこぞって出している。
この分野はASUSが先行しており、2025年にはXBOXのポータブル機を共同開発するなど元気が非常にいい。MSIやNVIDIA、中華メーカーらが追う展開だが、大手の中華メーカーの中ではZTEのREDMagicのブランドが大手PCメーカーであるLenovoのポータブル部門を抑えるほどの勢いがある。変わりどころではSteamでお馴染みのValve Corporationが出した専用機のSteam DeckもAMDと共同開発したポータブルゲーミングPCであり、後付けでちゃんと別のOSも入れられたりする。
しかしいくら内蔵GPUが良くなったからといって、外付けGPUを搭載したゲーミングPCや超高性能ゲーム機である最新型のPlayStationやXboxには逆立しても勝てないので注意。
特に内蔵GPUはRAMをCPUと共用する点が足を引っ張っており、ベンチマークの額面を大幅に下回ってしまうケースがほとんどである。あくまで携帯ゲーム機の範疇に過ぎず、ガチでやるなら最低でもゲーミングノートPCは用意すべきである。
ゲーミングノートPCも特に電源と排熱、サイズ周りの制約が厳しく、数字上は同じ型番のグラフィックボードを積んでいてもデスクトップ型と比べて明確に性能が劣る。逆に言えば同じスペックを求める場合デスクトップ型より上のクラスのグラボが必要となり明確に値段が上がる。
またグラフィックボード搭載型ノートは消費電力が通常のノートと比較にならないほど高いため、ほとんどの場合バッテリーの耐久時間が著しく劣り、特にゲームを電源なしで使用した場合あっという間にバッテリーが尽きてしまう。(バッテリーを節約するためグラフィックをGPUかCPUかで変更する機能もあったりするが、ノートのCPUだけでPCゲーム画面をまともに動かす事は不可能に近い)
そのためノート型とはいえ電源無しで遊ぶことはあまり現実的ではない。
そしてグラフィックボードや大型ファンなどを内蔵する都合上、ノートPCとしては大きく厚く重くなるので持ち運びも大変。
さらにノートという形状のためモニタサイズも18インチがほぼラインナップの上限となり、どうしても画面は小さくなってしまう上にキーボードはハイエンドですらメカニカル式でない事がほとんどなので操作性も劣る。
2in1のようにモニタをキーボードと分離できるゲーミングノートは現状のラインナップにほぼ無いため、別途用意したゲーミングキーボードなどを置くにも取り回しが面倒。
何より、パーツを交換しながら長く使うというPCのメリットを全く活かせなくなり、故障や型落ち時に丸ごと買い替えないといけなくなるのでコストパフォーマンスが非常に悪くなる。
(特にPCの中でも故障頻度の高いモニタやグラフィックボードを自主交換できないのは痛い)
持ち運びの多い学生や出張族などでなければノートPCをメイン機としてゲームをするメリットはあまりないと言えるだろう。(お金に十分な余裕があればサブ機として利用する選択肢はもちろんあり)
むしろ省スペース高性能であることに着目し、PhotoshopやIllustrator、その他AIや映像編集、グラフィック関連などの高スペックが必要な専門分野でゲーミングPCが使われる事も多かったりする。
価格について
PCのパーツは頻繁に最新版が発売され、基本的にほぼ全てが海外輸入品(あるいは輸入パーツを国内で組み立てたもの)となる。基本的に(いくつもの例外はあるが)新製品は旧製品の性能を上回り、同時に価格も上がる。
そしてPCパーツ市場は比較的ニッチな市場なので、ちょっとした要因で品薄になってしまう。
そのため需給バランスや円相場、新製品投入やその前の旧製品終売など様々な要因で価格が乱高下する。
瞬間的に値段が二倍や三倍になるなどはさして珍しくもなく、落ち着いたら値段がもとに戻ったり、数年単位で高騰しっぱなしという事もある。
待っていたら次の製品が出てしまった、などという話もザラなので、購入前にある程度の情報は収集して瞬間的な暴騰は避けつつ、どこかで踏ん切りをつけて買うしかない。
一応、高価な買い物ということもあって各社はボーナスシーズンや年度末、ブラックフライデーなどに大規模なセールを展開する。
10万円単位の買い物で数割の割引が入れば万単位の差が出るため、そういう時期を狙うのも良いだろう。
※もちろん、セール対象が最新型でなかったりセール直後に新型が出てすぐ型落ちになったり、そもそもセール時に暴騰していて大して安くなかったりするのもよくある話。買ってしまった後は値段に固執しないのが精神衛生上よいだろう。
周辺家具ついて
PCだけでなく、椅子や机などもゲームに最適化された(事を謳った)ゲーミングチェアやゲーミングデスク、果てはゲーミングベッドなども存在する。
特徴としてはチェアであればスポーツカーのようなバケットシートにレザー(合皮のことも多いが)で黒基調で青や赤などを配色した派手目のカラーリングだったり、机であればLEDが仕込まれていて派手だったり、高級なものだと電動昇降機能が付いていたりする。
良くも悪くもおおよそ一目見れば「ゲーミング〇〇」だとすぐに判るので、普通の家具かゲーミング家具を使うかは好みで決めて良いだろう。
ただし普通の家具以上にゲーミング家具は品質のピンキリが激しく、「ゲーミング」と付けただけで値段が跳ね上がっていたり、海外製でやたら粗悪だったりする事も多々ある、というかはっきり言えば粗悪品の方が多い。
特にチェアは身体を長時間預けるものだがフィット感のあるレザー調の材質は夏場とても暑いなど欠点もあるので、可能な限り店頭で実物を確認するなどして購入することが望ましい。
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関連項目
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