「ゲーム攻略サイト」とは、ゲームに関する様々な情報を扱うWeb上のサイトのことである。
単に、攻略サイトと呼ばれることもある。
概要
インターネット上には個人・法人を問わず多数のゲーム攻略サイトが存在し、それらは主にテレビゲーム(現在はスマホやソーシャルゲームも含む)の情報交換を目的としたデジタルの情報サイトである。
時代の変遷とともに、かつては口コミや紙の攻略本に頼っていた攻略や裏技の情報はネット上で語られるようになり、個人作成のホームページの時代を経て、現在は即時性があり誰もが編集できる攻略Wikiが主流となっている。
その他、企業が管理する攻略サイトからまとめサイトまで、ゲーム攻略に関連する情報を扱っているものは、同様にゲーム攻略サイトと呼ばれる。
歴史
1980年代 攻略本の時代
- 1980年代、ファミコンを代表とするテレビゲームの人気が加熱すると、ゲームの攻略情報をまとめたゲーム雑誌や攻略本の需要が高まった。
各出版社は競い合うように攻略本を出版し、攻略本は書籍の売り上げランキングでも上位に顔を出すようになり、その存在は一般にも認知された。
1990年代 ゲーム攻略サイトの誕生
- 1990年代に入りニフティサーブ等のパソコン通信での交流が始まり、その後Windows95を契機にインターネットが普及すると、ゲームの攻略情報は紙面上からネット上へと舞台を移していく。
- 個人でホームページを簡単に作成できるようになったことで、各種ゲームの熱心なファンが作成した「ゲーム攻略サイト」が自然発生的に誕生する。
そこではゲームの進行に関する攻略や裏技が公開され、質問掲示板等での情報交換が行われた。
そして、新作旧作を問わず同様のサイトは爆発的に増殖していった。
かくして、ゲームの攻略はネットで調べる時代となる。
2000年代 主流はWikiと動画へ
- 2000年代、ゲームメーカーの公式サイトも作られるようになり、それらにはファンが交流するためのBBS(ネット掲示板)が設置され、ゲームファン同士の情報交換が盛んになった。
この時期には、ワザップ!を始めとした企業が作成した掲示板投稿型の情報サイトも多数作られている。 - 不特定多数の人間が交流できる2ちゃんねる等のWeb掲示板が登場すると、BBSでの情報交換が一般的になっていき、それに連れて誰でも編集できる攻略Wikiが作られ、主流となっていく。
ゲーム攻略サイトは集合知によるWikiの時代となる。 - また、YouTubeやニコニコ動画の登場により、多数のゲームプレイ動画が投稿されると、ゲーム攻略は動画と配信の時代に突入し、攻略の利便性は飛躍的に高まっていく。
- 一方、攻略本の市場は、物量と即時性のある攻略Wikiの趨勢に押されて次第に縮小していき、公式の資料や画集としての存在価値に比重を置くことで、ファンブックとしての側面を強めていく。
- また、公式サイトのBBSは苦情を書き込む場へと変化し、ネット炎上の火種を抱えることになったため、そのほとんどが急速に姿を消した。
2010年代 まとめサイトと企業型ゲーム攻略サイトの問題
- 2010年代、ゲーム攻略サイトは需要のピークを迎えるが、アフィリエイト等の広告収入を目的とした類似サイトやまとめサイトが乱立され、攻略情報の盗用が問題となっていく。
- また、オンラインゲーム等ではゲーム内の対戦や流通要素のため有益な情報は表には公開されず、身内だけで共有する文化も生まれ、そういった情報交換の場はネット掲示板ではなく、まとめサイトやより閉塞的なSNSへと移っていく。
- 近年は、SEO(検索エンジン最適化)対策を施した企業型ゲーム攻略サイトの問題が顕在化している。
これらのサイトは入れ物だけを作って中身のないものが多く、収益に特化したそういった悪質サイトが幅を利かせることで、優良なゲーム攻略サイトがネット検索で目立たなくなっていることが問題視されている。代表的なのはGamewithやアルテマ、Game8といったサイトがこの悪質サイトを蔓延らせている。 - 2019年3月31日、Yahoo!ジオシティーズのサービス終了により、インターネット黎明期に作られた個人ホームページが一斉に消滅し、古いゲームを扱った多数のゲーム攻略サイトが失われた。
個人の攻略サイトについては、ジオシティーズに限らず、時代とともに管理者の高齢化問題もあり、情報の保全が必要になってきているとも言える。 - 2019年、ゲーム市場の縮小やネット掲示板の変化に伴い、情報交換の場は次第にTwitter等のSNSへと移っていることもあり、攻略Wikiもかつての勢いを失ってきている。
2020年代 攻略本復権の時代?
- 2020年、新型コロナ禍の影響で巣ごもり需要が拡大し、ゲーム業界は想定外の好景気にわいた。
そんな中、「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットしたことで、それに伴い発売された公式攻略本は売り切れが続出し、一時は入手困難になるほどの大人気となる。その要因のひとつは、ネット上のゲーム攻略サイトがまったく役に立たないため、皮肉にも攻略本への需要が復活したからだとも言われている。
関連項目
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