コウモリダコ(Vampyroteuthis infernalis)とは、深海に生息している頭足類の一種である。
概要
八腕形上目・コウモリダコ目・コウモリダコ科に属する頭足類。名前にもタコとついているし、8本の腕をはじめとした体の様々な特徴や体の構造もタコに似ているが、実際はタコの仲間では無く、タコとイカが分化する以前の祖形を継承している現生種(生きた化石)であると考えられている。コウモリダコの仲間はジュラ紀に繁栄していたとされる。
体長は10~15cm。しかし、最大で30cmほどになることもあるという。体色は褐色でゼラチン質の体をしている。大人の体には1対の鰭がある。膜状の鰭が張られた足の裏側には棘(触毛)が生えており、敵に襲われると膜を裏返しにして全身を棘で包みこんで防御する性質を持つ。その姿が裏返ったコウモリ傘に似ていることから、この和名がつけられた。
上で8本腕と書いたが、本当は腕は10本あり、2本はセンサーの役割を持つフィラメントという伸び縮みする紐状の器官に変化している。また、全身に発光器があり、自在に光ることができる。特に鰭の根元と腕の先端の発光器が大きい。
ちなみに、学名を直訳すると「地獄の吸血イカ」になる。…といっても、別に血を吸うわけではない。天敵の少ない低酸素地帯でひっそりマリンスノーを食べて暮らしている平和主義者である。
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