『コズミックウォーズ』とは、コナミのファミリーコンピューター用シミュレーションゲームである。
概要
1989(平成元)年8月4日、コナミよりファミコン用シミュレーションゲームとして発売された。
当時のキャッチコピー『グラディウスは局地戦に過ぎなかった!』のとおり、人類側の戦闘機「ビックバイパー」やバクテリアン側の艦艇「ビッグコア」「ゼロス要塞」といったアイコンが登場し、同社のシューティングゲーム『グラディウス』シリーズの世界観をモチーフとする。このため宇宙空間を舞台とした、スペースオペラ的な恒星間・異星文明間戦争を題材としている。
上記のとおりグラディウス世界をモチーフとしているものの、地球側リーダーのローマ帝国的色彩や、ヴェノム博士似のバクテリアン種族が登場するなど、アーケード版1やその各移植版作品世界よりも、どちらかといえばMSX版『グラディウス2(に)』の色彩が強い(ヘヴィメタル的要素はない)。
ただ本作における設定がその後のアーケード版Ⅱ・Ⅲや、MSXなどの後継グラディウス世界にフィードバックされた形跡も無いため、「グラディウスの色彩を帯びた独自作品」と扱うのが良さそうである。
本作内にもグラディウスシリーズの舞台であった惑星グラディウスやラティスと言ったおなじみの地名は登場せず、登場する機体もビックバイパー、ビッグコア(と系列の新型リトルコア)、ゼロスしか出ていないのは少し寂しい。
ストーリー
プロキオン星系に、人類初めての恒星国家が築かれた。
宇宙歴はここに始まる。
最初の恒星国家成立から約100年後、(宇宙歴106年)トライアングル星系国家が新たに誕生。その後数々の宇宙開発の発展と共に、人類は次々に新星系国家を成立していった。
宇宙歴
230年、ダイヤモンド星系国家誕生。
382年、カシオペア星系国家誕生。
418年、ウサギザ星系国家誕生。
532年、オリオン星系国家誕生。
604年、アンドロメダ星系国家誕生。
そして、宇宙歴639年、人類はケンタウルス星系の開発に着手した。しかし、同星系恒星シセインの第3惑星を調査中の一行からの連絡が突然途絶えた。
緊急追跡調査の結果、巨大隕石の衝突による事故と断定。翌年、本格的な原因調査のため、多くの無人探査船が同惑星に向かった。
宇宙歴645年、帰還した無人探査船はわずかに一機。しかし、そこにもたらされた情報に人々は戦慄した。恒星シセインの第3惑星の事故は、隕石の衝突などではなかった。何者かによる故意の攻撃で、調査隊は全滅したのである。
人類は、未知の生命体と、最も悲劇的な出会いをしてしまったのだ。
宇宙歴649年、各星系は未知の生命体からの攻撃を受けた。これに対し、全恒星国家は強力な団結のもと応戦。
ここに、いまだかつて人類が体験しえなかった壮大な宇宙大戦“コズミックウォーズ”が開始された。
ゲームとしての特色
これまでにも述べられたとおり、本来シューティングゲームである「グラディウス」の作品世界をもとにしたシミュレーションゲームであるが、このほかゲーム上の特色としては
- 相互ターン制をとっており、そのターンのなかでも艦隊建造や恒星間移動(ワープ)、占領惑星への投資などの行動フェイズを一巡して作戦行動をする
- 艦隊を構成するユニットに「フラグシップ」「空母」があり、前者はユニットを破壊された場合、こちらが優勢であってもその指揮下の全艦艇が消失し、逆転されてしまう。後者の空母は「ビックバイパー」や「バトルスーツ(人型戦闘ロボット)」といった艦載機のワープの際に必要となり、空母ユニットが撃破された状態で艦隊がワープすると、艦隊指揮下の艦載機が時空のかなたに消失する。
※フラグシップは本来、艦隊司令官と幕僚の乗る「旗艦」の意味であり、現在の水上艦隊においてそういった専門・専用の艦種があるわけではない。このため、海外版では「ワープベース(WARP BASE)」という艦種となっている。 - 惑星攻撃・占領はどのユニットでも可能なわけではなく、大型ミサイルを用いた惑星攻撃用の艦艇が存在する。敵首都(主星)攻略が勝利条件のため、必ず必要となる。
- エンディングムービーで愕然とする
関連動画
コズミックウォーズに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
ちょっといいはなし
商業的には本作の前年に発売された任天堂『ファミコンウォーズ』ほどの成功はなかったものの、宇宙艦隊を運用して戦うゲームということで『銀河かまど伝説』 『銀河英雄伝説』ファンの注目もおおく集まり、当時のゲーム雑誌『ファミコン必勝本』においても「余はこの星系を欲する!」などといった台詞の登場する「どう読んでも銀英伝」といった感じの小説風記事が掲載された。
フェイズ制や一発逆転も可能なフラグシップ制などの工夫の甲斐あって、ゲーム自体も初心者からボードSLGファンまで幅広く楽しめるものであり、思考ルーチン強化と処理高速化を施した続編・リメイクを待望する声も根強い。
1997年に、『パロディウス』シリーズの世界観のシミュレーションゲーム『パロウォーズ』が製作された。
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関連項目
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