コピーコントロールCDとは、主にPCにおいての複製(合法的な私的複製を含む)抑止を目的に開発された技術を導入した音声記録媒体(主にコンパクトディスクを利用)を指す。略称はCCCD。
2002年3月から導入が始まったが、iPodなどの急速な普及により、2004年10月から段階的に廃止された。
技術的仕様
コンパクトディスク(以下CD)に記録された音楽データには、再生時のデータの読み取り誤りを訂正するためのエラー訂正符号を埋め込むことが仕様として定められているが、
そのエラー訂正符号を意図的に壊すことによって誤り訂正機能が正常に働かなくなり、結果的に「コピーを抑止する」ことを狙っている。
問題点
音楽データの読み取り誤りを意図的に引き起こすので、ジッターの発生の増加によってオーディオCDプレイヤーでは「音質の低下」が顕著に表れる。そのため、CCCDを嫌うアーティストは非常に多い。
「誤り訂正」の頻発により、プレイヤー/ドライブに多大な負荷をかけるのが特徴で、最悪「ドライブの破損」を引き起こす可能性が早くから指摘されていた。
また「音楽CD仕様を定めた規格(レッドブック)」から逸脱した仕様であるため、
機器メーカー側では正常な再生や動作を全く保証していない。(規格外のため保証もできない。)
加えて、CCCDの再生に起因する故障はメーカー保証の対象外であり、有償修理または修理拒否となる。
また、コピープロテクトの範囲が「WindowsOSを搭載したPC」に限られ、MacOS環境下では一切無力であり
「知らない人間だけが損をする」一方的なシステムとなっている。
加えて「プロテクトの仕様上」、Macintosh環境下では「技術的保護手段の回避」には該当せず、
また「コピーコントロール」であり「コピーガード/コピープロテクト」ではないということから
「私的複製権の例外条項」にも合致しないとも言えるため、プロテクトの導入目的すら曖昧な存在になっている。
現在は下記導入している企業のリストを見てもわかる通りほとんど使用されておらず、CCCDで発売されたアルバムについても後に通常のCDで再販されている物もある。
亜種CDについて
ソニー・ミュージックエンタテイメントは、レーベルゲートCDと呼ばれた独自開発の技術を搭載。
PCで再生する際には、MAGIQLIPを通してインターネットでIDを認証させ、初回だけ無料で、以後ユーザーの有償でコピーさせるというものだった。
当初は一度ハードディスクにダビングしなければ再生できなかったが、後に直接再生できるように解消。
運用は2003年にシングル盤限定で始まり、2004年からアルバムにも適用されるようになった。
しかし、iPod普及に加え、インターネットが使えないと再生できない、開発コストがかさむなどの理由から、10月に廃止を表明。この間に発売された作品は、レッドブックの規格に適合する盤で再販されている。
CCCDを導入している企業(過去を含む)
- EMIミュージック・ジャパン(邦楽部門は撤退/セキュアCDに移行)
- ソニー・ミュージックエンタテインメント(公式撤退)
- ワーナーミュージック・ジャパン(公式撤退)
- ビクターエンタテインメント(事実上の撤退)
- ポニーキャニオン(事実上の撤退)
- キングレコード(試験的採用のみ)
- ユニバーサルミュージック(事実上の撤退)
- テイチクエンタテインメント(事実上の撤退)
- フォーライフ・ミュージックエンタテインメント(事実上の撤退)
- エイベックス(販売用は公式撤退/レンタル用は2007年2月解禁分まで継続)
関連項目
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