コボルドとはTRPG『ソード・ワールド2.0』に登場する架空種族である。
そして、愛すべきモフモフである。
概要
コボルドとは、ドイツの伝承にある妖精である「コボルト」の別の呼び名であり、日本においては「ウィザードリィ」シリーズの影響で犬頭の獣人が一般的にイメージされる(実際のドイツ伝承では醜悪な小人の姿であり、一説には英語圏における「ゴブリン」の元ネタであるとされる。)
ファンタジー作品にもよく登場するが、たいていが『雑魚』の代名詞といえる扱いとなっている。
ソード・ワールド2.0の舞台であるラクシアにおいてもそれは同じであり、一般的なコボルドは冒険者技能なしの一般人(平目での判定)と殴り合いをして負けかねない程度の能力しか持たない。知力はそこまで低く無いが、知能はあまり高くなく、恐怖を覚えるとその衝動のままに逃走を始めるレベルである(損得勘定はあるので、逃げるともっと怖い目にあう場合は逃げない)。
その代わり器用な手先を持ち、料理など戦闘以外の器用度関係の行動は得意。
コボルドは人族の敵対者である蛮族の中でも最下級の妖魔、その中でも底辺の奴隷階級であり、基本的に蔑まされ虐げられる立場にある。「蛮族の中で、唯一労働を強いられる事が確定している種族」と言ってもいいかもしれない。
その長らく奴隷として扱われた年月で培われた忍耐力と忠実さ、誠実さを持ち、蛮族社会を支える立場にあるのだが、たいていの場合、その忠誠が報いられる事はまずない。
蛮族社会での酷い扱いに耐えかね、人族社会に逃げ込んでくるコボルドは少なくない。前述の奴隷扱いにより培われた特性により人族社会への親和性は高く、労働力として人族社会で働くコボルドも決して少なくない。冒険者の店などで見かける事もあるだろう。
また、このコボルドは蛮族PCとして選択することも可能である。正体を隠すことはほぼ不可能だが人族社会でも良く見かける種族である為、蛮族をよほど敵視している地域で無い限り、冒険者として普通に活動する分にはあまり大きな問題は発生しづらい(蛮族が嫌いな相手に嫌われたり、侮られたりは普通にありえるが)。
ただし、[種の限界]という『全ての冒険者レベルを5までしか上げられない』という致命的な種族特徴を持っているため、低レベル時はともかく、高レベルプレイや長期キャンペーンには何らかの工夫かてこ入れが必須である(魔剣の力を借りれば[種の限界]を突破できるという事例が公式リプレイで示されている)。
また、初期能力値が他種族に比べて致命的に低いという問題があり、他の蛮族PCとはまったく別の問題を抱えたプレイとなるため、『あえてコボルドをやりたい』という方以外にはあまりお勧めできない種族ではある。
しかし、モフモフは正義であり、あえてその道を進む勇者には賞賛の言葉を送りたい。
(PCとしての)種族の特性
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
B | B | E | E | B- | B- |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
何の技能に向いていると言う以前に、とにかく弱い。魔法技能やシューターなどへの適正はそこまで低く無いが、筋力と生命力が低い為、戦士系技能を取って前に出るのは(不可能では無いが)かなりリスクの伴う選択となるだろう。
また、前述のとおり種族特性[種の限界]の効果により冒険者レベルを5までしか上げられないため、長期キャンペーンにこの種族で挑むのはかなり挑戦的な行為になると思われる。本人が活躍できないだけならまだいいが、他のPLやGMに迷惑をかけることになる可能性があるのが心苦しい。それでもやりたいと言うのならば、他PC以上に考えた運用を行う必要がある(下記のビルド例に一例を挙げているので、参考にされたし)。
ちなみに、HPを上昇させる手段に乏しいため、生命力へ成長を優先して振りわけるなどで頑張っても落ちるときは簡単に落ちる特徴がある。仕様と思って諦めよう。
(※:一応<穢れの酒>などを用いることで補うことも可能ではあるが、非常にリスクが高いのでご利用は計画的に)
種族特徴は[種の限界]、[軽視]、[小さな匠]の三つ。
[種の限界]については前述のとおり。5レベルまでしかレベルを上げられない事に関連して、戦闘特技が3つまでしか取れない点にも留意しておこう。
[軽視]は一回の戦闘に一回だけ、自分を対象とした攻撃や特殊能力を他PCに向けるようにGMに要求できる能力で、たいていの場合においてHPが他種族より低いコボルドPCの緊急回避としてつかわれる。
[小さな匠]は戦闘時以外の器用度を基準とする行為判定において+2のボーナスを得られると言うもの。冒険者レベルをあまり上げられない為低レベル時の解除判定や応急手当などでしか活用できないが、一般技能の判定やAWの加工判定でも有効な為、フレーバーや補助的な使い道は存在する。
蛮族PCが持つ弱点は「魔法ダメージ+2」。冒険者レベルが上げられない以上、弱点隠蔽判定の達成値を上げる事も難しいので、冒険者レベル6~7以上が基本の高レベルセッションにコボルドで参加した場合はもう「弱点は抜かれるもの」と諦めた方が良い。
ビルド例
序盤はともかく、後半は補助に回るのが良策。高レベルセッションなら複数のビルドの複合もあり。
マルチタイプ魔法使い型
「5レベルまでしか冒険者レベルを上げられない」と言う事は、『6レベル以上に上げるのに使う経験値を他の技能をとる分にまわせる』と言う事でもあり、他種族のであれば冒険者レベルを上げていく関係上やりづらい複数技能並行伸ばし、それも低レベルの魔法技能の複数取りを行い、補助や回復補助として立ち回る事がコボルドでは普通に推奨される。
WT導入卓で【タフパワー】を配るなど、『他のPC達が補助に回らずにすんだり、他の強力な補助に専心できる』環境を作り出す事を目的としたビルドである。
また、MPは「習得している魔法系技能のレベルの合計×3+精神力」なので、冒険者レベルを上げられないコボルドでも、この方法でMPだけは他PCに見劣りしない水準のものを確保出来ることも大きい。
必須の戦闘特技は《魔法拡大/数》。《魔法拡大/距離》で前線から離れた場所で安全を確保しながら援護を行う事も、他PCに負担をかけないと言う意味ではかなり良好。他には《MP軽減》や《魔法拡大/範囲》などが推奨。
剥ぎ取り特化サカロスプリ+【イニシアティブブースト】アルケミ型
スカウト5レベルで《トレジャーハント》、セージ5レベルで《鋭い目》を習得し、<幸運のお守り>を装備し、サカロスの特殊神聖魔法【ギャザー】を使うことにより、戦闘後の戦利品獲得で真価を発揮するタイプ。戦闘中は回復補助などしかできずあまり活躍する事はできないが、それでもPTに対してそれなりに貢献できる。
また、そうやって資金稼ぎをしつつアルケミスト技能を上げ、溜めた金で賦術【イニシアティブブースト】を用いて先制習得に貢献するという活躍も可能である。賦術以外ではさしてお金を使わないスタイルなので、SSランクを視野に入れることも出来るのは大きい。
(基本的に戦闘の最初と最後に活躍の場があるタイプなので、危険な戦場ならばPTメンバーの許可を取って安全な位置まで離脱するという選択もある。イニブSSを撃ったりしているならば、少なくとも役立たず扱いはされない)
重要なのは自動習得戦闘特技な為、戦闘特技の縛りは特に存在しない。
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