コミカライズ(和製英語: comicalize)とは、アニメ・ゲーム・小説等、漫画以外の媒体の作品を漫画にすることを指す日本語である。漫画化。
概要
他媒体ですでに発表されているものを漫画化することであり、小説・映画・ドラマ・ゲームなどが漫画化されてきた。子供向けの学習雑誌などでは古典的な冒険小説や偉人の伝記などがコミカライズされることもある。
かつては「マンガ化」という言葉が一般的だったが、2000年頃から急速にこの「コミカライズ」という和製英語が普及し始め、現在ではごく当たり前に各誌の誌面に登場するまでになっている。
しかし、コミカライズという語を厳密に分析すると「コミカル(comical)」+「~にする(-ize)」であり、あたかも微笑ましくギャク化するような語感になってしまうので、いくら日本人に難しいとされる L の発音がきちんとできたとしても、当然「マンガ化する」という意味で国際的に通用するものではない。
とはいえ、コスプレという和製英語(cosplay 。ちなみに costume play という英語は「歴史劇など、相応の衣裳(costume)を身につけて演じる芝居(play)」)が英英辞典に載ってしまう昨今、ひょっとしたら何年か後に comicalize も convert other work into manga の意味で世界中・・・の一部界隈で浸透しているかもしれないし、していないかもしれない。
コミカライズ/漫画化の歴史
古くは歴史小説などが漫画化されていた。著名なところでは、横山光輝は1970年代から吉川英治の小説『三国志(吉川三国志)』をもとにして漫画『横山光輝三国志』を描いたり、1980年代には山岡荘八の『徳川家康』をコミカライズするなどしている。
90年代になるとテレビゲームの普及に伴い、子供向け雑誌などでゲームのコミカライズも増えた。ライトノベルが興隆するとそのコミカライズも多く行われるようになった。90年代後半以降になると角川書店のメディアミックスの一環などとして『リング』など実写映画・ドラマからのコミカライズも登場する。
2010年代後半あたりからはインターネット発の小説が多数商業出版されるようになったのに伴い、それらを原作としたコミカライズも増えた。
原作媒体との関係
コミカライズ自体は原作の宣伝・販促のため、メディアミックスの一環として展開されることが多い。
作画には新人漫画家に白羽の矢が当たることが多く、そのため評価の高い作品は生まれにくい。しかし、時々大物漫画家が担当したり、新人が才能を爆発させたりすることで傑作が生まれることもある。また、近年では実力ある同人作家の商業進出の道の一つとして確立しつつある。
基本的には原作通りやってればいいが、原作で説明、描写不足な点や矛盾等の問題点を加筆修正した作品は総じて評価が高くなる。無論、余計な要素を加えて評価を落とした作品も多数存在するので、原作者や編集がしっかりと監修することも大切なのだが。
出来のいい作品は原作の方でも漫画版独自の設定や台詞が逆輸入されたり、原作の記念イベント等でもかなりの好待遇で扱われるなど、単なる宣伝・販促のツールと馬鹿にできない存在だったりする。
主なコミカライズの一覧
- がんばれゴエモンシリーズ【帯ひろ志】
- 機獣新世紀ZOIDS【上山道郎】
- Canvas2~虹色のスケッチ~【児玉樹】
- 機動警察パトレイバー【ゆうきまさみ】(※原作: ヘッドギア。企画自体はOVAが先行)
- 銀河英雄伝説【道原かつみ/藤崎竜】
- 紅 kure-nai【漫画:山本ヤマト 脚本:子安秀明 コンテ構成:降矢大輔】
- 真月譚月姫【佐々木少年】
- 新世紀エヴァンゲリオン【貞本義行】
- STREET FIGHTER ZERO【中平正彦】
- STREET FIGHTER III RYU FINAL -闘いの先に-【中平正彦】
- 聖剣の刀鍛冶【山田孝太郎】
- どきどき魔女神判!シリーズ【八神健】
- ひぐらしのなく頃にシリーズ【作画: 鈴羅木かりん、方條ゆとり、鈴木次郎、外海良基、桃山ひなせ 他】
- 迷い猫オーバーラン!【原作:松智洋(漫画用の脚本も提供) 作画:矢吹健太朗】
- ロックマンメガミックス【有賀ヒトシ】
- ロックマンXシリーズ【岩本佳浩】
- ロックマンエグゼ【鷹岬諒】
- Roman【桂遊生丸】(※Sound HorizonのCDアルバムとのコラボ扱いだが、実質的にマンガ化)
- true tears【あさき】
- sola【阿倍野ちゃこ】
関連項目
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兄弟記事
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