コミックソングとは、歌に滑稽な持ち味を取り入れ、聴く人を笑わせることを目的として作られた曲である。ちなみにコミックソングとは和製英語であり、正しくは「ノベルティ・ソング(Novelty song)」と言う。
概要
コミックソングの起源は俗謡に遡ることができる。風刺や猥雑なコミカルなものが多かったため人々を介して世間に伝わり、替え歌も多く作られていった。
テレビ黎明~発展期にはハナ肇とクレイジーキャッツやザ・ドリフターズといったコミックバンドが隆盛を極め、後に所ジョージや嘉門達夫といったギターを片手にコミックソングを次々と発表するタレントが出てくる。
音楽や歌の中にどこか可笑しいと感じる部分がある歌全般を指す言葉であるため、音楽性のジャンルや歌い手の活動に囚われることはなく、アニメのテーマ曲や挿入歌にもコミックソングと言える歌も多数存在する。またコメディアンが歌うことが多いが本職の歌手・俳優やアイドルが歌う事例も意外と多い。
海外ではパロディソング(替え歌)を多数製作・発表しているアル・ヤンコビックがノベルティ・ソングの第一人者として有名である。マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」(Beat It)の替え歌「今夜もイート・イット」(Eat It)で「オレたちひょうきん族」に出演し、日本国内においてもその名を知られることとなった。本家を忠実にパロディ化し替え歌に乗せたPVはその完成度の高さから高い評価を得ており、ヤンコビックに自分の曲がパロディ化されて本家の方が逆に光栄に思うといった現象が起きているほどである。
アニメ界におけるコミックソングの第一人者といえば、山本正之の名前が真っ先に頭に思い浮かぶであろう。タイムボカンシリーズの主題歌などを多く作っただけでなく一般向けのコミックソングも数多く手がけており、間寛平の「ひらけ!チューリップ」や前出のつボイノリオが歌う「名古屋はええよ!やっとかめ」などで知られている。
気づいている人も居るかも知れないが、放課後ティータイムの「ごはんはおかず」や「カレーのちライス」などもコミックソングの手法を取り入れた楽曲のひとつである。
コミックソングを数多く発表している歌手・タレント等
- あのねのね - 『赤とんぼの唄』『ネコ・ニャンニャンニャン』など
- 王様 - 「直訳ロック」シリーズ各曲。
- 大瀧詠一 - アルバム『Let's Ondo Again』や死後発売の『大滝詠一 Novelty Song Book』などに多数のノベルティ・ソングが収められている。
- 嘉門達夫 - 『ゆけ!ゆけ!川口浩!!』『アホが見るブタのケツ』など
- グループ魂 - 『君にジュースを買ってあげる♥』『竹内力』など
- 小林旭 - 『自動車ショー歌』『恋の山手線』など
- さだまさし - 『雨やどり』『関白宣言』→『関白失脚』など →「まっさんの罠」も参照。
- ザ・フォーククルセダーズ - 『帰って来たヨッパライ』『水虫の唄』など
- 上海太郎舞踏公司 - 『交響曲第5番「朝ごはん」』ほかクラシックを原曲とする替え歌多数
- SEX MACHINEGUNS - 『みかんのうた』『ファミレスボンバー』など
- 仙台貨物 - 『芸スクール漢組!!』『うまなみで。』など
- ダウンタウン - 『Grandma is Still Alive』(GEISHA GIRLS名義)、『エキセントリック少年ボウイのテーマ』(エキセントリック少年ボウイオールスターズ名義)など
- つボイノリオ - 『金太の大冒険』『名古屋はええよ!やっとかめ』など
- 電気グルーヴ - 『スネークフィンガー』『MUD EBIS』など
- 東京プリン - 『携帯哀歌』『合コン哀歌』など
- 所ジョージ - 『組曲 冬の情景』『まったくやる気がございません』など
- ザ・ドリフターズ - 『ズッコケちゃん』『ドリフのズンドコ節』など
- とんねるず - 『一気!』『ガラガラヘビがやってくる』など
- NO PLAN - 『前略、露天風呂の上より〜芸人魂の詩〜』他アルバム収録曲など
- 間寛平 - 『ひらけ!チューリップ』『Jijy』など
- ハナ肇とクレイジーキャッツ - 『スーダラ節』『だまって俺について来い』など
- はなわ - 『佐賀県』『伝説の男 ~ビバ・ガッツ~』など
- バラクーダ - 『日本全国酒飲み音頭』『演歌・血液ガッタガタ』など
- ビッグポルノ - 『KING TIMER』『La buffo』など
- ブリーフ&トランクス - 『青のり』『コンビニ』など
- まりちゃんズ - 『尾崎家の祖母』など。派生ユニット「藤岡藤巻」名義でも多数発表している。
- MEN'S 5 - 『とってもウマナミ』『"ヘーコキ"ましたね』など
- モダンチョキチョキズ - 『ジャングル日和』『THE 絶望行進曲』など
- 森山加代子 - 『じんじろげ』『パイのパイのパイ』など
- 山本正之 - 『ひらけ!チューリップ』をはじめ、間寛平やつボイノリオなどに提供した前述の歌を山本自身も歌っているほか、コメディ・ギャグアニメのテーマ曲など多数
- 吉幾三 - 『俺ら東京さ行ぐだ』『俺はぜったい!プレスリー』など
関連動画
コミックソングに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
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