コルト・ファイヤーアームズ(Colt Firearms)とは、アメリカの銃器メーカーである。
概要
アメリカ軍のサミュエル・コルト陸軍大佐が1836年に創業した。
シングルアクションリボルバーを開発したことで世界的にも有名。
同社の製品の中でも、特に「リボルバー界のロールスロイス(高級車)」と謳われる“パイソン”や、大口径ピストルの代名詞といわれる“ガバメント(M1911)”は今もなお愛用される45口径の規格“45ACP”の祖であり、パテントが切れた今は数多くの銃器メーカーがM1911を改良した製品でシェアを競い合っているほどの優れた設計の品を輩出。
渋い質実剛健なフォルムと同時に米軍をはじめ、警察といった公的機関にこぞって採用されたというヒロイックなイメージのお陰で数多くの主人公系キャラクターがこれらの拳銃を握っており、メディアの露出の特に多い製品を手掛けてる。
例として「シティーハンター」の主人公・冴羽僚が使ってるのはパイソンの4inchである。
その他、ブローニングM1917重機関銃・ライフルM16、その発展型の現代型突撃銃M4カービンなど、銃器の設計者(ガンスミス)に恵まれたこともあって米軍の主力火器の製造に携わっている、まさに現代銃器のスタンダードを作った企業として、100年近いアメリカ軍御用達の銃器メーカーとして名をはせた。
現在
- リボルバーはスミス・アンド・ウェッソン社(S&W社)をはじめとした企業に技術・品質の面で後れをとる。
- シングル・アクション・アーミーを除くリボルバーの全ラインナップが生産終了に追い込まれる。
- M16の民間モデルAR-15も、スタームルガーミニ14に敗れ去る。
- M1911A1に次ぐ米軍制式拳銃の座は、他社に奪われる。
- 設計開発力も低下し、オールアメリカンやデルタエリートのような駄作を連発。
- 収益悪化と品質低下の悪循環
- そして経営破たんと政府による再建を繰り返す内に、M16の生産工場すら失ってしまう。
と、このように80~90年代はどうしようもない半死体企業に成り果てていた。
現在は経営を大幅に縮小・刷新し、軍・官向けの「コルト・ディフェンス」、民間向けの「コルト・マニュファクチュアリング」に分社化して立て直しを図っている。また、M16をライセンス生産していたカナダのディマコ社を買収して「コルト・カナダ」に社名変更、主力小銃の生産ラインだけでもかろうじて確保するに至っている。
2013年にはコルト・マニュファクチュアリングと合併して効率化を図る。しかし合併した段階で2億5000万ドルの負債があり、2014年11月に債務不履行(デフォルト)の可能性が発表されたことで、格付け会社のスタンダード&プアーズから格付けを「CCC-」に下げられ、2014年12月末までに償還資金がなければ倒産するところまで追い込まれる……が、11月18日にモルガン・スタンレーから7000万ドルの融資をうけたと発表され、とりあえず年末のデフォルトは防いだらしい。[1]
2015年6月15日、コルト・ディフェンス社は連邦倒産法第11章(日本での民事再生法に相当)の適用を申請したと公式サイトのプレスリリースにて伝えた[2]。適用後、債務の整理と経営の再建を目指した手続きが進められる。事業は継続される見通しとのことである。
関連動画
関連商品
関連リンク
関連項目
脚注
- *コルト・ディフェンス社 債務不履行を回避するため投資銀行から7,000万ドルを調達(ミリブロNews)
- *Colt Defense Announces Fast Track Restructuring > Colt's Manufacturing Company LLC
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