歴史
帆船時代、重さ50トン前後、大砲6~8門を積んだ船をコルベット、もしくはスループと呼んだ。
時代が進むにつれてメタボ化大きくなっていき、帆船から汽船の過渡期(日本で言えば江戸末期から明治時代ぐらい)には500トン前後、大砲10~20門を積んだ船もコルベットと呼ばれるようになった。太平洋を渡ったので有名な咸臨丸や日露戦争で活躍した金剛(初代)がコルベットの範疇に入る。
その後、第二次大戦で大量生産された500トンぐらいの軍艦もコルベットと称され、潜水艦狩りに大活躍をしている。
現代
大体500~1,500トンの軍艦をコルベットと呼ばれることが多い。フリゲートと呼ばれる船はフランスのアキテーヌ級や中国の舟山級(054A型)のようにお前のようなババアがいるかもといお前のようなフリゲートがいるかといわれても文句言えないぐらいでかい船がフリゲートを名乗ってたりする[1]が、コルベットを名乗っている船はさすがに2,000トンを超えるものはない。
最近ではミサイル艇や哨戒艇と呼ばれている船も大型化・重武装化が進んでおり、コルベットと呼んでも差し支えなさそうなものまで出現している。
日本では海上保安庁の巡視船、それもPSやPMとされている船が大きさ的にコルベットに相当する。ま、海上保安庁は軍事組織じゃないんだけどね。建前上は。[2]
現代の代表的なコルベット&ミサイル艇
- ヴィスヴュー級コルベット(スウェーデン)
砲塔(砲身まで砲塔に隠れる!)含め徹底的にステルスにこだわったスウェーデンの主力戦闘艦。
対空をばっさり切って対艦と対潜に特化した装備を施され、640トンという小ささでヘリコプターまで搭載可能。現在は積んでいないけど。 - シェル級ミサイル艇(ノルウェー)
SESというホバークラフトの一種を採用したノルウェー自慢のミサイル艇。最高速度、実に60ノット(約111km)!
ミサイル4発と76mm砲という意外に重武装でコルベットとみなしても差し支えないだろう。 - ブラウンシュヴァイク級コルベット(ドイツ)
ドイツの最新鋭コルベット。但し輸出用MEKO型フリゲートの設計を流用しているためコルベットという割にサイズはやや大きめ。
武装は対空・対艦・対潜すべてにバランスよく装備されている。無人飛行機も搭載予定だがまだ積んでない。 - ヘッツ級&アリヤ級ミサイル艇(イスラエル)
別名サール4.5型。どちらも同じサール4型というタイプのミサイル艇から改造された。
ヘッツ級はガブリエルとハープーンという2種類の対艦ミサイルを計12発とヘリコプターを搭載。アリヤ級はヘリをあきらめ対艦ミサイルを14発に増やし76mm砲を積んだタイプ。これの拡大型が次に述べるエイラート級である。 - エイラート級コルベット(イスラエル)
別名サール5型。1,300トンに満たない船体へ対空ミサイル32発に対艦ミサイル8発、ヘリコプターまで搭載した超重武装艦。おまえは韓国艦か。案の定重武装すぎてトップヘビーを引き起こし、主砲は76mm砲を搭載予定だったのが20mmCIWSファランクスへ変更する羽目になったとか。 - 浦項級コルベット(韓国)
2010年に北朝鮮の魚雷攻撃で撃沈されたのがこのタイプ。韓国艦のお約束で重武装。 - コムドクスリ級ミサイル艇(韓国)
韓国自慢の最新鋭ミサイル艇……のはずだが。
「ウォータージェットの欠陥でまっすぐ進まない」
「羅針盤が狂いまくり」
「艦内通信システムの欠陥で艦内の通信ができない」
「76mm砲が欠陥品」
「建造中の船が台風で進水式直後に沈没」
など悪いほうのネタに事欠かず、正直、韓国海軍の中の人には同情を禁じ得ない。なおコムドクスリとはイヌワシの意味。 - 紅稗型ミサイル艇(中国)
中国の最新型ミサイル艇。ミサイルをたっぷり積む中国海軍の伝統にのっとり220トンという小型の艦体に対艦ミサイル8発搭載。ウェーブピアサーという独特の船型をしている。なお紅稗型とはNATOのコードネームで中国国内では022型ミサイル艇と呼称。 - 056型コルベット(中国)
中国の最新鋭コルベット。76mm砲とミサイル8発、個艦対空ミサイルに対潜防御用魚雷発射管までもつ重武装艦。設計思想は前述ブラウンシュバイク級に近い。 - 沱江級コルベット(台湾)
人民中国の急速な艦艇近代化&大量配備に危機感を覚えた台湾が対抗策として送り出した最新鋭コルベット。500tという小型のウェーブピアサー船型に76mm砲1門と国産対艦ミサイル『雄風』を実に16発[3]も積んだ超重武装艦。『空母キラー』という触れ込みだが、対空兵装が76mm砲+ファランクス[4]のみであり「そんな装備で大丈夫か?」と国内でも突っ込まれてるらしい。 - アズマット級ミサイル艇(パキスタン)
中国がパキスタンの注文で建造したミサイル艇。艦後部に対艦ミサイル8発&30mm対空ガトリング砲と結構な重武装……と思いきや艦前面にはなぜか25mm連装機関銃。普段は海上保安庁よろしく領海警備や海賊退治やってるからでっかい大砲は必要ないらしい。 - はやぶさ型ミサイル艇(日本)
前任の1号型ミサイル艇がいろいろな意味で使い物にならないため開発された海上自衛隊のミサイル艇。
240トンの船体に76mm砲とミサイル4発搭載し、日本海の荒波を44ノットで突っ切る。艦橋に置かれた乗員用の椅子はレーシングカーのシートでおなじみレカロ製。ちなみに船が小さいせいかきちんとした台所を船内に設置できず、乗組員は3食を電子レンジで暖めて食べるレトルト食品とカップ麺の生活を強いられるとか。日本を守る自衛隊員の皆様、お疲れ様です。
関連動画
恐らく建造したスウェーデン・コックムス社(そうりゅう級のAIP機関を作ったとこ)製作のヴィスヴュー級のプロモーションビデオ。
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *ちなみにアキテーヌ級はNATOでは駆逐艦として扱われており、中国海軍で駆逐艦を名乗る船は排水量5,000トンを越えている。
- *昔はPSクラスなら固定武装すらしていなかったのだが最近は物騒な世の中になったため重武装化しつつある。
- *厳密には『雄風3』(射程200km以上)と『雄風2』(射程150㎞以上)を混載
- *一応ファランクスを台湾版RAM『海剣』に換装する構想あり
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