概要
日本でコントとは、主にお笑い芸人などが行う笑いを目的とする寸劇のことを指す。一般的に10~20分程度で行われるが、更に短いコントも存在し、それらはショートコントと呼ばれている。
コントは東京から人気が広まり、榎本健一、大宮敏充、コント55号(萩本欽一・坂上二郎)、ハナ肇とクレージーキャッツ、そしてザ・ドリフターズといった面々を輩出した。また、浅草などはコントの聖地とされ、昭和時代に隆盛を極めた。浅草では演芸場のみならず、ストリップ小屋の幕間やスナックの営業で披露されることも多く、そこで腕を鍛えたコメディアンが1950年代に始まったテレビの演芸番組に出演し全国的な人気者となっていった。1970年代までは漫才よりもコントのほうが圧倒的に地位が高く、萩本欽一やドリフはその地位をコントで確立させた。1980年代以降もビートたけし、明石家さんま、とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウンなどコント番組でトップタレントの地位を確立し君臨した芸人も多い。
大阪では戦後漫才の地位が高い時代が続いたが、吉本新喜劇などはコントの要素を採り入れて成功を収めたコメディーであり、コントは一定の地位を持って受け入れられている。また、伝説の漫才コンビ「横山やすし・きよし」などもコントの要素を採り入れており、コント仕込みのオーバーアクションが人気を呼んだ。
英語圏では同様の形態のものを「スケッチ・ショー」「スケッチ・コメディー」と呼ぶ。
漫才との違い
漫才との違いは、漫才が会話を中心にした笑いに対し、コントは動き・演技・小道具・ステージ等を大いに活用するなどの違いがある。
また、漫才、コントともに相方との阿吽の呼吸でやる芸なのは共通しているものの、ボケとツッコミで成り立つのが漫才に対し、コントはフリとコナシで成り立つ。
フリとはネタを提供する側で、コナシはこれを受け入れていなす側である。対してボケとツッコミは、ボケがネタを提供し、ツッコミはそのネタを跳ね返す違いがある。
何のことかさっぱりわからないので、例を挙げてみる。目の前に今にも落ちそうな橋がある、これを渡らせたいけどわざとネガティブなことを吹き込み、相手に尻込みさせるのがフリ役で、敢えて渡ってひどい目に遭う道化役がコナシ役である。ダチョウ倶楽部の「絶対に押すなよ!」「聞いてないよー!」などもフリとコナシを具現化した名言といえる。
もっとわかりやすくいうと、ギャグ漫画などでこち亀がギャグ要素に用いているのがフリとコナシのコント的要素である(両津役のラサール石井はコント赤信号出身で、作者はその演技を賞賛していた)。更にいえば、十返舎一九の東海道中膝栗毛で弥次喜多のやりとりは、まさにこのフリとコナシの関係である。
対して、ボケとツッコミというのは、同じく目の前に橋があった場合、どうしても渡らせたいボケ役とどうしても渡りたくないので言い返すツッコミの役割となる。そして、会話の中で「お前が渡って大丈夫やったら俺も渡るわ」「そんな、落ちたらどうするんや!」「大丈夫、お前落ちても俺濡れへんから」と返し、相手が「なんでや!」と言い返したくなる状況を作るのがボケとツッコミである。
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