コンパチブルキャラクター単語

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コンパチブルキャラクター（Compatible Character）とは、ゲームにおいて他のキャラクターの要素を流用した・共通する部分を持つキャラクターである。「Compatible」は互換性がある、共用できるなどの意味がある。

コンパチキャラと略され、コンパチだけでコンパチキャラを指す場合もある。

概要

同一のゲーム内において他のキャラクターにモーションやグラフィック、コマンド、パラメーターなどが流用・調整されて良く似ているキャラクターがコンパチブルキャラクターと呼ばれる。
下記のルイージやケンのように、元は2P用だったものに性能差を付けたり、一つのキャラクターとして独立させたりしたのがコンパチの始まりだと言える。
ゲームによってはコンパチに代わる呼称が用いられることもある(例・大乱闘スマッシュブラザーズ…モデル替え)。

主に対戦格闘ゲームで用いられる言葉だが、モンスターハンターシリーズや真・三國無双シリーズ、そしてスーパーマリオブラザーズシリーズなど、他ジャンルにおいてもコンパチは存在する。
見た目だけが違ってそれ以外がほぼ同じキャラクターをコンパチとすることもある。
ドラクエなどのRPGでしばしば見られる色違いで別種扱いの敵モンスターや3Dゲームにおけるやられモーションなどの基本モーションの共用など流用や使い回し自体をそのままコンパチと称する例もある一方、 マリオパーティシリーズなどキャラクター差がないことが前提のゲームではコンパチはないとされている。

コンパチキャラの有名な例としてはストリートファイターシリーズのリュウをベースにしたケンや豪鬼等いわゆる道着キャラや、スーパーマリオブラザーズシリーズのマリオに対するルイージなどが挙げられる。
コンパチキャラクターの多くはベースキャラの別の姿や同門、血縁者、クローンという設定が多い。
この他、ストーリーの都合などで出せなくなったキャラクターの代わり、キャラクター製作にかかる手間を流用で減らす為などで作られる。
コンパチキャラが続編に登場する際にはオリジナルのキャラとの差が広げられることも多い。逆にNewスーパーマリオブラザーズのルイージのようにオリジナルと同じ性能に戻される事例もある。

コンパチブルキャラクターに似た要素にEXキャラクター(裏キャラクター)というものがある。
単純に強化された版であったり、過去作の性能そのままのものを使用できる。こちらはゲーム的には同一扱いで、狭義の意味ではコンパチとは呼ばれない。

「コンパチ」という語の使用の歴史は古く、かのゲーメストの1994年2月号増刊「スーパーストリートファイターⅡ」において既に用いられていた。
ただ用い方が後年と少々異なり、性能が似ていればグラフィックやパラメーターの流用がまったく無くともそれをコンパチと称していた(リュウとケン≒サガット、ガイル≒ディージェイ、ザンギエフ≒サンダー・ホーク、といった具合)。

コンパチをコピペ、水増し、手抜きと揶揄する声もあるが、基となるものを流用・調整する場合なら一から作る場合と比べて低い労力で異なる性能に構築できたりキャラ製作のコストを削減した分を他の調整に回せたりとメリットも大きく、また以下のように効果的に活用されている例も存在する。

KOFではネスツ編のシナリオに「草薙京のクローン」という要素を盛り込むことで、草薙京のコンパチを作り出し、キャラ製作に時間をかけずにキャラ枠を埋めるのに説得力を持たせた。

3Dにおいてもモーションの流用は容量をかなり節約できるらしく、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにおいては、DXでは19体のキャラを作成して余った容量をモデル替えによってさらに6体分埋めることに成功した。ディレクターの桜井政博氏曰く1体でも多くのキャラを参戦させたいという目的の下、あくまでサービスとしてモデル替えキャラが製作されたのであり、上記に挙げた容量の事情もあって仮にモデル替えを全部排除したとしても新規のキャラは1体も増やせないとのこと。

初期からコンパチを利用し続けている鉄拳シリーズも、鉄拳7ではギース・ハワードのモーションが平八をはじめとする他キャラのものを流用しているのではないかという声があり、しかしそれでも鉄拳のギースは原作と遜色のない「ギースらしさ」が表現できている。
ポッ拳でもピカチュウが風神拳を使用し、ルカリオにはリン・シャオユウやジュリア・チャンさらにソウルキャリバーのキリクなど様々なキャラクターのモーションが当てられ、ジュカインは吉光になるなど、登場するすべてのポケモンにモーションの流用がいかんなく活用され、そのいずれもが各ポケモンのイメージに見合ったものに仕上がっている。

このようにコンパチはゲームのストーリーの展開や容量のやりくり、さらにキャラクターのイメージの構成において重要な意味を持つことができる。決して単なる手抜きではない。
バーチャファイターシリーズは他のすべてのキャラの強い技を流用するラスボスのデュラルを除いてコンパチは存在しないものの1作につき2体ずつしか出せなかった(しかも1体はリストラ経験あり)こと、
三國無双シリーズでも初代作から長らくコンパチが続き、無双7で一度解消できたのも前作の土台に加えてアップデートや猛将伝などによる新規武器の追加があってこそであることを考えると、
その重要性が分かるだろう。(もっとも、豊富なキャラ数を楽しむか、数がすべてではなく一人一流派で十分に楽しむか、というようにユーザーの楽しみ方やスタッフのゲーム開発の目的は人それぞれで異なるだろうし、そのため一概に比較して良し悪しを決められるようなものでもないのだが)

コンパチブルキャラクターのリスト

コンパチブルキャラクターが存在する作品の一例。
追加するのは見ただけで分かる範囲のコンパチのみでお願いします。

CAPCOM格ゲー

※MARVEL VS. CAPCOM 3に登場するタスクマスターは他者の身体動作をコピーできるという設定を反映してリュウやキャプテンアメリカなどのモーションが、さらにキャプテンアメリカやスパイダーマンの技も流用されている。バージョンアップ版の『UMVC3』ではホークアイが登場し、彼もタスクマスターの弓矢を使った攻撃が流用されている

※スターグラディエイター2では全ての基本キャラにコンパチキャラが用意されている。中でもハヤトのコンパチであるブラックハヤトは前記の「元々は単なる2Pカラーに過ぎなかったものに性能差を付けたり、それを一キャラクターとして単独化させた」ものである

※ジャスティス学園シリーズでは作品によっては一部キャラに「キャラ名+2」という名称の裏キャラが存在し、衣装が変わる他キャラによっては性能も変わる

SNK格ゲー

※ワールドヒーローズシリーズは厳密にはADK製作のゲームだがSNKプレイモア(現SNK)が版権を引き継いでいるため便宜上ここに記載

※リアルバウト餓狼伝説スペシャルではアンディ・ボガード、タン・フー・ルー、ビリー・カーン、ブルー・マリーの4名に「EX+キャラクター名」という性能が異なる裏キャラが搭載されている

※サムライスピリッツシリーズの一部作品では全キャラクターで修羅と羅刹の異なる2種類の性能を選べる「対極選択(剣質)」というコンパチを昇華させたシステムを搭載している

※グラフィック上のコンパチではないがKOF2002UMでは上記の「都合などで出せなくなったキャラクターの代わり」としてK9999に似た性能のネームレスが登場する

鉄拳シリーズ

※ペク・トー・サンとファランは師弟だが共通技が少なく性能も戦法も別キャラ同然(鉄拳7ではファランにペクの技が一部追加されている)

※三島一美は八条流空手を使いモーションも独自だが一部の技が三島家の動きを髣髴とさせる

スマッシュブラザーズシリーズ

ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ

• ネスはマリオ、キャプテン・ファルコンはサムス、プリンはカービィの骨格や一部のモーションを流用しているが、ルイージのようにほぼすべてのモーションを流用しておらず、全くの別キャラである為、彼らはコンパチに含まれない。
• 今作における謎のザコ敵軍団は全12ファイターのモデルやモーションを流用している。

大乱闘スマッシュブラザーズDX

• コンパチではないが、ゼルダとピーチは両者ともに初登場となるDXでは体格や立ちモーションとしゃがみモーションが似通っており、おそらく一つのモデルをベースにこの2名を作成したと思われる。
• 今作における謎のザコ敵軍団はキャプテン・ファルコンとゼルダのモデルやモーションを流用している。

大乱闘スマッシュブラザーズX

スマブラXではコンパチといえるキャラが存在しない。

• リュカはネスの骨格や一部のモーションを流用しているが完全に別キャラとなっている。
• トゥーンリンクはリンクとモーションは似ているものの、骨格及びモーションが異なる。
• ウルフはニュートラルポーズの最初の一瞬や最後の切りふだ、対戦後の拍手がフォックスと共通しているがそれ以外のモーションがまったくと言っていいほど異なり、「クリスタルはゼロから新規ファイターを作るのと同じだけの時間がかかるが、ウルフはフォックスやファルコで培った制作のノウハウを活かして短い時間で制作することが可能だった」という発言からはあくまでノウハウを活かして制作したということだけ読み取れるのみでしばしば言われるコンパチや他キャラからのつぎはぎと断定し難い面がある。
• 今作における謎のザコ敵軍団はキャプテン・ファルコンとゼルダとマリオとカービィのモデルやモーションを流用している。

大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U

• 今作からアルフはオリマー、クッパ7人衆はクッパJr.のカラーバリエーションとして登場し、他にもむらびと、Wii Fit トレーナー、ルフレ、カムイの性転換バージョンやリトル・マックのワイヤーフレーム版もカラーバリエーションとして登場する。
  ただし彼らはカラバリに過ぎないため、彼らはコンパチに含まれない。
• Miiファイターは格闘、剣術、射撃いずれのタイプにおいても他のファイターを髣髴とさせるモーションを有している。
• 今作以降における謎のザコ敵軍団は謎のMii軍団に差し替わり、彼らはMiiファイターと同じモーションとなっている。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

今作ではバランスが極端に変わらない範囲の性能のコンパチを「ダッシュファイター」と定義している。(詳細及びダッシュファイターに当てはまるキャラは当該記事を参照)

• しずえのワザはむらびとのものと似ているが、実は骨格及びモーションがかなり異なるため、ダッシュファイターに含まれない。
• 前作に続き、ピカチュウ、ピチュー、ポケモントレーナー、インクリング、ベレトの性転換バージョン及びピカチュウ、勇者の別のバージョンの姿がカラーバリエーションとして登場する。forの項目同様、彼らもコンパチに含まれない。

真・三國無双シリーズ

※表の色分けは各キャラの所属先を表す。それぞれ魏、呉、蜀、晋、その他

真・三國無双4まで

※真・三國無双2以降通常攻撃モーションは2発目まで共通の一部系統を除きすべて3発目までが共通している

※真・三國無双4では片手刀剣系の武器を持ったキャラは(ここに記載していない固有モーションの周瑜も含め)共通で移動モーション時に得物を持っている手を後方にやって走るようになった(曹操のみ例外)

真・三國無双5

※本作から真・三國無双7まで弓は全キャラ共通のサブ武器としては登場しなくなる

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