コーゼル(Kosel)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。CV.坂口芳貞。
概要
外伝『螺旋迷宮』に登場する、第二次ティアマト会戦期の銀河帝国軍人・大将。旗艦<ディアーリウム>。
会戦当時50歳、幅の広い貫禄ある身体に豊かな茶色の髪、そしてするどく明るい褐色の目を持つ剛直な職業軍人であり、右手の甲には白いレーザーの傷跡が残っていた。
当時の帝国軍を象徴する歴戦の宿将の一人であり、宇宙艦隊司令長官ツィーテン元帥をも上回る豊富な戦闘経験を持ち勇猛果敢、常に最前線にあって勝敗を重ね、敵である同盟軍にも警戒される百戦錬磨の猛将であった。そして何より彼の経歴で特徴的なのは、貴族出身の高級士官がほぼすべてを占める当時の帝国軍にありながら、平民の身分で大将まで昇進を遂げたことである。この猛将は、ウォルフガング・ミッターマイヤーを始めとするのちの平民出身の名将たちの先駆者であったといえるだろう。
こうして帝国軍の重鎮の一人にまでなったコーゼルは、帝国暦436年末の第二次ティアマト会戦後には前線を離れて統帥本部次長の職につくことが内定していた。しかし彼は、統帥本部で期待されていたある職務に就くことなく、第二次ティアマト会戦において戦死することとなる。
第二次ティアマト会戦
帝国暦436年の第二次ティアマト会戦において、コーゼルは旗艦<ディアーリウム>から自身の艦隊の指揮をとった。司令部には情報主任参謀シュテッケル少将、情報参謀クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー大佐がいた。
第二次ティアマト会戦の最終局面、12月11日18時10分にいわゆる"軍務省にとって涙すべき四〇分間"が始まった時、彼は前後双方からの"流星雨と見まごうばかりの"猛攻撃に対して果敢に迎え撃ち、同盟軍の砲火がますます強くなる中でも見事な戦術で攻撃に対処してのけた。しかし18時27分、同盟軍第4艦隊(司令官フレデリック・ジャスパー中将)と第5艦隊(司令官ウォリス・ウォーリック中将)が巧妙な連係をとって左右からコーゼル艦隊を横撃したことで、ついに抗戦の限界に達し、瞬時にコーゼル艦隊は崩壊する。
これまでも見事な連係プレイを見せているこの”730年マフィア”の両司令官のうち、どちらかであればコーゼルの手腕で艦列を維持しえたというが、それももはや無意味な想定であった。18時36分、<ディアーリウム>は同時に三発の直撃弾を受け、爆発とともに艦橋が損傷・大破。コーゼルも9人の幕僚・艦橋要員とともに即死した。
補遺
第二次ティアマト会戦に先立って、コーゼルは情報参謀ケーフェンヒラー大佐を呼び出し、クリストフ・フォン・ミヒャールゼン中将が帝国軍内のスパイ網に関わっているのではないかという疑惑を仄めかしている。統帥本部次長の職も、そのスパイ網摘発のためのものであった。
彼の言は、ミヒャールゼンをスパイ網の責任者として名指しするものとも、あるいはまだ確信できぬ責任者をあぶり出すものとも取れるが、いずれにせよ、彼の死によって摘発の手は途切れた。事件が一応の進展を見るのは、6年後のミヒャールゼン提督暗殺事件を待つこととなる。
関連動画
関連項目
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