砕け散るまで戦え!
ゴジラ×メカゴジラとは、2002年12月14日に公開されたゴジラ映画である。
概要
2002年に公開された第26作目のゴジラ映画で、とっとこハム太郎との同時上映。興行収入は19億1000万円、観客動員数は170万人、上映時間は88分。続編に「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」があり、本作と合わせて機龍二部作と呼ばれる事も。
「ゴジラ×メガギラス」でメガホンをとった手塚昌明監督の作品である。手塚作品としては初の自衛隊協力の映画で、陸自と海自が参加している。「ゴジラ2000ミレニアム」で出した架空の兵器フルメタルミサイルが自衛隊の怒りを買い、長らくゴジラシリーズに協力してもらえなかったが、本作でようやく復帰と相成った。ちなみに手塚監督はメカゴジラが自衛隊の兵器である事、特生自衛隊という第四の自衛隊を出したせいで「協力を得るのは無理だろう」と半ば諦めていたという。音楽には「×メガギラス」でも作曲を担当した大島ミチル。このため「×メガギラス」で使用したゴジラのテーマが流用されている(若干アレンジされているが)。手塚監督曰く、幼少期に見て感銘を受けた「キングコング対ゴジラ」を意識したという。
本作は1954年版「ゴジラ」、1961年の「モスラ」、1966年の「サンダ対ガイラ」の物語と繋がっている。劇中の日本はゴジラ以外にも多数の巨大生物(怪獣)に襲撃されており、巨大生物に対抗するため「モスラ」劇中でロリシカ陸軍から貸与された原子熱線砲を研究してメーサー砲を開発。これを専門に扱う対特殊生物自衛隊(特生自衛隊)が発足している。メーサー砲の威力は抜群で、数々の巨大生物を打ち倒してきた実績がある。なお、54年の「ゴジラ」において骨は溶けなかったという設定になっている。
本作の登場怪獣はゴジラとメカゴジラ。本編では3式機龍と呼ばれており、メカゴジラは一部の登場人物のみが使う愛称である。また、当時読売ジャイアンツに所属していた松井秀喜も登場している。
※ちなみに、女性が主人公を務めるのは「×メガギラス」以降3作連続で、ポスターにおいて登場人物(家城茜)がメインとなったのはゴジラ映画では初めてである。
あらすじ
1954年、日本列島をゴジラが襲った。オキシジェンデストロイヤーによりゴジラは白骨化して死亡し、危機は去ったと思われた。しかし生態系の乱れからゴジラ出現以降、様々な巨大生物が日本に上陸するようになり、巨大生物の対処を専門とした特生自衛隊が発足。迎撃任務に就いていた。
1999年11月3日、特生自衛隊は新たな対巨大生物用の兵器を造るため、海底に沈んでいたゴジラの骨をサルベージ。千葉県館山市からトラックで運ばれていった。しかしその夜、台風とともに2頭目のゴジラが館山市へ上陸。民家を踏み潰しながら内陸部を闊歩していく。ゴジラを迎撃するため特生自衛隊と陸上自衛隊が共同で防衛線を張るが、ゴジラはこれまでの巨大生物とは一線を画す化け物だった。戦車砲はおろかメーサーすら受け付けなかったのである。メーサー車を運転して迎撃任務に向かった主人公家城茜三尉は自らの不注意から七三式小型車に追突し、ゴジラに踏み潰される形で葉山進の兄を殉職させてしまう。査問の結果、家城は資料課に左遷された。
一方、ゴジラの骨格を使った兵器…三式機龍(メカゴジラ)は2003年に完成。これを運用する第一機龍隊が発足する事になり、館山の戦闘に参加して事情を知っていた富樫は茜を機龍隊に誘った。しかし機龍隊には葉山進も所属しており、兄を殉職させた茜を憎んで何かと突っかかって来る。チームワークに不和が生じる中、八景島に向かうゴジラの姿が確認され、機龍隊の初陣を迎える。しかしゴジラの咆哮を聞いた機龍は突如暴走を始め、町並みを破壊。その隙を突いてゴジラは逃走した。葉山駆るしらさぎ3号機が海へ誘導しようとするが、機龍のミサイル攻撃を受けて墜落。失神した葉山は茜によって救い出され、直後に3号機は爆散した。エネルギー切れになるまでの2時間で八景島は破壊し尽くされ、夕日を背景に機龍は停止した。
八景島での暴走は大バッシングを招き、一時は機龍隊の解散や五十嵐総理の辞職も取り沙汰された。暴走の原因はゴジラの咆哮によって機龍のコンピュータに異常が生じた事だった。DNAコンピュータの改良で暴走の危険は排除され、出撃可能な状態に仕上げた。だがゴジラは未だ近海に潜んでおり、再び日本本土へと接近。自衛隊の防衛線を突破し、品川へと上陸する。通常兵器では最早ゴジラには敵わない。五十嵐総理の決断で機龍隊の出撃が決まり、二度目の戦いが開始された…。
主な登場人物
- 家城茜(演:釈由美子)
本作の主人公。特生自衛隊の隊員で、階級は三尉。1999年に館山市へ上陸したゴジラの迎撃に参加したが、不注意から七三式小型車の後退に気付かず接触してしまい、乗車していた隊員を殉職させてしまう。その事を後悔している彼女は査問会で「どんな処罰も受ける」と宣言し、資料課へ左遷された。その後、上官の富樫からスカウトされ、新たに発足した機龍隊に転属。だが機龍隊には、かつて彼女が殉職させてしまった隊員の弟、葉山進も所属しており、彼から冷淡に扱われる。 - 湯原徳光(演:宅麻伸)
人工生物学の権威で、沙羅の父親。機龍プロジェクトにスカウトされ、娘ともども防衛庁(当時)の敷地内へ転居。機龍の演算処理にDNAコンピュータを使用し、格闘戦が出来るだけの機敏さを獲得させたが、これが原因で機龍の暴走を招いてしまった。その後、DNAコンピュータの塩基構造を改良して暴走を防止した。茜と親しい関係だが、そのせいで葉山から喧嘩を売られている。 - 湯原沙羅(演:小野寺華那)
女子小学生。オジギソウを抱えている。死んだゴジラの骨を使ってサイボーグにした人間を嫌悪しており、「メカゴジラが可哀想」と語るなど同族と戦わされる事になった機龍の気持ちを唯一代弁する人物。その主張は、次回作『東京SOS』の小美人と似通っている。ちなみに機龍をメカゴジラと呼ぶ数少ない人物でもある。当初は茜と仲が悪かったが、次第に打ち解けて司令部から機龍の戦いを見届ける。 - 富樫(演:高杉亘)
特生自衛隊に所属する隊員で、茜の上官(階級はニ佐)。茜同様、ゴジラが館山市に上陸した時の戦闘に参加していた。機龍隊発足後は隊長となり、資料課でくすぶっていた茜を機龍隊に誘った。何かと彼女に食って掛かる葉山には「文句があるなら俺に言え」「チームワークを乱すようなら機龍隊から去ってもらう」と正論を以って諭した。 - 葉山進(演:友井雄亮)
特生自衛隊の隊員で、階級は三尉。茜の不注意で兄を亡くしており、この事を恨んでいる。その難癖のつけっぷりは上官の富樫から咎められるほど。八景島で機龍が暴走した時に、茜に命を助けられる。当初は「こんな奴に助けられるなんて」と感謝の欠片も無かったが、続く品川での戦闘ではゴジラの熱線から茜が乗った機龍を守るため突撃。しらさぎの機体でゴジラの口を塞ぎ、自分ごとアブソリュートゼロを撃つよう呼びかけるという漢っぷりを見せた。要するにツンデレである。 - 関根健二(演:水野純一)
機龍隊の隊員で、階級はニ尉。何かと暴走しがちな葉山を諌めるなど好漢である。しらざきのパイロットを務め、品川での戦いでは機龍にマイクロ波を照射してエネルギーを補充している。 - 柘植真智子(演:水野久美)
先代総理大臣。ゴジラ×メカゴジラの世界では女性の総理が普通にいるようだ。巨大生物の脅威にさらされる日本の状況を憂慮しており、機龍プロジェクトを積極的に推進。「世界を説得するためにどこへでも行く」と語り、機龍開発に伴う諸問題の解決に奔走。機龍完成後は責任を取って辞任し、後任には五十嵐がついた。 - 五十嵐隼人(演:中尾彬)
現総理大臣。2003年に内閣総理大臣に就任し、機龍プロジェクトを引き継いだ。このため機龍の出動権限を有している。機龍が暴走して八景島が壊滅した時は自ら現地入りし、惨状を確認。責任を取って総辞職しようと考えていたが、再度ゴジラが出現した事で雌雄を決しようと決意する。次回作「東京SOS」にも続投している。
関連動画
関連項目
- ゴジラ
- メカゴジラ
- モスラ
- 劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムハムージャ! 幻のプリンセス
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- 映画の一覧
- ゴジラ(1954年)/モスラ(1961年)
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
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