ゴジラ細胞とは、ゴジラの身体を構成している細胞のことである。G細胞とも呼ばれる。
概要
ゴジラの驚異的な生命力と如何なる兵器をも受け付けない頑丈な肉体の秘密。
その概念は『ゴジラvsビオランテ』において初登場となった。
ゲノム構造などは解読されていないようだが、初登場段階で既に「強力な自己再生能力」「核を分解しエネルギーとする」「核を食べることのできる構造」といった原生生物には無い特殊な形質が明らかとなっており、ビオランテはこのゴジラ細胞を巡っての三つ巴の戦いが物語の主軸となっている。
ゴジラがゴジラ化する前の『ゴジラザウルス』の状態ではこれほどの驚異的な能力は持ち合わせておらず、水爆による放射線の影響で、遺伝子の一部が組みかえられ、ザウルスの細胞に何かしらの突然変異が起きたものと考えられている(但し、ゴジラになる以前でも一般的な動物に比べればかなりの耐久性を誇っている)。
後にゴジラジュニアがゴジラとなった時もゴジラが放った強烈な放射能を全て吸収しきっていることから、ゴジラザウルスの細胞そのものに「原子力エネルギーもしくは放射線を吸収し、成長する」といった能力が備わっていた可能性もある。
前述したように、遺伝子“だけ”で見れば、その有効な資源性から砂漠で枯れない植物や永遠に実をつける小麦などの主に食糧問題を解決に導くと考えられていたが、日本で起きたビオランテの事件以降はその細胞のあまりの危険性が世界中に知れ渡ったためか、科学者がゴジラ細胞に手をつけようとすることは無くなった。
なのだが、何らかの理由で宇宙に飛んでしまったG細胞がそこで結晶生命体を取り込んで自己進化を続けた結果、スペースゴジラという新たなゴジラと同質の怪獣が誕生する事となった。
さらにvsシリーズが終わった後のミレニアムシリーズ以降の作品でもゴジラの細胞や遺伝子などの生体組織が重要なものとして扱われる作品はいくつか存在している。
登場に至るまで
この設定は『ゴジラ(1984年)』までは全く考えられていなかったものである。
平成ゴジラとなってから登場と、シリーズ作品では比較的遅い方のいわば“後付け”的な設定でもあるのだが、ゴジラが開始された1954年から昭和ゴジララストの1975年にかけては、まだまだ日本国内では『遺伝子工学』という概念すら一般にほぼ知られていなかったもので、1989年作品のビオランテは丁度1978年作品の『ルパン三世 ルパンvs複製人間』『ブラジルから来た少年』をはじめとするSF作品でクローン技術が一般に知れていたり、つくば科学万博などで「ポマト」(ジャガイモとトマトの合成植物)が展示されたりと、徐々に一般人の間にも『遺伝子工学の発達と、その脅威』という概念が知れ渡っていた時期であった。
こうした中で一般公募となっていた『ゴジラ2(仮)』の公募作のひとつに木暮瞬(小林晋一郎のペンネーム)の『ゴジラ対ビオランテ』があり、田中友幸自身も構想のひとつにあった「遺伝子工学が発達しすぎた先にあるのは核と同等の悲劇」というコンセプトが一致したこともあり、直々に「あなたので行きたい」という電話があったという。
小林は本作執筆にあたり、『より面白い映画のために』と題したプロットメモを作り、その過程で前提条件として「ゴジラ一枚看板ではもう無理」というスタート地点からツリー式にアイデアを膨らませ、「その他の条件」という項目に「現代性」→「遺伝子工学」とつなげていったことが伺える。参考文献として「人間が創った生物」「遺伝子をあやつる」「生物医学の悪夢」などの本の名前も挙げられている。
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