ゴッドサイダーとは、巻来功士による漫画作品である。
週刊少年ジャンプで1987年24号から1988年51号まで連載された。単行本全8巻。
概要
世紀末ブームの到来から久しい昭和末期に連載された、現代に蘇りし黙示録の戦いを描くバトル漫画。
大魔王サタンに呼応し現代に蘇った「悪魔の側の人間」と、天使であった頃の魔王の血を受け継ぐ神と悪魔の間の子・鬼哭霊気を始めとする「神の側の人間」との戦いを描く。
神話をモチーフにした重厚な物語、少年誌では珍しいエログロの強い描写、明快な勧善懲悪の展開などで熱狂的なファンを獲得したが、1年半で連載終了となり、終盤は急ぎ足に完結している。
連載終了後もファンの支持は篤く、作者は青年誌に活動の場を移した後に『ゴッドサイダー セカンド』『ゴッドサイダーサーガ 神魔三国志』などの派生作品を描いている。
あらすじ
人類が誕生する以前から、神と悪魔は「黙示録の戦い」と呼ばれる争いを繰り広げていた。
大天使ミカエルによって地中深く封じ込められていた魔王は、神々に最後の戦いを挑むため、自身を解放させるよう世界各地に一斉に「悪魔の側の人間」を出現させた。これに立ち向かうため「神の側の人間」もまた各地で活動を開始する。
「神の側の人間」と「悪魔の側の人間」の間の子という宿命を背負った鬼哭霊気は、人間のために「神の側の人間」と共に父である魔王と戦う道を選ぶ。
登場人物
神の側の人間
かつての黙示録の戦いで砕けた大天使ミカエルの剣の破片から生まれた戦士達。黄金の鎧を纏い、悪魔から民を守ったと伝えられる。現代の戦士は体から光を放ち、鎧や武器を出現させる。
十天闘神
神の側の人間に宿る十柱の守護神、およびそれを受け継ぐ戦士達。終盤登場した「施」「定」「慧」を司る神の名は本作では明かされず、続編で判明した。
- 鬼哭霊気
- 主人公。天使であった頃の魔王(大天使ルシファー)の血肉から生まれた人類の始祖・鬼哭一族の生き残りであり、「神の側の人間」と「悪魔の側の人間」の資質を併せ持つ。記憶を封じられ、行仁にひそかに育てられていた。黙示録の戦いの勃発で神と悪魔のどちらかに味方するかを双方から問われ、自らに愛情をくれた人間のために戦う道を選ぶ。
- 序盤は「悪魔の側の人間」と同じ瘴気(恨みや怨念のエネルギー)の力で戦っており、そのために救いを求める人達の血で作られた毒血が寄りつかないこともあったが、霊気の心に宿る大きな光を見つけた少女の血だけは離れなかった。霊気曰く瘴気には悪意ではなく正義の怒りに満ちたものもあるといい、人間としての正義の怒りが以降も霊気の戦う動機となっている。フォラスとの戦いでは瘴気を浄化されて一時力を失うも、そのことで自身に眠る光(光子)の力を完全に身につける。
- 後にウッド・ワードとの戦いで「悪魔の側の人間」の部分だけが偶然分離して殺されかけるが、瑠璃子が飛ばした分身の説得で悪魔の側の霊気も人間としての愛情に目覚めていることを知り、本体と融合してより強い一個人となった。
- 必殺技は拳を光の粒子に変えて体内に打ち込み心臓を破壊する「神魔血破弾」、光の粒子を剣に込めて飛ばす「粒子光散斬」他多数。守護神は「智」を司る毘盧遮那=大日如来。
- 阿太羅
- インド仏教総本山ラマ寺院から極東にやってきた僧侶。ドロドロに溶けた鉄を飲み込めるほど鍛えあげた鋼鉄の胃を持ち、神木の種を飲むことで胃(背中)から鋼鉄の剣を持った腕を生やすことができる。生真面目な性格で、神の尊厳を守るためならどんなにも冷徹になれると言われていたが、人間のために戦う霊気に影響を受けていく。必殺技は多数の腕で剣を振るった風圧で敵を斬り刻む「千手斬舞」など。守護神は「戒」を司る帝釈天。
- 流璃子
- 霊気と同じ鬼哭一族の末裔で、二つ年上の幼馴染。一族を迫害した人類に復讐するために「悪魔の側の人間」に味方していたが、幼い頃に遊んだ森を傷つけた仲間のハルパスを見殺しにしたことで制裁を受け牢獄に囚われる。ベルゼバブとの決戦において救出され、憔悴した体で命を賭して霊気を救った。「神の側の人間」としての姿は裸に細い帯を巻き付けただけの露出過多な装束だったが、後半は徐々に装飾が増えた。必殺技は冥界へ旅立った魂を死の間際に救出する「冥界逆葬送」など。守護神は「願」を司る弥勒菩薩。
- クラッシュ・マリガン
- アメリカ軍破壊工作部隊長。大柄で豪放磊落な白人男性。アメリカンフットボールのスター選手だったが、ニュースで悪魔に滅ぼされた故郷を目にして「神の側の人間」の記憶が覚醒し、手段を選ばず悪魔を殺すために軍に入った。直接の描写は無いが、魔王を倒す力を持つ五大元素剣の存在を突き止めたとされる。必殺技は肩から放つ光線で悪しき者を滅する「ジーザスフラッシュ」、強烈なショルダータックル「ジーザスショルダークラッシュ」など。守護神は「力」を司る伐虎羅天。
- ジェミニー(ジェミニー・マリガン)
- 悪魔医師パラケルススが生み出した無精人。クラッシュと互角以上の巨体を持つ褐色肌の女性。拳や脚から放つ風圧で相手を斬り刻む。敵であるクラッシュに身を挺して命を救われ、「神の側の人間」として覚醒しパラケルススに反逆、クラッシュの命を流璃子に救ってもらうために仲間に加わった。ベルゼバブとの戦いの後、生還したクラッシュと結婚し息子のトミーを設ける。必殺技は拳から放った風圧を弾丸に変える「風圧鎮魂曲」など。守護神は「進」を司る頞折羅天。
- 法粛
- ヨーロッパに飛んだ阿太羅の同門。イギリスのスラムに潜入した際の変装が気に入り、金髪に染めたパンクファッションのとても僧侶には見えない姿をしている。古代ローマ帝国の遺跡の下から発掘された「賢者の石」を博物館から無断で拝借し、ベルゼバブとの戦いに加わる。外見から軟派に見えるが、合流当初は神のためなら人類を犠牲にしても構わないという苛烈さがあった。戦いで右腕を失い、賢者の石と同じメギドの火を放つ義手を得る。必殺技は義手に炎を纏わせて飛ばす「滅義怒抜施弾」など。守護神は「方便」を司る迷底羅天。
- 鶚
- 中国の古代王朝・殷の女騎士。殷を滅ぼした周王朝の兵士に犯された後に全身を焼かれて殺され、大神魔王パズスに魂を捧げ蘇った。人類を憎んではいたが人間の心は失っておらず、心を邪魔に思ったパズスに心臓を奪われた。同志で恋人の彊良に心臓を取り戻してもらった後に彼と一体化し、心を取り戻すと同時に「神の側の人間」として覚醒する。敵対時は体の前面に夥しい火傷の痕があったが、一体化の際に彊良の皮膚を貰ったことで消え去った。必殺技は梟の姿に変身する「猛禽変化」など。守護神は「忍」を司る両杜羅天。
- トミー・マリガン
- マリガン夫妻の息子。クラッシュ譲りの金髪にジェミニ―譲りのカーリーヘアを持つ。ジェミニ―の胎内にいる頃から力を宿しており、パズスに殺されかけた母を救った。5年後には幼くして「悪魔の側の人間」との戦いに加わり、五大元素剣の一つである短剣「トロイア」を手に入れる。必殺技は「ジーザスフラッシュ」。クラッシュの死後は伐虎羅天を継承した。
- 鬼哭陀華桜
鬼哭密桜 - 世間とは何の関係も持たずひっそりと生きていた鬼哭一族の生き残り。霊気と流璃子が人間のために悪魔と戦うことには目を瞑っていたが、終盤に霊気が悪魔に味方したことで動き出した。必殺技は霊気と同じ「神魔血破弾」、幻影で相手の周囲を取り囲んで旋回し巨大なカマイタチで斬り刻む「真空熊爪斬」。守護神は陀華桜が「施」を司る吉祥天。密桜が「定」を司る珊羯羅天。
- アスタロト
- 魔王の義弟。守護神は「慧」を司る緊迦羅天。アスタロト大公爵を参照。
その他
- 大日輪行仁
- 日本仏教界を取り仕切る高僧で「神の側の人間」の指揮官。霊気を匿い密かに育てていた。あまり前線には出ないが規格外の強さを持ち、ルシファーの追放に天界の陰謀を疑い魔王に同情するなど柔軟さもある大人物。正体は他ならぬ大天使ミカエル。
- 得尊
- アメリカに飛んだ阿太羅の同門。ベルゼバブに敗れて体内に蛆を植えつけられながら、自身を救ってくれた霊気に報いるため最期まで戦い続けた。必殺技は頭部に針を生やす「憤怒六角針」。
悪魔の側の人間
魔王の血肉から生まれた怪物。単に「悪魔」とも呼ばれる。人類の中に紛れて潜伏していたが、地中深く封印された魔王からの心波により次々と覚醒した。
首領・幹部
- 魔王
- 全ての悪魔の父たる王。元は謀略により天界を追われた天使長ルシファー。天を突くほどの巨体を持ち、全裸で筋骨隆々の威容を見せつけている。
- 蠅の帝王ベルゼバブ
- 魔王に次ぐ実力を持つと言われる魔界の副将軍。中性的な耽美系の容姿をしているが、実際に単独で悪魔を殖やせる両性具有の体を持つ。反キリスト反信者の骨を砕き固めて作られた「愚者の石板」や、キリストを磔刑にした際に打ち付けられた五寸釘から作られた「神殺剣」を武器とする。牙一本になっても滅ぶことなく、冥界の中に至るまで霊気と死闘を繰り広げた。必殺技は口から吐いた強酸を竜のような姿に変えて操る「溶酸竜唾」、空間を歪め死角から強襲する「曲魔天殺」など。
- 悪魔将軍神父フォラス
- ベルゼバブの副官。アメリカに神父として潜伏していた。ベルゼバブが魔界で最も信頼する将軍であり、最愛の人でもある。必殺技は逆十字で相手を取り囲み力を奪う「聖逆十字壁」、瘴気で作り出した内的宇宙に相手を落とす「瘴気亜空弾」、瘴気で愛する人の幻影を発生させる「瘴気燐慌幻視」。得尊の命がけの覚悟で内的宇宙を破壊され、神魔血破弾で倒された。
- ラスネール伯爵
- 魔界の王族の一人で不死身に近い再生能力を持つ。パズスの復活を阻止するため、霊気と一時共闘した。魔王の復活後は五大元素剣の一つ「命」を守るために霊気と対決する。霊気の体に妖花マンドラゴラの種を植えつけ、剣を守る八首竜の涙で解毒しなければ10分で死に至らしめる状態に追い込むが、種を植えつけ返され思わぬデスマッチとなってしまう。最後は再生能力でマンドラゴラの細胞を暴走させ大きな木になってしまった。必殺技はサーベルを糸状に分裂させ相手を捕らえる「触手分裂剣」、筋肉を不死身の怪物に変える「筋肉獣牙殺」。
- 堕天使リリス
- 魔王の妻。愛を司る天使だったが、ルシファーの反乱の際に彼に味方して共に地上に落ち、魔王を陥れた天界の者たちを憎んでいる。魔王を復活させるために大神魔王パズスの力を利用しようとしたが、逆に利用されてパズスの細胞増殖装置にされていた。戦闘では下半身を尻尾が枝分かれした蛇のような姿に変身させる。天使の本質は失っておらず、ジーザスフラッシュを受けた際は本体と背中の羽根だけが無傷で残った。
- アスタロト大公爵
- リリスの弟で魔王の義弟。魔界の最高裁長官と呼ばれ、ベルゼバブと互角以上の瘴気の力を持つ。元はリリスと同じく天界の住人だったが、魔王に味方して地上に堕ちた。神を偽善者と蔑み憎んでおり、自らに流れる血の拒絶反応に苦しんでいる。必殺技はサイコロに書かれた文字の通りに肉体を破壊する「骰卦文呪殺」。五大元素剣の一つ「覇王」を所持しており、彼がいる限り五大元素剣を揃えることは不可能と言われた。終盤、ミカエルの導き(魔王に言わせれば洗脳)で「神の側の人間」となり、魔王の元に参じた霊気と対決する。
- 魔界の副王ルキフグス
- 魔王復活後の副官。魔王に代わって各国の首脳陣を集め、奴隷としての降伏を受け入れさせた。正体は魔王に仕える魔界の幕僚9人の集合体である。集合体の必殺技は無数の髑髏で作られたブーメランを投げつける「瘴気輪纒残」。
-
- 頭部のシャルタ
- 集合体と同じ顔をしたリーダー格。地中を掘り進み日本の地下にあるマグマ層を連鎖爆発させる獄爆弾で日本もろとも神の側の人間を一網打尽にしようとする。クラッシュに首を引きちぎられて倒されたかに見えたが、実はシャルタの頭部こそがルキフグスの本体であり、首が無事なら体はどうにでもなる。必殺技は髪を伸ばしロープのように相手を捕らえる「魔道禁断髪」、背中の羽根を刃に変えて伸ばす「鋼鉄食人花」。
- 右腕のガール
- 右腕から刃を生やした男。必殺技は「右腕微塵断」「右腕鞭破斬」「右腕溶蛇斬」。人間から絞り出した精気をまとった斬れない石積みが並ぶ嘆きの浜辺で阿太羅の剣を封じるが、浜辺の水(人間の涙)を利用した策で背後を取られ「魔滅十字剣」で倒された。
- 左腕のケルスート
- 左腕に斧を生やした男。クラッシュの最期の一撃で倒された。
- 右肋骨のカリューモス
- 本作の女性キャラでも特に慎みのないトップレスの女。必殺技の「デビルズクイーンショット」でクラッシュに襲い掛かるが瞬殺された。
- 左肋骨のミュルトン
- 電気ウナギの数百倍の電気を放つ呪雷魚の髪を持つ女。クラッシュの最期の一撃で倒された。
- 左足のロイゴス
- 左足に棘を生やした男。アリアドーネと合体した。
- 胃腸のアリアドーネ
- 副王の中で一番の巨漢。体に牙を持つ触手「食人胃」を住まわせている。ロイゴス、ゴネリッポと合体して巨大な肉玉となり、クラッシュのジーザスショルダークラッシュで倒されたかに見えたが、光の粒子を好む「回魔凶虫」を植えつけ致命傷を与えた。
- 右足のゴネリッポ
- 早々にアリアドーネと合体した男。
- 心臓のユーハーム
- 長い舌を持つ女。舌を刃のように変えて相手を貫く。クラッシュの最期の一撃で倒された。
- サルガタナス
- 黒バト公爵の異名を取る魔王の義弟。リリスとアスタロトの弟であり、二人が地上に落とされた直接の原因でもある。血液を持たずに生まれ、十天闘神から血を分けてもらっても足りなかった分を悪魔が化けた偽神からもらい受けた。十天闘神全てを守護神に持つことで全知全能の神に等しい力を持ち、魔王に対しても不遜な態度を取る。必殺技は相手の力を吸収して跳ね返す「神雷」、刃のような虹で相手を斬り裂く「神虹」。一度は神魔血破弾を跳ね返して霊気を倒したが、魔神として復活した霊気に逆襲され、最期は黒幕に処分された。
構成員
- 悪魔一佐ドゥーイン
- 霊気と最初に戦った「悪魔の側の人間」。人間としては魔道院裂火を名乗り自衛隊に潜伏していた。機甲師団をあやつってクーデターを起こし、鬼哭寺を襲撃した。必殺技は怨念のエネルギーをぶつける「瘴気砲弾」と「瘴気榴弾砲」、地中に眠る瘴気の核(亡骸)を剣とする「邪骸惨剣」。霊気に剣の瘴気を吸い取られ、神の力と合体させて撃ち返す「怨霊散弾」で倒された。
- 炎魔獣ハルパス
- フォラスの部下。単行本の人物紹介に「キザでみえっぱり。自己認識をあやまっている所がある変なハゲ。」とボロクソに書かれている。霊気に仲間になることを迫ったが、霊気の友人だった人間の少年を食った事で決裂し殺し合いとなる。必殺技は燃え上がる体を回転させ一万度の熱で分断する「炎魔溶断火車」。ハルパスに殺された動物の正義の瘴気を鎧の破片と合体させた「怨霊魔鬼雨」で倒される。家族と心波で話すことができ、ブロケル(流璃子)はハルパスを見殺しにしたとして一族の復讐を受けた。
- 水魔ブロケル
- フォラスの部下。流璃子を参照。
- ナチの戦犯・ハインツ・ゲルト・バックラー
- フォラスの部下。第二次大戦中にナチスに紛れ込み、人体実験を繰り返していた。必殺技は苦しみを与えて殺した人間の血を操る「毒血縛り」、指を手術器具に変えて突き刺し遺伝子レベルで悪魔に作り変える「妖酷手術」。瘴気をまとった霊気には毒血が通用せず、殺した人間の魂を救われて倒された。
- 軀妄虫
- フォラスが雑魚悪魔を合体させて作った巨大虫。平安時代に一度出現したが、「神の側の人間」俵藤太に倒された。霊気の「降魔破弓」で瞬殺されたが、心臓はフォラスのパワーアップに使われた。
- 死魔使いウトック
- ベルゼバブの部下。墓の側で数千年生きた樹木が死体の瘴気で変化して生まれた。地獄虫・腐下郎を死体に潜り込ませ、死魔として操る。霊気の「神魔木破弾」を脳に受けて倒された。
- 影食らいウッド・ワード
- ベルゼバブの部下。悪魔画廊を支配する蛾の怪人。必殺技は人間の影を奪い絵の中に取り込む「地獄絵世界」。内部には怨醜鬼と装人蜘蛛が待ち構える。正体は無数の兄弟から成る群体で、地獄絵世界は彼らが構成する巨大な肉体である。霊気に赤血球を吸収した剣で胃を活性化させられ、胃液で全身が溶けてしまった。
- 悪魔医師パラケルスス
- ベルゼバブの部下。悪魔病院の院長。中世の医師パラケルススの子孫であり、悪魔の側の人間を材料に人体錬金術で無精人を作り出した。無精人の一人ジェミニーの裏切りを受け、亀と竜が合体したような巨大な怪物に変身して霊気達に襲い掛かったが、法粛が持つ賢者の石に吸い込まれて焼き尽くされた。
- 無精女闘士軍団
- パラケルススが無から作り出した娘たち。殆どの娘の体格は一様だが、ジェミニーのみ図抜けた巨体を持つ。「悪魔の側の人間」ではなく普通の人間であり、霊気は手加減して戦っていたが、ジェミニーを残してパラケルススに殺された。
- ガリグレゴリィ
- ベルゼバブの部下。悪魔警察署長。部下のバタンガ、ハイドロス、ベヘモートと共に18世紀に数十万人のインディオを虐殺したスペイン軍の指揮官。霊気達にわずか3分で倒された。
- 虐殺者ユダ
- キリストを裏切り殺した背教者。ベルゼバブが持つ「愚者の石版」の一部となっていた。神に対する怨念で生きる瘴気の塊だが、頭蓋骨だけは実体。複数の剣を合体させた「瘴気蛇斬刀」でキリストの12人の使徒を殺したという。法粛の右腕を斬り落としたが、阿太羅に弱点の頭部を破壊されて倒された。
- ガミジン
- ラスネールの部下。必殺技は背中の筋肉を操り鑓を作る「筋肉鑓」。烏慶に倒された。
- アニ・コール
- ラスネールの部下。必殺技は口から水を吐く「水圧鉄砲」。烏慶に倒された。
- チモン
- ラスネールの部下。必殺技は頭の根っこで養分を吸い取る「頭根攻撃」。烏慶に倒された。
- 霧のバレギロ
- ルキフグスの部下。変幻自在の体を持ち、殺した人間の中に潜り込む。トミーのジーザスフラッシュで倒された。
- M・M・マードック
- ルキフグスの部下。殺した人間の体を奪う。人間の体が防護服になってトミーのジーザスフラッシュが効かなかったが、トミーを守る「神の側の人間」のオーラからダメージを受け、五大元素剣トロイアを不用意に握ったことで消滅した。
- 首吊り虫
- ルキフグスの部下。人間の皮で全身を包んでいる。正体は翅のない蛾のような怪女。トミーを守る「神の側の人間」のオーラに倒された。
- 殺人鬼
- ルキフグスに支配された世界で自暴自棄になって暴れていた人間。「悪魔の側の人間」の警察官に女性を差し出され、乱暴して殺した後に「悪魔の側の人間」に変貌した。この時点で世界中の街が同様の地獄と化していたという。最後は霊気の血破弾で倒された。
- ボトク
- 関東地区総督。太古から数多くの神の側の人間を倒し、冥界送りのボトクの異名をとる。大きな頭には消化器官が詰まっており、腸を触手のように伸ばして養分を吸い取る。必殺技は縄のように絡み合った腸を叩きつける「破岩腸獣鞭」。霊気に指一本で倒された。
- ロック・ヘラー・バハムート男爵
- ラスネール遊撃隊攻撃隊長。16世紀の青髭と恐れられた虐殺王で、自身のサディズムを満足させるためだけに魔女狩りを行い10万人を虐殺した。強い選民思想の持ち主。必殺技は8つの魔文字が刻まれた輪を投げつけて体を縛り、全て命中すると死に至らしめる「魔文字輪舞」、指先から伸ばしたマグマの爪で斬りつける「指断溶解裂」。正体は体がマグマで出来た怪物。霊気に地下水を引き上げられ、水蒸気爆発で消滅した。
- ビフロンズ
- ルキフグスの料理長。豚のような姿の大食漢。五大元素剣「命」を守る最後の番人だったが、霊気に全く通用せず逃げようとしたところ、巨大鍋に落ちてチャーシューと化した。
- アメリカ大統領
- 魔王復活後にルキフグスに呼び出された各国首脳の一人。ホワイトハウスを破壊され、妻と娘を生きたままホワイトハウスの一部にされた。精神力が強かったためにまず外見から「悪魔の側の人間」に変えられ、半分人間のままサルガタナスに操られて軍勢の指揮をさせられている。終盤の巻き展開の影響か救済が描かれずに終わった。
摩圖崇教団
フォラスに洗脳された人間が起こした大量虐殺の直後に台頭した宗教団体。正体は古代バビロニアの食人魔王パズスの復活を目論む信奉者達である。人類にとっても魔王にとっても怨敵だが、実は魔王に近しい者が中枢に入り込んでいた。
首領・幹部
- 大神魔王パズス
- 一億年前魔王に地上の王を追われた大神魔王。魔王には「紀元前の恐竜」と揶揄されている。魔王の魔力で山犬に変えられていたが、蘇聴に食われ彼女の口から生まれることで復活する。赤ん坊の姿から成長を繰り返し、神の側の人間と何度も戦った。山犬の頃は威厳のある口調だったが、復活後はチンピラのような口調になった。必殺技は古代バビロニアを一瞬にして滅ぼしたと言われる強力無比な呪文「ペルセポリス碑文」。最期は霊気が放った「ペルセポリス神魔碑文」を仲間たちが反射させる合体技で倒され、蘇聴(リリス)の体内に残った細胞もジェミニーに宿った息子のジーザスフラッシュで滅ぼされた。
- 大影神蘇聴
- 神の代理人を名乗る摩圖崇教団の教祖。正体は魔王の妻・堕天使リリス。
- 大影神烏慶
- 蘇聴の弟。正体は魔王の義弟、アスタロト大公爵。
奇肱国の四騎士
紀元前1100年頃の中国の王朝・殷の騎士。殷を滅ぼした周王朝から逃れて桃源郷を目指し、後一歩のところで捕らわれ皇帝もろとも残虐な手段で殺されたが、彊良の死に際の呪詛をパズスに聞き遂げられ蘇る。その後は中国の奥地に奇肱国を作り、パズスの復活の時を待ち続けていた。
- 彊良
- 虎の特徴を持つ騎士。鶚とは恋仲だった。人間に対して強い恨みを抱いているが、本来は騎士道精神を重んじる誇り高い戦士。霊気は説得を試みたものの、パズスに心臓を奪われており、戦いの途中で魔神に変貌させられてしまう。霊気に血液の流れを絶たれて人の心を取り戻し、鶚をパズスの呪縛から解放して彼女の中に消えた。必殺技は縞模様で竹林の中に姿を隠し、また竹林を虎の姿に変えて襲い掛からせ猛毒の笹で蝕む「忌陣影虎」、爪を四体の虎に変化させて飛ばす「怨呪四死殺虎」。
- 鶚
- 梟の特徴を持つ騎士。四騎士の紅一点。鶚を参照。
- 山揮
- 犬の特徴を持つ騎士。頭が三つある魔犬・䟵踢を連れている。パズスに心臓を奪われることもなく人の心を失っており、楽しんで人を殺す。バビロンの空中庭園に存在する自然体系が逆転した弱者が強者を食らう世界「逆狂異世界」で阿太羅と戦い追い詰めるが、自然体系を司る逆ピラミッドを破壊されて千手斬舞で倒された。
- 鳴蛇
- 蛇の特徴を持つ騎士。山揮と同じく人の心を失っている。亜熱帯植物を生み出し、体から発する腐敗毒で相手を蝕んだり、蛇のような姿に変身できる。必殺技は鱗を刃に変えて飛ばす「鱗断凶刃」。神の側の人間となった鶚を倒そうとするが、蛇の天敵である猛禽類の力を持つ彼女に圧倒されて敗れる。
その他
- タツ坊、レンコン
- 記憶を封じられていた霊気と遊んでいた子供たち。ハルパスに食われてしまったが、霊気に人の愛情を教え、報われずに殺された人のために正義の怒りを燃やす道を選ばせた。
- 超高次元の魔神
- 本作の黒幕。神や悪魔の生死すらあやつる宇宙の真理、神を超えた神。全ての破壊のため、星の位置を動かしてサルガタナスやパズス、ベルゼバブ、そして霊気を作り出したが、人間の愛情に触れた霊気によって目論見を狂わされた。正体は意志を持った宇宙空間であり、自然の摂理、その崩壊さえもこの神の意志であるという。ミカエルや魔王をも上回る力を見せるも、魔王と一体化して天使長ルシファーとなった霊気に倒された。
ファミコンジャンプ
ジャンプ連載作品がクロスオーバーしたファミコンソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』に本作も参戦しており、ヒーロー(味方)として霊気、敵としてハルパス、パズス、リリス、ラスネールが登場する。
最終ボスのマジュニア(ドラゴンボール)は魔族であるためか霊気が最も相性が良く、しんまひもん(ペルセポリス神魔碑文)を使えば一撃で倒せる。
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