ゴドルフィンアラビアンまたはゴドルフィンバルブ(Godolphin Arabian/Barb)とは、サラブレッドの三大始祖の1頭である。
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この記事では実在の種牡馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「ゴドルフィンバルブ(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
三大始祖の中では最も遅い1724年生まれと伝わる。しかしバイアリータークやダーレーアラビアンに比べて資料が圧倒的に少なく、どれが真実でどれが虚構なのかよくわからない。
まず生まれがシリアとかイエメンとか北アフリカとかいろんな説がある。品種もアラブ種なのかバルブ種なのかはっきりしない。アラビアンとバルブの2種類の名前があるのもこれが理由である。また、そのどちらでもなくターク種であるという説もある。ある程度はっきりしていることとして、1920年代後半には「シャム」という名前でチュニス(現在のチュニジア)にいて、当地の首長から時のフランス王ルイ15世に献上されたようである。しかしルイ15世は長旅で痩せこけたシャムを気に入らず、エドワード・コークという男によってフランスからイギリスに移された。種牡馬としては三大始祖の中では多い90頭ほどの産駒を残し、1753年に死亡した。これだけは墓が残っているので確かである。なお、ゴドルフィンアラビアンという名前は、本馬の最後の所有者である第2代ゴドルフィン伯爵にちなむ。
ゴドルフィンアラビアンは孫のマッチェムが種牡馬として一応の成功を見たが、バイアリーターク系のヘロドやダーレーアラビアン系のエクリプスが同時期に出てきてしまい、18世紀には既に衰退していた。しかしマッチェムの系統はしぶとく残り、20世紀に欧州のハリーオン、米国のマンノウォーが一時的にゴドルフィンアラビアンの系統を復活させる活躍を見せた。ただその活躍も長続きせず、ハリーオンの直系は南米に僅かに残るのみ、マンノウォー系もティズナウを除けば微妙な感じである。
父系としてはすっかり衰えてしまったゴドルフィンアラビアンだが、実は前述のエクリプスとヘロドの代表産駒ハイフライヤーはゴドルフィンアラビアンを母父父に持つ。エクリプスは当該記事にある通り、現在のサラブレッドの95%が直系子孫という「現代サラブレッドの祖」というべき馬である。また、ハイフライヤーはそのエクリプスを抑えてリーディングサイアーの地位を独占し続け、父系こそ滅んだがサラブレッドにその血を持たない馬はいないほどの大種牡馬である。
そんなこともあってゴドルフィンアラビアンが現在のサラブレッドにもたらしている影響は途轍もなく大きい。サラブレッドの遺伝子プールの内13.8%がゴドルフィンアラビアンに由来し、第2位のダーレーアラビアン(7.5%)の倍ということである(第3位はカーウェンズベイバルブの5.6%、第4位は三大始祖の1頭バイアリータークの4.8%)。
余談だが、ゴドルフィンアラビアンにはグリマルキンという親友の猫がいた。気性が荒いことで知られたゴドルフィンアラビアンだが、グリマルキンには心を開いていたという。ゴドルフィンアラビアンの死を悲しむあまりグリマルキンもすぐ後を追うように亡くなったとも、グリマルキンに先立たれたゴドルフィンアラビアンはそれ以後生涯猫を嫌ったとも言われている。いずれにせよ彼にとってグリマルキンは大切な存在だったのだろう。(直系子孫じゃないけど)キンチェムやノーザンテーストなど猫と仲が良かった馬の逸話はいくつか存在するが、そんな「猫好きのサラブレッド」の祖ともいえるかもしれない。
関連動画
映像なんてあるわけない。子孫はティズナウやカルストンライトオなんかを調べてみよう。
関連コミュニティ
関連項目
Godolphin Arabian 1724
|Cade 1734
||Matchem 1748 →マッチェムの記事参照
|Cripple 1750
||Gimcrack 1760
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