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この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
暗黒結社ゴルゴムとは、「仮面ライダーBLACK」に登場する架空の組織である。
作中で「ゴルゴム」と略称されていた事もあり、ゴルゴムが一般名称となっている。
概要
創世王を守護神とする組織。人類が生まれるはるか昔から存在していたとされる。
大神官ダロム・大神官バラオム・大神官ビシュムの3名からなる「三神官」を中心に構成されている組織で、シャドームーンが復活してからは、シャドームーンが実権を握っている。仮面ライダーシリーズで初めて、一般兵士としての所謂「戦闘員」を保持しない敵組織となっている。
人類の文明や文化を破壊した上で、優れた人間のみを怪人へと改造を施し、怪人だけの世界を築き上げようと目論んでいる。5万年に1度、キングストーンを持つ2名の次期創世王候補「世紀王」を戦わせ、勝利した側を次期創世王とするしきたりがあり、そういった経歴から少なくとも一度、5万年前に人類文明を破壊していると推測されている。
常に裏側から世界を支配し、様々な事情から政財界の実力者や、有能な科学者がゴルゴムに参加している。
長年闇に覆われたゴルゴムだったが、シャドームーン復活を機に人類に対して宣戦布告を行った事で、ゴルゴムの存在は世界で広く知られる事になる。
悪の組織らしく人間に対しては冷酷だが、その反面怪人たちに対しては仲間思いの一面を見せる事があり、シリーズ中の組織でも特に怪人を大事に扱っている(その一面として第1話に登場したコウモリ怪人が49話まで生存している)。
その一方で、大神官ダロムが「怪人など使い捨て」と吐き捨てたり、海を生息域としている怪人が居るにもかかわらず、核や石油を用いて海洋汚染策を企てる、といった冷酷な一面もある。
但し、この策に対して大神官バラオムは「海の怪人たちが困る」と強硬に反対している為、ゴルゴムの総意という訳ではない。
5万年周期の日食の日に生まれた南光太郎と秋月信彦を連れ去り、それぞれに「太陽」と「月」を象徴するキングストーンを埋め込み、世紀王として改造を施すが、脳手術前に信彦の父親でゴルゴムメンバーの秋月総一郎の乱入に遭い、光太郎を逃がした上に、創世王用に開発したバイク「バトルホッパー」まで奪われる羽目になってしまう。
やむを得ず、乱入の際に重傷を負ってしまった信彦に治療・改造を施し、シャドームーン復活に専念する一方で、奪われる形となったキングストーン「太陽の石」を奪還すべく、「世紀王ブラックサン」となった光太郎を付け狙う。
この世紀王ブラックサンこそが後の「仮面ライダーBLACK」である。
厳密には同名の(パラレルワールドの)別組織だが、仮面ライダーディケイドに於いては大ショッカー傘下に加わっており、サイ怪人が何度か登場したほか、劇場版ではシャドームーン(変身前:秋月ノブヒコ)と大神官ビシュム(変身前:ディケイドこと門矢司の妹)が登場している。
ニコニコ大百科に於いてはゴルゴムという組織よりも、「ゴルゴムの仕業」の方が先に記事になるという奇怪な現象が起きているが、これもやはりゴルゴムの仕業である。
創世王
ゴルゴムの守護神にして支配者。5万年に1度交代するとされている。
基本的に世紀王と三神官に対してのみテレパシーを用いて会話するだけで、一般怪人に対して話す事はない。
創世王が姿を見せたのは物語終盤の第50話。寿命が尽きかけていた影響なのか、巨大な心臓のような姿となっているが、これは創世王本来の姿ではないとされている。
後に発売されるPS2用ゲーム「仮面ライダー 正義の系譜」に於いて登場した「世紀王・邪眼」は、5万年前にこの創世王に敗れた先代の創世王候補であり、戦闘形態も披露しているが、これも創世王本来の姿なのかどうか定かではない。
テレパシーを操る他にも、対象を瞬間移動させたり、シャドームーンを一時的に信彦の姿に戻すなど、底の知れない力を有している。
また、劇場版仮面ライダーディケイド「オールライダー対大ショッカー」に於いて、シャドームーンが世紀王ではなく創世王と名乗っている。
世紀王
ゴルゴムの次期創世王候補。5万年周期で訪れる日食の日に生まれた者がその資格を有する。
作中では光太郎と信彦の2名がその資格を有する事となり、19歳の誕生日にゴルゴムにより世紀王へと改造される事となる。先述したとおり、世紀王となった2名は戦う運命にあり、兄弟同然に育った親友同士が殺しあわなければならない、という残酷な運命を背負う事となった。
世紀王ブラックサン
南光太郎がキングストーン「太陽の石」を擁する世紀王に改造された姿。 脳改造手術から逃れ、人間社会の為にゴルゴムと戦う決意を固めた光太郎が「仮面ライダーBLACK」と名乗った事で、人々からは仮面ライダーBLACKとしてその名と活躍を知られるようになる。 シャドームーン復活後は、何とかして信彦を救おうと何度も説得を試みるなど、全力を尽くしてはいたが最終的には倒さざるを得なくなり、光太郎の心に深い傷を残す事になる。 身体能力はジャンプ力30m、水中活動時間10分とされている。 |
世紀王シャドームーン秋月信彦がキングストーン「月の石」を擁する世紀王に改造された姿。 父・総一郎の乱入の際に重傷を負ってしまい、治療と改造を施された後、ゴルゴム三神官の「天」・「海」・「地」の石の力を受けた事で復活する。その実力はゴルゴム屈指の実力者であった剣聖ビルゲニアを容易く倒してしまったほど。 生物的なイメージが強い仮面ライダーBLACKとは対照的に、機械的なイメージの強い外観を持ち、基本的な能力は仮面ライダーBLACKを凌駕している。 創世王用の武器・サタンサーベルに依存した戦法であった事と、戦闘経験に乏しかった為か、仮面ライダーBLACKとの直接対決では苦戦を強いられるが、創世王の助力を得たことで一度は仮面ライダーBLACKを殺害している。 シリーズに於いて初めて誕生した「純粋悪の仮面ライダー」というコンセプトが一部で好評を博し、今でもシャドームーンのファンが存在しているほどである。 身体能力はジャンプ力40m、水中活動時間60分。 |
世紀王その他
- キングストーン
- 世紀王となった者に埋め込まれるゴルゴムのパワーストーン。世紀王の力の源であり、同時に世紀王の魂そのものともいえる存在である。「太陽」と「月」を象徴する2つのキングストーンが存在しており、両方を手にした世紀王を次期創世王とする決まりがある。
- キングストーン自身に意志が宿っているようで、続編のRXに於いては何度か光太郎に語りかけるシーンが存在している。キングストーンが起こした奇跡については「キングストーン」と「そのときふしぎな事が起こった」の当該記事を参照のこと。
- サタンサーベル
- 世紀王のみが扱うことができる武器。赤い刀身は斬りつけたものを容易に切断し、世紀王が使用することで光波を発射したり相手を捕らえる拘束用の光を放ったりと様々な用途に使える。
- 当初は剣聖ビルゲニアに下されたが、シャドームーンが復活後に呼びかけるとそれに応じてビルゲニアの元を離れ、以降はシャドームーンの所有物になる。ただしシャドームーンの物ではなくあくまでも"世紀王専用装備"であるため、もう一人の世紀王である仮面ライダーBLACKが呼びかけても反応して飛んでいくという性質がある。
- バトルホッパー
- サタンサーベルと同じく下された"世紀王専用マシン"。物語の開始時に南光太郎により奪取され、それ以降はずっと光太郎の愛機となる。
- 自らの意思を持ち自走することができるため、世紀王の呼びかけに応じてどこへでもやってくる。また、自己修復機能を持っていて自己再生が可能。ボディの中にあるリライブタンクを破壊されない限りはどれだけのダメージを受けようともしばらくすれば再び走れるようになる。
ゴルゴム怪人
仮面ライダーBLACKは「原点回帰」をテーマとしている事もあり、怪人名も初代仮面ライダーに倣って「~怪人」とシンプルになっているのが一つの特徴である。また、造形に於いても初代仮面ライダーの怪人やアマゾンの獣人以上に、生物の特徴を前面に打ち立てた外観を持ち、グロテスクとも言えるほどの不気味さを醸し出している。
先述したとおり、優れた人間に動植物の能力を移植して改造している為、知能が高い者が多い上に、寿命が5万年以上と非常に長いという特徴を有している(ただし、劇中において人語を話す者は少ない)。
中には、アンモナイト怪人のように人間ではなく化石が怪人になったケースも存在している。
ゴルゴム特有の植物「ゴルゴメスの実」に含まれるタウリンを栄養素にしており、14話でマグロが大量に盗まれるというゴルゴムの仕業は「実が不足した為、その代用としてマグロのタウリンを抽出すること」が目的であった。
怪人の中でもとりわけ功績の大きかった者を先代の神官が選出し、再改造を施し大怪人とした後に3名の大神官が任命され、ゴルゴムの具体的な活動の決定など重要な役割を担う事になる。
大神官となった者は「天」・「海」・「地」の石を所持する代わりに、怪人としての能力は弱体化するようである。
作中に登場した大怪人はダロム・バラオム・ビシュム・剣聖ビルゲニアの4名。但し、ビルゲニアは大神官に選出はされていない。
ゴルゴムに参加している人間構成員の多くは、怪人に備わっている不老不死ともいえるほどの長寿命に憧れている、といわれている。
ダロム
基本的には彼がゴルゴムの方針を取り決め、実行に移している。
強力な念動力を有する他、光太郎と信彦の改造手術の際には指先からレーザー光線を発していた。
天の石を失ってからは元の姿である三葉虫の大怪人に戻り、念動力が強力になっている以外にも、触角を自在に操り破壊光線を発射する事も可能となっている。
バラオム
ゴルゴム三神官の一人。海の石を所持している。
まるで石のようにゴツゴツした顔の持ち主で好戦的な性格だが、飢えた怪人の仲間割れを仲裁したり、身勝手を行った怪人を叱りつける等、怪人たちにとっては兄貴分でもある。両手からショックビームを放てる他、バリアも形成可能となっている。
海の石を失ってからは元の姿であるサーベルジャガー(※劇中架空の動物)の大怪人に戻り、かなりの怪力を発揮する他、ショックビームが2色の破壊光線に変化するなど、より攻撃的になっている。
また、46話では特訓の末に超高速移動も体得した。
ビシュム
ゴルゴム三神官の一人。地の石を所持している。
右目で未来を、左目で過去を見通す事ができる予言者で、三神官唯一の女性。両目から灼熱光線を放つ事もできる。
人間の作る「美」や「愛」に対して否定的で、彼女の作戦方針にもそれが現れている。
地の石を失ってからは元の姿である翼竜の大怪人に戻り、灼熱光線の威力向上の他にも、自身が回転する事で強力な竜巻を起こす事も可能となっている。翼竜である為、スピードも非常に速い。
剣聖ビルゲニア
仮面ライダーBLACK打倒の為に、創世王の命により三神官が復活させた大怪人。
古代の甲冑魚ビルケニアの改造人間であり、全身を強固な甲冑で覆われている他、優れた剣術の使い手でもある。
3万年前の日食の日に生まれたが、5万年周期からずれていた為に世紀王の資格は有していない。
また、かなりの自信家で三神官に対しても反抗的な態度を見せる事が多く、勝手な行動に出る場面も多々ある。
創世王により創世王の武器であるサタンサーベルが与えられてからは、三神官に対して敵意を剥き出しにするようになる。世紀王の資格を有していないとはいえ、一時は仮面ライダーBLACKをも圧倒する実力を見せたほか、シャドームーン以上にサタンサーベルを使いこなすなど、自信に見合うだけの実力も有している。
シャドームーン復活後はシャドームーンに奪われたサタンサーベル奪還の為に戦いを挑むが、得意の剣術がまったく通用せず、サタンサーベルで専用の盾・ビルテクターごと一刀両断され、自分がただ利用されたに過ぎなかった事を悟りながら消滅した。
ゴルゴム(萬画版)
石ノ森章太郎が描いた、萬画版「仮面ライダーBlack」にも暗黒結社ゴルゴムが登場する。
彼らの目的は『人類を意図的に破滅させ、人為的に進化した生物(改造人間)に世界を支配させる』事である。
その規模は全世界に及んでおり、日本のみならず世界各地に大規模な基地や研究施設を持っていた。
TV版と同様、南光太郎と秋月信彦の体内に『賢者の石』と呼ばれる王の証とバッタの遺伝子を埋め込み、
王座を賭けて戦わせようとしたが、変身後の両者は全く同じ姿なので、信彦がシャドームーンを名乗ることはない
(同様に光太郎が仮面ライダーBlackを名乗るのも一度きりであり、その際には変身していない)。
ストーリー終盤、ゴルゴムの基地から脱走してきた信彦と光太郎は手を組んでゴルゴムと戦うのだが、
光太郎は、未来世界を魔王と名乗る改造人間が支配し、僅かに生き残った人類も虐殺されている事を知る。
魔王の姿は変身した光太郎、信彦と同じであり、光太郎は『自分か信彦が魔王と化し、世界を滅ぼす』事を悟る。
親友と戦う事を躊躇い続けた光太郎だが、信彦は密かにゴルゴムの思想に染まっていた為、
光太郎が未来に飛ばされて行方不明になった隙に、ゴルゴムの支配者として世界を滅亡へと導いた。
1999年、遂に光太郎は信彦を倒すが、世界は既にゴルゴムの引き起こした核戦争と環境汚染で滅亡しつつあった。
信彦は最期に「オマエが死ねばオレが新世界の王になる!オレが死ねばオマエが世界の……」と言い残す。
光太郎は無人の東京で「おしえてくれ~!オレは誰だ!?」と問うのだった……
萬画版の光太郎はゴルゴムの本部や中枢に辿り着く事が出来なかった為、
創世王や三神官に相当するキャラクターは登場せず、組織の実態が暴かれることも無かった。
ゴルゴム名物「ゴルゴムの仕業」
ゴルゴムを語る上で外せない要素がなんと言っても「ゴルゴムの仕業」である。
作中で起きていた異常事態を光太郎が「ゴルゴムの仕業か!」と一方的に断定していたのが始まりだが、光太郎がそう断定した場合、100%の確率で主犯がゴルゴムだった、という驚くべき結果が出ている。
このありえない程の単純明快さが後にネタとなり、今なお使用されるに至る。
仮面ライダーディケイドにも「BLACKの世界の光太郎」が登場しているが、流石にこの時は自重したようである
(注記:厳密には、TVシリーズとは同じ名前を持つ別人。RXの世界に居る南光太郎とも平行世界の存在で関連は無い)。士がBLACKの世界に来た時にはゴルゴムが既に大ショッカーの傘下に入っていた為、ゴルゴムの仕業と言えなくなってしまっただけかも知れないが。
詳細は「ゴルゴムの仕業」の当該記事を参照のこと。
関連項目
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