ゴルフ(Golf)とは
- ゴルフボールを打って、ホールカップにより少ない打数で達することを目的とした球技の一種。本稿で説明。
- トランプ占いとして使われる事もある、一人用トランプゲーム。
- ドイツ、フォルクスワーゲンが製造販売する自動車の一つ。「メキシコ湾流」のドイツ語、ゴルフシュトローム(Der Golfstrom)に由来する。 → フォルクスワーゲン・ゴルフ(Volkswagen Golf)
- ソ連の629型潜水艦のNATOコードネーム。 → ゴルフ型潜水艦(Golf class submarine)
- 国際的な頭文字の規則、NATOフォネティックコードでの「 G 」の呼び方。
概要
ゴルフとは、世界120カ国以上でプレーされているという、最も普及しているスポーツの一つである。
特にアメリカ、カナダ、日本、ヨーロッパで盛んに行われており、他にもオーストラリア、南アフリカ、韓国などでも非常に盛んである。
一般的にゴルフ場と呼ばれる施設で行われるが、必ずしもその限りではない。広義にはゴルフボールを打つだけのことも含まれる。
日本には明治時代に神戸に住んでいたイギリス人が持ち込んだのが最初。それから主に戦前の富裕層や貴族の間に広まり、戦後の好景気時に何度かブームが沸き起こって一般化した。
現在ではプレー人口950万人と、国民的スポーツと言っても過言ではないほどの広まりを見せている。
が、同時に初期のプレーヤーに富裕層の特に中年以上の方が多かったせいか、「金持ちのスポーツ」、「おっさんがやるもの」というイメージが付き、同時にバブル期に接待に多用されたことで「金が掛かる」、「成金趣味」、「ヤクザが来る」などという芳しくないイメージもあるようで、若者の間にはまだまだスポーツとして認知されていない場合があるようだ。
そのわりにゴルフゲームにはヒット商品が数多く、ゴルフマンガもプロゴルファー猿を筆頭に結構ヒットしていると思うので、潜在的にゴルフをやりたいと思っている子供や若者は多いのではと思われる。
スイング理論やゴルフクラブのスペックなど、凝れば凝るほど奥が深い要素が満載で、別名「人生を思わせるゲーム」「人生を狂わせるゲーム」として知られている。
歴史
ルーツは、紀元前の古代ローマのスポーツ「パガニカ」にまで遡る事ができ、近代スポーツの中でも屈指の歴史の古さを誇る。直接の起源としてはオランダ説や中国説などがあるが、現在のゴルフの形に整理されたのは14世紀のスコットランドでの事である。
初期は海辺の荒地であった「リンクス・ランド」で行われており、そこにあった様々な要素が現在のゴルフコースに生きている。例えば、バンカーはリンクスにもともとあった砂穴(リンクスは砂丘に芝が生えた場所)を模して造られたものなのである。
18世紀末くらいにアメリカに渡ったゴルフは当地で爆発的流行を見せ、第一次世界大戦の後、イギリスから主流の座を奪い取る。特に1930年のボビー・ジョーンズによるグランドスラムの達成は象徴的な出来事であった。第二次世界大戦後にはプロツアーが隆盛。1980年代以降は世界中から名プレーヤーがアメリカで開催されるツアーや大会を目指し、タイガー・ウッズをはじめとした名選手を数多く生み出した。
日本では初挑戦から85年にして日本人ならびにアジア勢初のマスターズ優勝を果たした松山英樹を筆頭に、PGAツアーなどで結果を残す選手が現れつつある。
女子ゴルフの歴史も古く、スコットランド悲劇の女王として知られるメアリー女王はゴルファーだった。日本女子選手のレベルは高く、かつては全米女子プロゴルフ選手権に勝った樋口久子やアメリカで賞金女王になった岡本綾子がおり、2010年には宮里藍が世界ランク一位になる活躍を見せた。
2016年のリオデジャネイロ五輪では、112年ぶりにゴルフが競技として実施された。
競技方法
一般的に知られている、全ホール終了時の合計打数によって勝敗を競う競技方法はストロークプレーと呼ばれる。大会では4人1組でコースを回る。
一方でマッチプレーと呼ばれる競技方法もある。もともとゴルフはこちらの競技方法で行われていた。各ホールごとに打数で勝敗を決め、勝利したほうが1ポイントを獲得。残りのホール数よりも点差の方が大きくなった時点で勝負がつく。
こちらは1対1で勝負を行うことになるため、大人数で大会を行う場合はノックアウト方式のトーナメント形式でなければ競うことができない。
ルール
詳しいゴルフルールは日本ゴルフ協会の当該ページを参照のこと。
ゴルフには審判がおらず(プロツアーには審判員がいるが)ファジーなルールの裁定はプレーヤー自身に任されている。そのため、幾らでもごまかす事が出来る。その代わり、故意による反則がばれた場合は厳しく非難される。競技終了後であろうが遡って失格を言い渡され、永久追放にもなりかねない。
競技でなくても、ごまかしがばれたおかげで人格を疑われ、仕事を干されてしまったと言うような話は枚挙に暇が無い。
もっとも…
- 自分が有利なように振舞わない。
- あるがままを受け入れてプレーする。
- 人に迷惑を掛けない。
を心に刻んでプレーすれば大体合っているので、それほど神経質にならなくても良い。
ゴルフでは打数の過少申告は即座に失格となるが、多く申告した場合はそのまま受け入れられる。なんか怪しいな…と思ったら、自分にペナルティを課して打数を多くすれば良いのである。
もちろん、競技に出るようなプレーヤーにとって、ルールの勉強はプレーの練習と同じくらい大事。
エチケット・マナー
「ゴルフは紳士淑女のスポーツ」という言葉が一人歩きしたおかげで、なんだかかしこまったスポーツであるかのような誤解があるが、けしてそんな事は無い。
厳しい服装規定も昔の話で、現在ではかなり緩い格好でゴルフ場に現れても追い返されるような事はまず無い。
ただし、Tシャツ、GパンはNGなので注意である。シャツは出来れば襟付き。パンツはスラックスが望ましい。
問題なのはそれ以外の部分である。
ゴルフ場は公共の場であるので、当然蛮声上げて大騒ぎする事は避けるべきだし、他人の迷惑になるようなことは無論してはならない。飲酒も出来れば避けたいが、どうしてもというのなら程ほどに。
初心者が下手であるのは当たり前なので誰も責めないが、のんびりプレーしすぎて後ろのプレーヤーの迷惑になれば即座に軽蔑される。これは幾ら上手くても同じである。もっとも、むやみやたらに走り回れと言う訳ではないので、前後の組との間隔を把握しながらプレーするようにしたい。
グリーン上で足を引き摺ったり、ねじったりするとグリーンが傷むし後ろのプレーヤーの迷惑になるので絶対にやってはいけない。グリーンにボールが落ちた跡(ボールマーク)も必ず直しておこう。余裕があればショット跡(ディボット)も直すべきである。
兎に角、自分が有利なように振舞わない。あるがままを受け入れてプレーする。人に迷惑を掛けないの三か条を常に頭に置いてプレーして欲しい。
用語
これも日本ゴルフ協会の当該ページ参照のこと。
ゴルフ用語の中には和製ゴルフ用語というものがあり、英語圏の人が聞くと笑い出すような用語があるらしいので注意。
- ミドルホール
パー4の事。ちなみに、ロングホール、ショートホールも意味が違うそうであるが、ミドルは用語からして無い。 - クロスバンカー
フェアウエイバンカーの事。何が交差しているのかと思われるらしい。 - アゲインスト
向かい風の事。通じない。正確にはheadwindというらしい。
他にも一杯あるが、日本では通じるので構わないと言えば構わない。
ただし、ノーズロ、後家殺しなどは下品なので使わない方が良い。あと、あわやノリコ、いやんバンカなどの駄洒落用語は空気を読んで使用すべし。
用具
ゴルフをやるには様々な用具が必要である。
この用具の数の多さ、価格の高さが新規ゴルファーへの敷居を高くしているという指摘がある。もっとも、最近は安価な入門用も増えており、中古ショップも多いので、昔ほど用具に金が掛からなくなってはいるだろう。ただし、この部分に金を掛けるからこそ楽しめると言う部分もあるのだが・・・。
- ボール
これが無ければ何も始まらない。
1個100~700円程度と値段はピンきり。何が違うのかと言うと、主にスピン性能が違うのだが、アマチュアレベルでこれがスコアに影響する事などほとんど無いので、お金が惜しい人は安いものを使ってOK。 - シューズ
ゴルフ場は一面芝生である上、斜面がたくさんある場合が多い。つまり、滑る。
なので滑り止めがついたスパイクシューズが必要となる。スニーカーだとスイングする時にひっくり返るかも。昔は本当にピンがついたスパイクだったが、最近はゴムの突起がついたものが主流。これも値段はピンきり。
ただし、ゴルフはけっこう歩くので、足にフィットするものを選びたい。 - 手袋
ゴルフクラブを振る際に左手に(両手にする人もいる)装着する。合皮や羊の皮で出来ている。
初心者のうちはミスヒットがどうしても多くなり、手に掛かる負担も大きくなるのでしておいた方が無難。
上級者になると、繊細なフィーリングが必要なアプローチやパットで外す事もある。 - キャディバッグ
ゴルフクラブを運搬するためのバッグ。
クラブのほか、雨具やティ、ルールブック、おやつなどを入れるので、かなりの重量になることがある。ゴルファーの顔とも言うべき一面を持ち、これのセンスでそのゴルファーの腕前やセンスが知れる。持ち手にゴルフ場のタグがボロボロになってたくさんくっついているようなプレーヤーは・・・。 - ゴルフウエア
基本、襟付きシャツとGパン以外のズボン、スカートならOKである。
これは14~19世紀のスコットランドでは、ゴルフを外出着でプレーした事から、ジャケット、ネクタイが消えて襟だけが残ったものである。女性などはドレスを着てゴルフをやっていたので、ズボンを履いてプレー出来る様になったのは戦後の話なのだ。ゴルフ場が紳士淑女の社交場だった時代には、腰にタオルをぶら下げていただけでクラブを退会させられたなどという話も聞くが、最近ではそんなことは多分無い。ただし、公共の場であるのだから、下品な服装をしていたら追い出される事はあるかも。
もう一つ、ゴルフはスポーツなので、あんまりアクセサリーをじゃらじゃらさせていると危ない。ネックレスが引っ掛かって首が絞まって死んじゃったという嘘の様な本当のような話もある。 - ゴルフクラブ
ルールでは14本までバッグに入れる事が出来る。ただしこれは上限である。
下限は0本でも構わないが、ボールが打てないので事実上の下限は1本ということになる。よって、『プロゴルファー猿』の主人公・猿谷猿丸はルール違反をしていないことになる。
昔はパーシモンという柿木の一種で造られていた事から、ウッドクラブという呼び方をするクラブと、鉄の類で造られたアイアンというクラブ。主にグリーンの上で使用するパターというクラブに分ける事が出来る。
最近はウッドクラブもチタンやステンレスで造られており、これをチタンウッドやメタルウッドと称する。
1番を「ドライバー」、2番を「ブラッシー」、3番を「スプーン」、4番を「バフィ」、5番を「クリーク」という呼び方をしていたが、最近では7番、9番、11番などという番手もあり、さらに「ユーティリティ」などというアイアンとの合いの子みたいのまでが登場している。この中で、ゴルファーを悩ませなおかつ虜にするのが1番ウッドのドライバーであり、飛距離の出るクラブを求めて、こればかりは頻繁に買い換えるプレーヤーは多い。
ただし、最新型のドライバーは一本で15万円とかする。奥さんが実家に帰らない程度にした方がいいよ。
アイアンは昔は3~9番とピッチング、アプローチ、サンドの各ウエッジというのが標準だったが、フェアウエイウッドやユーティリティの発達によって最近では5番からの事が多いようだ。これはセットで30万円もする場合があるので、滅多に買い換えられることは無い。頻繁に買い換えている人は何か悪い事をしているに違いない。
もしくは奥さんに逃げられているか。ウエッジだけを使い慣れたセット違いの物にしている場合も多い。
パターはグリーンの上で1mくらいのパットを10回も外せば買い換えたくなる。
幸いこれは普通2万円くらいなので、換える人は頻繁に換える。逆に同じパターを使い続ける人も多い。
スイング理論
ゴルフボールを打つためにクラブを振ることを、ゴルフスイングするという。
ぶっちゃけ、ゴルフボールをゴルフクラブで打つことは、初めてやる人がほとんどの場合空振りするくらい難しい。
真っ直ぐ遠くに飛ばすのは言うまでも無くとてつもなく難しい。
しかしながら上手い人…中でもプロは、見ている分には非常に容易に素晴らしいボールを打ってみせる。これを見れば誰もが「あの人たちは何かボールを真っ直ぐ遠くに飛ばす秘訣を知っているに違いない!」と思う。
そして、彼らのスイングを研究し、分析し「こうすればプロみたいなボールが打てる!」という方法を見つけ出そうとする。もしくは見つけ出したと主張する人々によって提唱されるのがスイング理論である。
スイング理論を探求する人にはプロからアマチュア。下手をすると初心者の域を出ない素人までが含まれており「俺の理論はプロ以上!」と自負する100を切れないプレーヤーというような痛い人もいる。しかもたくさん。
勿論、ゴルフクラブの形状に決まりがあり、人間の関節がほとんどの場合誰でも同じに動くのであるから、スイングに運動生理学上の法則があるのは確かである。これをスイングの基本という。
しかしながら、その基本以外の部分は個人差やフィーリングの違いが多すぎて、とても理論や法則で括れないというのが本当のところである。だから、いわゆるプロの言うスイングについてのアドバイスというのはほとんどの場合経験則やフィーリングの言語化に過ぎ無い。だから本当に優れたプロのコーチは、違うプレーヤーに同じ事を言う事は無い。
複数のプレーヤーへ同時にアドバイスする事も嫌うほどなのである。
アマチュア研究家のそれはほとんどの場合「写真ではこう見えた」的な思い込みの産物に過ぎない。そもそも、優れた理論とは優れた実践と結果が伴って意味を持つものなのであって、それが伴わない理論に何の意味があろうかという話である。
結局、上手いプレーヤーが上手いのは、真剣にたくさん練習してたくさんプレーしている…つまり不断の努力の結果だというのが真実である。ちなみに、古いゴルフのジョークに「100が切れないプレーヤーはゴルフをおろそかにし、70を切るプレーヤーは人生を疎かにしている」というものがある。並大抵の努力ではゴルフは上手くならんのである。
ニコニコ動画におけるゴルフ
『スカッとゴルフ パンヤ』の記事が先に出来たことで推して知るべし。2011年2月の段階でゴルフタグの動画が542件。サッカーや野球に比べて格段に少ないといえよう。
何人か自分のスイングをUPしているプレーヤーがいるようだが、その数もyoutubeに比べれば非常に少ない。
みんな、もっとゴルフやろうぜ!
関連商品
関連項目
- プロゴルファー猿
- ライジングインパクト
- みんなのゴルフ
- スカッとゴルフ パンヤ
- カービィボウル
- ビッグトーナメントゴルフ
- タイガー・ウッズ
- 日本たばこ産業 - ゴルフ日本シリーズ協賛企業
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